
By Forbes
乗客に対するマスクの義務化を実施しようとしている航空会社のCEOは、そのマスク要件に反対する無謀又は乱暴な振る舞いがある乗客の飛行禁止リストを作成することで、法的に「手に負えない」乗客に対処するよう米国司法省に要請したことが報告されている。しかし、8人の上院共和党議員は、飛行禁止リストに抗議する手紙を司法長官のメリック・ガーランドに送った。彼らの手紙での主張は論理的に見えるが、複数の数字や報告は、彼らの主張が現実を反映していないことを示唆している。
機内での暴力に対処することに乗り出した司法省に対する2月14日付の手紙に署名した8人の上院共和党議員は、テッド・クルーズ(テキサス)、マルコ・ルビオ(フロリダ)に加えて、フロリダ州の元知事であったリック・スコットが含まれている。その他、マイク・リー(ユタ)、ジェイムス・ランクフォード(オクラホマ)、シンシア・ルミス(ワイオミング)、ノース・ダコタからはケビン・クレイマーとジョン・ホーベンが参加した。彼らが14日に司法長官メリック・ガーランドに送った手紙は、マスク要件を強制しようとしている航空会社の職員を激しく非難する乗客に対して、飛行禁止リストを作成することに異議を唱えている。また、この8人の上院共和党議員は、連邦政府が、悪態をつく乗客の飛行禁止リストを奨励した場合、彼らをテロリストと「同一視」することになると主張している。
その公開されている手紙の中で、共和党議員8人は、司法省が「2022年2月3日にデルタ航空から手紙を受けった」ことを認識しており、デルタ社は「米国司法省が包括的な飛行禁止リストを作成することを望んでいることを示した」と述べている。また、「そのリストには、機内での混乱の為に、おそらく有罪判決を受けた航空会社の乗客が含まれます。その結果、これらの乗客はその後、商用航空サービスの使用を禁止されることになります」と述べ、その「リスト作成に強い反対を表明する」と伝えている。また、手紙は、航空会社が過去に違反を犯した個人の搭乗を禁止することは自由であるが、「連邦政府の役割は、テロ容疑者が国内線に搭乗させないことを保証することに限定されています。連邦航空局からのデータによると、飛行機での最近の違反の大部分は、運輸保安局(TSA)からのマスク義務に関連しています。航空会社の労働者に対する暴力を強く非難する」が、最近の上院通商科学運輸委員会の公聴会で、サウス・ウエスト航空のCEOは(マスクの)有効性について重大な不確実性があることを強調していると述べている。
また、マスク義務化に「懐疑的で手に負えない乗客のために、連邦飛行禁止リストを作成することは、積極的にアメリカ人の命を奪い、祖国への攻撃を実行しようとするテロリストと彼らを同一視しているように見えます。TSAは、飛行中の人間の行動を規制するのではなく、9・11をきっかけに、将来の恐ろしい攻撃からアメリカ人を保護するために創設されました。」と述べている。更に、議会は「航空安全または国家安全保障に脅威を与える可能性のある個人を特定するために、旅客リストの共有を要求することを検討するようTSAに委任しました」とし、テロ容疑者に対するTSAの既存の飛行禁止リストさえ、「透明性に欠け、適正手続きに懸念がある」ため、すでに論争的であると主張している。手紙は、TSAが非テロリストの機内での混乱で有罪判決を受けた乗客を統一するための飛行禁止リストを作成しないことを選択したと述べ、彼らの反対を強調している。最後に、「司法省によるこのリストの作成は、州間輸送に従事する憲法上の権利を完全に行使する市民の能力に厳しい制限をもたらすだろう」と述べている。
昨年、マスク義務化に反対する乗客の様子が記録されたビデオは、頻繁にテレビ・ニュースで紹介されていた。デルタ航空会社の最高経営責任者エドワード・バスティアンが2022年2月3日に司法省長官ガーランドに送った手紙によると、マスク義務化に反対する手に負えない乗客は、デルタだけで「2019年以来ほぼ100%増加した」という。従って、司法省が「法の全力を使用することを全面的に支持する」と述べ、同社は「実際、私たちの法務チームには2人の元司法省検察官がいる」為、「連邦検察官との協力を確保している」とし、機内での混乱で有罪判決を受けた人を全国的で包括的な「飛行禁止」リストに載せるという切望されていたステップに関して、私たちの努力を支援するよう要請します」と述べている。また、「この行動は、将来の事故を防ぐのに役立ち、商用航空機の乗務員の指示に従わなかった場合の結果の強力な象徴として機能します。デルタはアメリカの為の航空業界のパートナーとともに、昨年から報告と調査の強化を提唱してきました。機内の安全を妨げる者への起訴、さらに、従業員と顧客を保護するために最近行った措置には、マスク着用の要件を拒否し、民事罰を追求するために900人以上の禁止名をTSAに提出したことで、デルタ航空の「飛行禁止」リストに約1,900人を追加しました」と書いている。
航空会社は、お互いに暴力的な乗客のリストを提供し合うことで、業界内で制御可能になる場合もあるかもしれないが、そもそも航空会社が司法省に行動を取るよう促した背景には、法と秩序を無視したマスク義務化に対する乗客の激怒と態度に関連する報告が益々増加している為である。デルタ航空会社のCEOの手紙は、ほんの一例であるにも関わらず、すでに航空会社だけで対応可能な規模を超えていることを示唆している。米国下院議員で航空小委員会の委員長を務めるリック・ラーセンによると、2015年から2020年の間に、連邦航空局(FAA)は「手に負えない乗客」の786件、2021年の最初の9か月間で789例を調査した。昨年から、その傾向は益々増加し、2021年の初め以来、航空会社は4,385件の手に負えない乗客の苦情を報告している。 そのうち、3,199人はマスクの義務化に関連している。そして、昨年の9月以降、その数は約2倍に増加したことが報告されている。これは、航空会社だけで対応可能な範囲を超えていることを示唆している。
加えて、航空会社の規定に違反する乗客が州間を自由に移動する為に航空便を利用する権利があるというような条項は憲法で言及されていない。加えて、連邦政府が関与しなくてはならないほど、安全保障の問題があることは明白であることを示唆している。つまり、航空会社が「手に負えない乗客」と呼ぶにはそれなりの理由がある。司法省の14日(月曜日)の報告によると、裁判所の文書は、オレゴン州ポートランドの男性で32歳のマイケル・デマールは、2022年2月11日にデルタ航空の飛行中にユタ州ソルト・レイク・シティからポートランドへの民間航空便で、非常口ドアを開こうとした後、連邦犯罪の刑事告発を受けた。デマールは非常口の取っ手を覆っているプラスチックを外し、取っ手を強く引っ張った。客室乗務員は、彼がハンドルに触れるのをやめ、航空機の後方に移動するよう要求した後に、飛行乗務員は彼を物理的に拘束した。ポートランドに着くと、デマールは他の乗客が彼の個人的な見解を共有するビデオを録画できるように、騒動を引き起こしたと警官に語った。オレゴン地区の米国弁護士スコット・アスファウグは、デマールが16日、連邦裁判所に初出廷し、訴訟手続きが行われるまで、さらなる拘留が命じられたと発表した。
機内での深刻な安全性の問題があるにも関わらず、これらの共和党議員はなぜ、飛行禁止リストに反対する手紙を司法省に送ったのか?米国は、現在、航空業界団体、国土安全保障省、民事罰を追求しているTSAによる「手に負えない」乗客に対する「飛行禁止」リストの論議が激化している中で、上院共和党の行動は偶然ではないように思える。特にマスク着用に反対する「手に負えない」乗客はどちらの党の有権者に多いだろうか?この疑問を問い詰めると、その答えを想像することは困難ではない。ある特定の政党を支持する人々が全米の航空会社によって、飛行を禁止された場合、彼らは全国の政治活動に参加できなくなるという政治的結果が伴う。上院共和党議員の一部は、全米の航空会社が直面している問題に対して、航空会社が飛行禁止リストを作成することは自由であるが、連邦政府がそこまですることは行き過ぎであると述べている。しかし、アメリカン航空も司法省がリストを作成することを支持しており、業界だけで対処できない困難な問題に直面していることは事実である。米国を安全にする為の方法を模索し、法律を制定することが議員の本来の義務であり、航空会社から要請を受けた司法省が法と秩序を維持する為に、対処しようとしていることに対して、指図するという行動も行き過ぎであり、この論議は単なるマスクの義務化を超えた問題である。
偶然にも、上院共和党の8人が司法省に手紙を送った日に、飛行中「手に負えない乗客」の一人が連邦犯罪で起訴されたが、デルタ航空のCEOの手紙やFAAの報告に照らし、共和党議員らの主張には明らかに認識のズレがあることを示唆している。この驚きの展開に対して、共和党コラムニストのジェニファー・ルゥビンは、共和党は「法と秩序」より「凶悪犯、暴力、嫌がらせ」を行う人々の味方をしていると批判した。共和党全国委員会は既に、1月6日の暴動を「一般的な市民による合法的な政治的言説」であるとして暴徒を擁護しているため、一部の共和党は凶悪な党になったと彼女は述べ、単なるマスク義務化に関しても益々暴力的な行動を取る人々が増えていると指摘した。暴力的な行動、米国の安全性を脅かす問題に対処しているバイデン政権下で、その動きを阻止しようとする共和党の別の試みは、単なる偶然だろうか?