
By The Guardian
パンドラ・ペーパーは、合法的なタックス・ヘイブン(税金天国)と呼ばれる海外又は国内の秘密の場所に非合法的な方法でお金を隠している企業および個人を追跡調査した情報源の文書に言及している。世界の最富豪者の幾人かは長年著名な海外のタックス・ヘイブンに彼らの富を密かに保持していることは長年知られているが、驚くことに近年、米国の幾つかの州も海外の富裕層のためのタックス・ヘイブンになっている。その調査を行っているのは世界最大規模の国際組織であるが、世界中のジャーナリストがその調査に参加している。
調査を実施しているジャーナリストのインタビューと解説が中心になっているビデオを公開したワシントン・ポストによると、タックス・ヘイブンは、利益を得たお金の税金支払を避けることができる国または管轄区域に言及し、お金を稼いだ場所で税金支払いを避けることを説明するには約1,000の異なる方法があるという。タックス・ヘイブンは合法的である。企業は税負担を軽減するために、または国が投資を促進するためにそれらを使用する。しかし、時には、腐敗の一部として、政治家が支払いを偽装し、税金を回避し、当局からお金を隠し、不適切な理由や犯罪行為のために信託が使用される。しかし、ベリーズのようなタックス・ヘイブンの政府は捜査には協力しないため、時間や資源不足などのさまざまな理由で検察官が海外に隠されているお金を調査することは非常に困難である。
パンドラ・ペーパーは、国際調査ジャーナリスト連合(ICIJ)、ワシントン・ポストの記者チームを含めて、ICIJによって組織化されたジャーナリスト、および世界中の何百人もの記者による世界最大の協力と連携によって行われている新たな調査を通して、秘密を発見した約1,190万の文書に言及している。それらの文書は電子メール、パスポートのコピー、大統領、王、王女、億万長者、犯罪者がどのように資産を隠しているかを示す銀行取引明細書などが含まれている。パンドラ・ペーパーは、世界中の超金持ちで、強力な人々のお金が世界中でどのように動くかを示し、米国と著名な世界のリーダー達がこの秘密の世界にどのように関与しているかを明らかにしている。例えば、ヨルダンの王子やロシアの大統領ウラジーミル・プーチンのガールフレンドであると広範に見られている女性、強力な外国人の所持を明らかにする莫大な量の文書はICIJが組織化しているジャーナリストによって確認されている。
バラク・オバマは彼が上院議員であった2007年、「ケイマン諸島に12,000の企業が存在すると思われる建物があります。現在、これは世界最大の建物であるかまたは世界最大の税金不正行為のどちらかです」と語った。しかし、14年後の現在、タックス・ヘイブンはケイマン諸島だけでなく、幾つかの米国の州にも外国の署名人が利用するタックス・ヘイブンが存在する。世界の顧客は、アラスカ、サウス・ダコタ、ネバダ、デラウェア州の一部の地域をタックス・ヘイブンとして利用している。例えば、サウス・ダコタ州のスーフォールズは、大金を隠しておきたい人や企業にとって、最適な場所になっている。スーフォールズのダウンタウンの街にある建物には信託会社があり、世界中の顧客のために数十億ドルの資産を管理している。現在、外国の百万長者や億万長者からの1,000億ドル資産が保管されている。しかし、その資産の中には自国で詐欺、賄賂、人権侵害、その他の不正行為で告発された個人または企業のお金も含まれている。
例えば、ブラジルのオレンジ・ジュースの実業家であるホルスト・ハッペルは他の人々と2016年に、地元の農民に過小支払による共謀の罰金で8,800万ドルの和解金をブラジル政府に支払った。ハッペルは、2017年に中西部の州に信託を設立した。また、人権侵害で告発された製糖会社であるセントラル・ロマーナを経営していたドミニカ共和国の元副大統領であるカルロス・モラレス・トロンコソの家族も信託を設立した。モラレスはバハマに信託を確立し、彼の死後、彼の信託は娘たちの利益のためにサウス・ダコタ州に移送された。サウス・ダコタ州は、伝統的に裕福な州ではなかったが、モラレスのような顧客を持つ弁護士は、同州の議員にタックス・ヘイブンの政府になるよう提案した時、議員の多くは、仕事とお金が流れると説得されていた。しかし、ICIJの調査は、そのような事実がないことを発見した。
加えて、パンドラ・ペーパーは米国市民が犯罪捜査や費用のかかる訴訟に直面しながら、国外にお金を移動する方法を明らかにしている。例えば、 ベリーズにあるグレン・ゴッドフリーの会社は、殺人容疑者、有名な子供の性犯罪者、ニューヨークのコロンボ一家と関係のある暴徒の仲間のために、信託、銀行口座、および企業を設立し、彼は裁判官、検察官、およびIRS当局者の殺害を勧誘 した自称憲法主義者である。更に、パンドラ・ペーパーはこの秘密のシステムに参加し、その恩恵を受けている世界のリーダーとその忠実なサークルの実態も示している。ヨルダンのアブドゥラー2世は過去10年間、数十億ドルのアメリカの援助が彼の国に注ぎ込まれた時、秘密のお金は反対方向に流れた。アブドゥラに関連する企業は、米国で贅沢な家を購入するため、何百万ドルも費やした。アブドゥラ王は、彼の国の人々に知られる事なく、マリブまたはポトマック川を見下ろすジョージタウンやロンドンで、複合構造のマンションまたは建物を購入し、過去10年以上の期間で1億ドル以上の贅沢な財産を秘密裏に支出した。スヴェトラーナ・クリヴォノギクも、秘密のシステムから恩恵を受けている別の個人である。以前に開示されていない財務記録と地方税の文書の組み合わせから判明したことは、この女性が女児を出産してからわずか数か月後、ほぼ20年前にモナコの高級マンションの隠れた所有者になったことである。2020年のロシアのメディア報道によると、子供はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と何年にもわたる秘密の個人的な関係にあった時に生まれた。クリヴォノギクは、この女の子を出産してから数か月以内に、地中海からモンテカルロを見下ろすかなり印象的なアパートを所有していた。
米国の法律は、信託会社が顧客の身元を確認することを義務付けているが、どのような人々にその適性があるのかに関するガイドラインをほとんど提供していない。莫大な量のパンドラ・ペーパーを調査したICIJおよびワシントンポストのジャーナリストは、企業と超富裕層が、非課税または非常に低いレートで、推定32兆ドルもの資金を隠している事を発見した。これには、不動産、芸術品、その他の高級な宝石類は含まれていない。推定32兆ドルは、2020年の米国の国内総生産(GDP)の合計を超過しており、現在の米国の財政赤字の10倍以上を超えているという。