ホワイトハウスは11日、G7との合同声明に関連する公文書を公開し、更に金融システムのアクセスを切断することも含めて、史上最大の制裁をロシアに課すと発表した。制裁が強化されれるつれて、ウクライナでの空爆は激化しているようであるが、ロシアに対する西側の激しい処罰は、無差別に市民もターゲットにしているロシア軍の攻撃を最終的に鈍化または停止する結果になるのか疑問である。学者はロシアの大統領ウラジミール・プーチンが、チキンゲームを行なっているとし、その疑問に対して深刻なヒントを提起した。
ロシアが2月24日にウクライナ侵略を開始して以来、米国とEUは、ロシアの中央銀行をグローバルの金融システムから切断し、ロシア外貨の活用を制限した。更に、高度な技術から切り離し、包括的な輸出禁止と規制を課した。これらの制裁は、戦争の権威者プーチン大統領と彼の共犯者、そしてベラルーシのルカシェンコ政権を標的にしたものである。更に、ロシアのエネルギーへの依存を減らす為、天然ガスと石油の輸入を停止した。米国300以上の民間企業はロシアでの事業を撤退をした。これまで前例のない厳しい経済制裁であると言われているこれらの措置に加えて、更なる貿易によるロシアの利益を停止するとの発表を行った。ホワイトハウスが11日に公開したG7による合同声明によると、その目的はロシアを経済や国際金融システムからさらに孤立させる為である。
その発表の概要は以下の通りである。⑴ ロシアが世界貿易機関に加盟することの重要なメリットを除去し、ロシア企業の主要製品に対する最恵国待遇の取り消しを行う。⑵ ロシアが国際通貨基金、世界銀行、欧州復興開発銀行などの主要な多国間金融機関から資金を調達することを防ぐための共同措置に取り組む。ウクライナへの財政支援を得るためのIMFと世界銀行グループの迅速かつ継続的な取り組みを求める。⑶ 制裁対象の個人や団体に属する移動資産と不動資産を特定して凍結するため、プーチンや他の戦争の立案者、そして彼らの家族やその関係者に近いロシアのエリート、代理人、政治的影響力の多大な富豪者やビジネス・リーダー に対する圧力のキャンペーンを継続する。⑷ グローバル金融システムの抜け穴を塞ぐため、このような対象者が、国際的な制裁の影響を回避または相殺する手段として、デジタル資産を活用できないようにする。⑸ ロシアの政権が偽情報を広めようとする試みと戦い、ロシア国民が自由で偏見のない情報を入手する権利を確認し支持する。⑹ ロシアの歳入を拒否し、ロシアの主要な商品や技術の輸出入をさらに制限し、プーチンの戦争を支援するエリートがこのシステムの利益を享受することを不可能にする。⑺ 新たな債務、株式投資および他の形態の国際資本へのアクセスを禁止するため、ロシアの国際的な資金調達能力をさらに制限する措置を開発する。
最近、ウクライナで市民をターゲットにするロシア軍の空爆の勢いは益々激化している。米国を含む西側の熾烈な制裁と貿易禁止が、ロシアの攻撃を抑制する結果になるだろうか?エセックス大学の名誉教授ポール・ホワイトリーは、プーチンは「チキンゲーム」を行なっていると述べ、その戦略が成功した場合、核戦争に発展する可能性があることを示唆した。チキンゲームは、プーチンが精神異常であると相手を説得することができる場合、それは彼に有利に機能するという。一般的に、プーチンの精神状態に疑いが提起され始めたのは、2月24日にウクライナ侵略を決行した後である。ホワイトリーによると、元英国外務大臣のデイヴィッド・オーウェンは、プーチンの顔がむくんでおり、攻撃的になっているので、アナボリック・ステロイドを服用していると推測した。プーチンは西側が核ボタンを押さないという彼の信念にすべてを賭けており、現在、無差別に都市を攻撃することで、このチキン・ゲームを行っている。同時に西側が介入した場合、彼は核兵器を使用するとの「薄く覆い隠された脅威」をちらつかせている。プーチンの「ウクライナでの戦略は、現在かなり明白である。彼はチェチェンとシリアで起きたことを繰り返しており、ロシア人はスターリングラード式の直接攻撃によって主要都市を占領し、支配する能力に欠けている」為、包囲戦略を利用していると説明している。
プーチンがこのチキンゲームに成功すれば、ウクライナに介入しなかった場合の結果として、「その戦略は他の独裁者が同じことを試みるよう促すことになり、核兵器がいつ使用されるかについての曖昧な戦略に基づいている」ので、「冷戦時代に平和を維持した核抑止の教義を放棄しても、西側諸国はより安全にはならず、まったく逆である」と述べている。更に、「プーチンの成功は、NATOの核抑止の教義を非常に荒廃させ、将来、プーチンはNATOの加盟国である旧ソビエト国を攻撃するために、従来の圧倒的な力を使用するよう誘惑される可能性がある。プーチンがNATOは核兵器を決して使用しないと確信している場合、彼は同盟国が従来の力でそのような攻撃に対抗するのに苦労する可能性があることを理解している。彼が成功すれば、NATOの信用を失墜させ、ソビエト連邦を再建するというプーチンの目標をさらに高めるのに役立つと予測している。多くの観察者は、ロシアに対する「前例のない経済制裁は、プーチンを抑止する」機能があると主張している。これに伴う問題は、ロシアの輸出の約60%が化石燃料を占め、米国と異なり、これに依存しているヨーロッパは制裁を行うことに消極的であると指摘している。
加えて、中国は化石燃料の最大の顧客であるため、欧州のボイコットによる損失を中国が取り戻すための援助をすることに問題はない。制裁は長期的な効果をもたらす可能性があるが、その期間に、プーチンがウクライナを破壊することを思い止まる可能性は低い。一方、米英政府およびEUが同意したロシアからのエネルギー輸入の禁止は、金融制裁とともに、ロシア経済を崩壊させる可能性があるが、これには時間がかかることに全員が同意しているため、制裁が実際に違いを生む前に、何人のウクライナ人が死ぬのかという疑問が生じると述べている。ホワイトリーは、西側諸国は、現在ウクライナがNATO加盟国ではないという理由で、NATOの直接的な軍事介入を拒否しているが、その代わりに、対戦車ミサイルや対空ミサイルなどの武器をウクライナに注いでおり、ポーランドから戦闘機を供給するかどうかについての議論もあるが、これまでのロシア軍のパフォーマンスの低さを考えると、武器提供は成功する可能性があるものの、ロシア人がウクライナへの無差別攻撃の爆破を可能な限り続ける場合、その都市を荒廃させ、何千人もの人々を死に至らしめる可能性が高いと述べている。
そのような脅威のシナリオも提供されている中で、ウクライナの大多数の人々は勇敢にも、自国から離れず、ロシアに降参することを拒否している。ロシア軍は11日、キエフ近郊の高速、モシュンでのビルディング、オゼラの都市で火災が発生するなど複数の都市を破壊し、市民を攻撃する頻度が以前より激しくなっている。ロシアの戦争犯罪の疑いが非常に強くなっている中で、その調査を求める声も高くなっている。APニュースによると、世界裁判所の加盟国である日本と北マケドニアも含めて既に41か国が、ウクライナでの調査を正式に要請しており、証拠収集を開始するために先日、ウクライナに送られた国際刑事裁判所(ICC)の検察官カリム・カーンの調査チームは、戦争犯罪、人道に対する罪、大量虐殺に関連する調査を強化するという。ロシアやウクライナは加盟国ではないが、キエフは裁判所の管轄権を認めているという。