ワクチンの速度と経済回復の相関関係を明白にしたOECDの報告

パリを拠点とする経済協力開発機構(OECD)は21日ワクチンが遅れている国はグローバル経済を引きずると警告した。豊かな国は、ワクチン供給を援助しなくてはならないことを示唆している。OECDが公表する前に、ジョー・バイデン大統領は既に、多量のワクチンを購入し、ワクチンが不足している国に数億回分のワクチンを寄付する準備を始めていたことが報告されている。バイデンは21日国連総会でのスピーチで、世界的問題であるコロナウイルスのパンデミックへの戦いはこれまで以上に協力が必要であると述べた。

38か国をモニターし、アドバイスを提供したOECDは今日、研究報告書を公開し、パンデミックのショックからの世界的な回復は昨年の予測より速く、世界経済は2020年にGDP-3.4%であったが、回復を取り戻した。しかし、世界経済の回復は「不均一」であると警告した。その回復は 、強力な政策支援、効果的なワクチンの導入、および多くの経済活動の再開、ヨーロッパでの力強い跳ね返りに支えられて、今年は経済成長が回復したと述べている。また、世界のGDPは2021年に5.7%、2022年に4.5%成長すると予測されているとし、米国は来年、追加財政支援の可能性があり、貯蓄より支出が先進国の成長の展望を後押しすると述べている。主な先進国の昨年と今年のGDPの比較は以下の通りである。

主な先進国20202021暫定EO予測
世界-3.45.7
G20-3.16.1
カナダ-5.35.4
ドイツ-4.92.9
フランス-8.06.3
イタリア-8.95.9
スペイン-10.86.8
日本-4.62.5
イギリス-9.86.7
米国-3.46.0

加えて、デルタ変異種の経済的影響は、ワクチン接種率の高い国ではこれまで比較的軽度であったが、他の国では、短期的な勢いが低下しているため、グローバルなサプライ・チェーンとコストに圧力がある。インフレ率は、米国、カナダ、英国、および一部のエマージング市場(新興市場国)で急激に上昇している。米国では年間インフレ率が5%を超えているが、他の多くの先進国では、特にヨーロッパとアジアで 比較的低い水準にとどまっている。商品価格の上昇と世界的な輸送コストは現在、年間のG 20(世界最大の経済国)の消費者物価インフレに約1.5%ポイントを追加しており、過去1年間のインフレ上昇の大部分を占めている。 G 20の消費者物価上昇率は、2021年末の4.5%から2022年末までに約3.5%に緩和すると予測されており、パンデミック前に見られた率を上回っている。供給圧力は徐々に弱まり、賃金の伸びは引き続き緩やかであり、インフレ期待は依然として定着しているが、上向きのリスクは短期的であると報告書は述べている。

また、かなりの不確実性が残っているが、ワクチンの供給が早く進み、家計出費が急激に増加した場合、需要を高め、失業率を下げるだけでなく、短期的なインフレ圧力を押し上げる可能性もあると述べている。しかし、ワクチンの展開がスローである場合、新たなウイルス変異種が拡大し続けると、回復は弱くなり、失業が大きくなると警告している。政府は人命を救い、収入を維持し、ウイルスを制御するために、世界中でワクチン接種を可能な限り迅速に展開するために必要なすべての資源の利用を保証する必要がある。自国および世界的な利益のため、低所得国の国民に予防接種を行うために必要な資源を提供するには、もっと強力な国際的努力が必要であると述べている。

バイデン政権は、この報告書が公開される前に既にファイザー・バイオNテックのコロナウイルス・ワクチンをさらに数億回分購入し、世界に寄付する予定であると9月17日にワシントン・ポストが伝えた。米国はワクチンを世界の人々と共有する取り組みを強化しようとしており、政府は5億回分の購入を予定しているが、条件は確定していないという。21日、バイデン大統領は国連総会で、パンデミックおよび気候変動など、世界的な課題に取り組むために、これまでにないほど協力しなければならないと述べた。バイデンは「私たちが一緒にやらなければならないことを達成するために、私たちが一人でできると思う以上のことをするための選択をしなければなりません。このパンデミックを終わらせ、次のパンデミックへの準備を整え、気候変動を防ぎ、すでに見ている影響に対する回復力を高め、テクノロジーが潜在的により大きな争いと抑圧の源になるのではなく、人間の課題を解決し、人間に力を与えるための重要なツールとなる未来を確保しなくてはなりません」と述べた。

経済回復とワクチンのスピードには相関関係があることを指摘しているのはOECDだけではなく、国際通貨基金 (IMF)は今年4月に、主に米国の力のおかげで、以前の予想よりも早くコロナウイルスのパンデミックから世界経済は回復しているが、ワクチンの不均一な展開が発展途上国を置き去りにする恐れがあるため、大きな課題が残っていると警告したとニューヨーク・タイムスが4月に伝えた。バイデン政権が発展途上国にワクチンを寄付するのは今回が始めてではない。米国では、他国にワクチンを寄付する余裕がありながら、自国の一部の保守州では、感染率は病院を圧倒し、多数の州民が死亡しているにも関わらず、何の援助もしていない知事またはリーダー達が存在する。彼らには彼らの主張や信念があるかもしれないが、科学者や専門家の研究では、そのような地域が米国の経済回復を鈍化しているということになる。つまり、何にしない地域のリーダー達は、ワクチン政策が経済政策であることを気付くべきである。特に、デルタの脅威は想像以上であり、ニューヨーク・タイムスの更新では9月20日の感染の平均は137,295であり過去14日間の変化は4%増加した。死者数は脅威的な2,087で51%も増加した。感染と死者数が圧倒的に多い州は、リーダーがワクチンやマスクを奨励することを拒否しているという皮肉な状況が繰り返し報告されている。

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