失業者の米国人男性の約半数は、逮捕された犯罪歴があることが初めて判明した。データーの収集が困難であるため、初めて公表された驚きの新しい大規模な調査では、その研究結果の意味の一部を明らかにしている。逮捕歴がある男性は、就職が非常に困難であることを示唆し、調査は、失業している黒人も白人とほぼ同様の割合で逮捕されているという、これまでの認識を超えた調査結果が浮き彫りになっている。
科学誌サイエンスが18日に伝えたところによると、驚異的な調査は失業中の米国人男性の46%は前科があることを示した。 米国成人の3人に1人は、少なくとも1回は逮捕されたことがあり、これは他の多くの国に比較すると、驚異的ほど、その割合は多いという。例えば、30〜38歳の男性を対象にした調査データの分析では、失業中の米国人男性のほぼ半数が刑事上の有罪判決を受けており、彼らの求職は困難である。この研究に関与していないラトガーズ大学ニューアークの社会学者サラ・エスター・ラゲソンは「逮捕がどれほど蔓延しているのかを多くの人が理解しているかどうかはわかりません。実際には、失業が本当に大規模な犯罪化の問題であることを示しています。逮捕は非常に一般的であるため、雇用の文脈ではまったく考慮されるべきではありません」と言った。この調査結果は、刑事司法の歴史がある多くの男性を雇用市場の隅に追いやっていることを示唆している。
研究者はこれまで、失業者の何人が前科歴があるかを正確に把握するはできなかったという。なぜなら、米国の司法制度は非常に細分化されているため、犯罪歴記録の中央集権的な保存システムがないからである。この新しい研究に関与しなかったスタンフォード法科大学院の刑法研究者マイケル・ロマーノは、犯罪記録の「データは法律で公開されているが、収集するのは非常に困難です」と述べた。ランド研究所のエコノミスト兼犯罪学者ショーン・ブッシュウェイは別の情報源である米国労働省のデータを利用することを思いついた。同省の統計専門家は1997年から、全国青年縦断調査を実施し、それは 20年以上続いた。その大規模な研究で、彼らは1980年から1984年の間に生まれた8,984人に定期的なインタビューを行い、教育、収入、雇用状況、犯罪歴について質問してきた。ブッシュウェイはこの調査を使用して、これまでに逮捕された米国成人の数を推定した。
女性が逮捕される割合は、男性よりも遥かに少ない為、ブッシュウェイと彼の同僚は失業者の男性に焦点を合わせた。調査に参加した35歳の男性のうち、5.8%が失業しており、研究者は、少なくとも4週間連続し、39週間未満は失業していると定義した。これらの男性のうち、64%は少なくとも1回逮捕され、46%を超える男性は有罪判決を受けた。調査チームは、2022年2月17日にAAAS(Science発行)の年次総会と18日に出版されたサイエンス・アドバンスのオンラインで、これらの調査結果を報告した。ロマーノは「かなり驚異的です。失業者のような多くの人々が犯罪歴があるとは思いもしませんでした。それは本当に目を見張るものです。」と述べている。
また、研究者らは、特に有色人種のグループが失業と前科の両方で、不釣り合いの影響を受けているかどうかについて、深い関心があった。調査回答者の中で、黒人男性とヒスパニック系男性は、白人男性よりも逮捕される可能性が1.4倍高く、失業する可能性は黒人男性とヒスパニック系男性で1.8倍、白人男性は1.2倍であった。しかし、研究者は、彼らの発見に驚いた。黒人とヒスパニック系の調査参加者は、白人よりも失業し、前科はあるが、前科がある失業者の黒人男性の割合は、前科のある失業者の白人男性の割合と同様であった。失業者のうち、黒人男性の67%、ヒスパニック系男性の58%、白人男性の65%が35歳までに逮捕されている。ニューヨーク市立大学の社会学者リラ・カゼミアンは、この調査結果を「驚異的」と表現し、「黒人男性が失業を経験し、非黒人の男性よりも高い割合で刑事司法制度に接触していることを考えると、これは幾分予想外のことです。」と述べた。人種差別は雇用に影響を与えるが、犯罪歴に基づく差別は更に強力である可能性がある。ブッシュウェイは、犯罪歴のある人々は特定の仕事と特定の産業に分離されており、彼らのキャリアを長年前進させることができないと述べている。
この調査報告は、白人が歴史的に社会福祉の恩恵から黒人を除外し、多数の福祉プログラムを受けているのは、黒人よりむしろ白人であることを伝えていない。つまり、それらの福祉プログラムは、1960年代にリンドン・ジョンソン大統領に促進された貧困家庭に対する一時扶助、メディケア、フード・スタンプ、失業補償、育児支援などが含まれる。これらのプログラムは、納税者の資金から提供されており、通常、隔週または毎月支払われている。2021年の貧困ラインは、一人の世帯で年収が約13,000ドル、4人家族の場合は約27,000ドルである。歴史的に、議会が制定した様々な福祉政策で保護され続けている人種は白人であり、公民権時代以前からすでに、黒人やヒスパニック系は除外されていた。2021年12月の調査報告によると、現在も福祉の最大の受給者は白人であり、福祉を受けている人口の43%は白人である。 ヒスパニック系はすべての福祉受給者の28%を占め、黒人は23%、アジア系アメリカ人やネイティブ・アメリカンのような他の民族はすべての受信者のわずか8%である。つまり、白人は経済的な側面でも有利であるという傾向が現在も続いており、安全ネットによる基本的な保護を受けているのはむしろ、黒人より白人であることから、白人より有色人種による失業率が高いとの報告は不思議ではない。それにも関わらず、学者は失業者の中で、35歳までに逮捕されている白人男性の割合は黒人と変わらないという驚きの現実を強調している。