悲喜交々の状況がある最近の米国の傾向

Touring Kentucky, Biden Vows 'Whatever It Takes' to Recover From Storms -  The New York Times

By The New York Times

前代未聞の葛藤の中で、議会は2023年の初期まで債務限度を引き上げる法案を昨夜可決した。ジョー・バーデン大統領は、財務省の緊迫した状況を考慮し、今朝、竜巻の被災地の被害状況を視察するためケンタッキー州を訪問する前に署名することが期待されていた。災害に加えて、オミクロンは米国35州以上に拡大しているだけでなく、感染症例は45%以上増加しているが、ホワイトハウスの当局者は、米国には多様な手段と準備があるため、もはや昨年のように米国の経済を閉鎖する必要はないと述べた。

上院議会は、下院で先週通過した債務限度を引き上げる法案を幾分改正し、単純過半数の投票で可決できるという一度限りの規定に基づき、来年の中間選挙後も有効な2.5兆ドルの引き上げを50対49票で通過した。共和党の一人は投票に参加していないため反対票は49であった。その後、真夜中に下院議会は投票し、221対 209票で通過した。これは2023年初頭まで有効であるため、当分の間、債務引き上げの失敗による債務不履行の危機を懸念する必要はない。議会の債務限度引き上げの葛藤は、なぜ前代未聞であると言えるのか?

債務限度を引き上げる為には、通常上院で60票が必要である。従来、超党派の課題として、民主党が少数派であった時、彼らは常に共和党に協力し60票以上で可決していた。しかし、民主党の大統領が就任して以来、両院でほぼ全会一致の共和党の反対があり、その困難を乗り越え、民主党は連邦政府の債務不履行の脅威を阻止することを可能にした。下院の共和党で賛成票を投じたのは、先週の投票の時と同様に、イリノイ州のアダム・キンジンガーだけであった。これは前代未聞の党派的分裂があることを示唆している。ファースト・トラック・プロセスと呼ばれる特別措置によって、50票に副大統領の1票を加えて可決できるという一度限りの米史上初の規定変更を下院議会の民主党が提案し、上院少数派のリーダーであるミッチ・マコーネルが容認した。その契約から1週間後に、上院議会ではフィリバスター(議事妨害)を防ぐことが可能な投票による期限ギリギリの可決で、脅威の債務不履行を避けることができたという非常に劇的な状況がある。連邦政府の支払いは、過去の大統領が通過した法案による支出も含めて両党による議会の財務責任であるにも関わらず、共和党議員らはあまりにも党派的に動いている悲しい状況を見ている。先週マコーネルは、この規定変更に関しては多数の共和党が同意すると述べていたが、実際に2.5兆ドルの債務引き上げが決定したこの法案に対する二回目の投票では、上院共和党は全員が反対票を投じた。情けないレッドとブルーが党派的に分裂していることを強く印象づけた。

両院で昨夜可決したこの法案にバイデン大統領は、即時に署名すると期待されていると伝えられていた。15日の朝ケンタッキー州を訪問する前に署名した可能性がある。午前中、同州の被害地に到着したバイデン大統領は、空上から最も壊滅的な被害を受けたメイフィールドを視察する前に、アンディ・ベシア知事と共に地元の代表らとの会合で、要旨説明を受け、ヘリコプターで被災状況を視察した。住宅地域では、生存している建物は少なく、崩壊した家屋の角には瓦礫が積まれ、多数の木々が家、車庫、車の上に倒壊し、圧倒的に多数の建築物が破壊されている状況を目撃した。その後、着陸し、土地の損傷状況について、地元の役人から説明を受けていた。非常に見るに耐えない光景が繰り返しテレビ画面で描写されている。バイデンは被害を前にして、党派的な分裂はないことを示唆し、「レッドの竜巻もなければ、ブルーの竜巻もありません」と言った。午後から、ケンタッキー州ドーソン・スプリングスの近所を見学し、この被害に対するバイデン政権の対応についてスピーチを行ったようである。

現地を視察する為に訪問しているバイデンを迎えた地元の人々はほとんどマスクをしていなかった。バイデンは大分以前にブースター投与を受けた為、彼も時々、さほどの警戒心がない様子があるように見えた。しかし、マスクと社会距離の保持はまだ必須である状況が続いている。米国ではオミクロンは大多数の州に拡大し、感染率はほぼ50%増加している。ニューヨーク・タイムスの14日の更新によると、14日の平均感染数は121,687件で、14日間で46%増加した。14日の時点での平均死亡数は1,285人であり、14日間で40%増加している。情報筋によって数値は異なるが、米国での感染は圧倒的にデルタ変異種によるものであり、デルタ・ウイルス感染者の90%から97%はデルタ変異種に影響を受けている。それにも関わらず、オミクロンは今週36州で発見されたことが報告されているが、喜ばしいことに米国当局者は慌てていない。

ワシントン・ポストによると、米国全体にオミクロンの変異種が急速に広まっているにもかかわらず、ホワイトハウスの関係者は水曜日に、ワクチン接種とブースター(三回目のワクチン)が利用可能であるため、閉鎖の必要はないと述べている。ホワイトハウスのコロナウイルス対応コーディネーターであるジェフリー・ザイエンツは、コロナウイルスの要旨説明で、「私たちは1年前とは大きく異なり、より強い場所にいます。 そして、ロックダウンする必要はありません。私たちは子供たちを学校に通わせ、ビジネスをオープンに保つ方法を知っています。ですから、私たちは決して経済を閉鎖するつもりはありません」 と述べた。一方、CDCのディレクターであるロシェル・ワレンスキーはオミクロンはデルタ変異体より伝染性が高いことを強調し、予備データによると、倍増時間は約48時間であり、米国は今後数週間でもっと増加すると警告した。ワレンスキーは、ワクチン未接種者が接種し、ブースターを取得する資格のある人々が投与するよう促した。 彼女は、現在、米国の全郡の90%に相当する感染が多い地域社会又は屋内の公共の場ではマスクを使用するよう推奨した。

ケンタッキーのような保守派州で、民主党が知事である場合、州議会は保守派の議員らによって支配されている場合が多いため、コロナウイルス対策には非常に葛藤があるようだ。一部の共和党有権者はマスク、社会距離、ワクチンの全てに対して「自由」を主張し、その選択が本人、家族、地域社会の人々に及ぼす影響が何であるかを考慮していないように見える。幸い、CDCによると、米国でのオミクロン変異体によるCovid-19の症例は、現在わずか3%であり、ほとんどのCovid症例の約90%以上はデルタ変異種である。米国ではワクチンが定着し始めており、ファイザーとモダーナは、彼らのワクチンはオミクロンに対しても、効力があることを再度強調したことが今日報告されている。しかし、CDCによると、オミクロンは前週の0.4%から約3%に増加しているため、急速に拡大する可能性があることを示唆している。

最後に、災害の多い米国では、引き続き多数の人々が、家族の生命と家を含む財産を失う事で、コロナウイルスとの二重苦に直面している。米国のどこかで、壊滅的な災害がある度に大統領は、緊急事態を承認し、現地を訪問し、連邦政府は資金を含む可能な限りの援助を行う必要があるため、更に資金が必要であることは確実である。バイデン政権の財務省長官ジャネット・イエレンは、15日までに債務引き上げをしない場合、請求書の支払いが出来なくなると率直に公言し、米国は負債があり、特に裕福な国ではないことを印象づけた。しかし、両院で通過した債務引き上げの法案は2023年のある時点まで、財務省が2.5兆ドルまで、法案のためのお金を支払うことを可能にする。過去の議会では、超党派の議員らはこの債務義務を果たすことに党派的な分裂はなかったが、近年、党派的な権力に固執するようになっている共和党は債務引き上げの投票で、民主党議員および大統領を苦しめている。彼らはインフラを強化し、気候変動に対応することで、壊滅的な被害を防ぐことを可能にする共和党有権者でさえ、支持している法案を拒否している。米国と一般的アメリカ人を憂いているようには見えない議員が増えていることは悲しい風潮である。

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