By Penn Medicine
中国湖北省の武漢で、2019年12月27日、地元病院で不可解な肺疾患のクラスターが中国疾病予防センターに通知された。それは世界でのコロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群Covid-19の始まりであった。WHO は2020年3月11日にコロナウイルスのパンデミックを宣言した。2021年9月Covid-19感染は 200を超える国と地域で報告され、毎秒平均4.8人が感染し、毎分4.7人が死亡する最悪の状況になった。これまでの幾つかの研究は、Covid-19の発生は、気温に関係があることを発見した。この研究は寒冷地域では冬季に多くの症例が発生し、温暖地域では夏季に感染率が高くなる可能性があることを報告している。
熱帯医学アメリカ・ジャーナル (The American Journal of Tropical Medicine)に2022年1月に公表された気温とCovid-19の発生率との非対称関係の研究によると、人間へのコロナウイルスの感染増加と気温の低下との間に正の関連性があることを示唆している。つまり、 コロナウイルスの感染はさまざまな場所と時期に上昇する気温と湿度によって異なることを示唆した。気温と人口におけるCovid-19の発生率との非対称関係についての研究結果の要点は以下の通りである。
⑴ この研究は、Covid-19の症例数の比較において、気温が華氏62度(摂氏17度)未満または華氏75度(摂氏24度)を周囲温度範囲としている。17℃から24℃を寒冷および温暖領域として、その範囲を低下または超過した場合、症例数が急増した。つまり、温度範囲が17°C未満または24°C以上の場合、その地域で報告されている平均的な症例よりも、その地域でCovid-19が発生する可能性が高くなる。周囲温度が17〜24℃の範囲内にある場合、Covid-19の症例数が減少し、温度がこの範囲外にある場合に増加するパターンがある。また、ウイルスは湿気の多い環境と比較して、より乾燥した環境でより長く生存する傾向がある。暖かい地域と寒い地域の両方でCovid-19の季節性を強く示唆している。
⑵ 一方、暖かい地域で冬季に17°Cの気温にならない場合、症例のピークは夏季にのみ発生する。 両方の極端な温度(つまり、24 °Cと、17 °C)を経験する地域では、Covid-19症例の季節的なピークが2つある可能性がある。
⑶ 温度が特定のしきい値(通常は24°C)を超えると、人間は屋内および機械的に操作された環境で過ごす傾向がある。その為、室内空気の乾燥、無症候性の感染者との緊密な相互作用をもたらす室内環境によってCovid-19の病気につながる。コロナウイルスの感染は、地域社会の閉鎖された環境で増加するという強力な証拠がある。そして、少数の感染者が重大な発生を引き起こした幾つかの例がある。
⑷ Covid-19の発生に関連する温暖な地域での屋内集会の最近の例では、インド、パキスタン、マレーシア、韓国での宗教集会が含まれている。仮説を検証するための補足的な分析には、2021年のCovid-19の源地であるインドのバンガロール、ニューデリー、プネ、ルディアナの4地域が含まれていた。これらの4つの都市は、米国の温暖な地域によく似ている。これらの4都市でCovid-19の症例が増加する前に、同様の気候パターンが優勢であるという仮説が立てられている。
⑸ 空気濾過システム、空気循環、社会的距離、およびフェイス・マスク使用をシミュレートするためにさまざまなモデルが開発された。これらはすべて、空気中にウイルスルが浮遊している時間の長さと移動距離に影響を与える可能性がある。
⑹ 人間から人間への感染は、ウイルスの拡散にとって依然として重要かつ支配的な経路である。この研究結果は、ウイルスが導入されると、気候条件、つまり温度がウイルスの拡散を加速する上で重要な役割を果たすという議論を強化している。
⑺ 空気中に浮遊しているウイルスの感染量はまだ正確に決定されていないが、Covid-19を引き起こす空気中に浮遊しているウイルス感染は、温暖地域と寒冷地域の両方で拡大する可能性がある重要な要点である。
結論として、周囲気温、絶対湿度、人口密度、地域とコロナウイルスの感染数との相関関係における比較研究は、既に二年間で、米国を含む他の先進国で多数実施されており、最も共通して理解されていることは、人口密度が高い都市で、群衆が集まる場所では、感染数が急増するという多数の事例が報告されていることである。中国では、早期に厳格な封鎖が実施された為、人口密度の影響を受けなかったことで知られている。熱帯医学アメリカ・ジャーナルの研究でも、温暖地域では夏季に感染率が高くなる可能性があることを示唆している。また、空気中に浮遊しているウイルスの減衰期間は、気温、湿度、人口密度に相関性があることを示している。特に、ウイルスは湿気の多い環境より、乾燥した環境でもっと長く生存する傾向があるという。2020年8月に公開されたインドとドイツの合同研究でもCovid-19は湿度が低い室内で拡大することを示している。この研究チームは、建物内の湿度は少なくとも40%必要であると述べている。インドとドイツの研究者は相対湿度が40〜60%の場合、ウイルスの拡散と鼻粘膜からのウイルスの吸収を減らすことができると述べている。つまり、室内環境の適度な湿度は非常に重要であることを示唆した。