米国議会に向けたゼレンスキー大統領のスピーチは何を示唆?

2022年3月16日 By Rolling Stone

水曜日の16日東部時間午前9時からウクライナ大統領ヴォロディミール・ゼレンスキーは、米国議会に向けた初めてのスピーチの冒頭で、「これは殺人です」とのタイトルによる非常にエモーショナルなロシアの攻撃による被害状況を描写しているグラフィック・ビデオを紹介した。ある意味では、非常に賢いプロパガンダであると言えるかも知れない。ゼレンスキーはスピーチの最後に、バイデン大統領を世界のリーダーと呼び、更なる援助を嘆願した。米国議会への彼のスピーチの目的は、ビデオがその全てを明白に伝えている。その数時間後、バイデンはウクライナの防衛をもっと強化するため、戦闘ミサイルやドローンなどの強力な武器を含む8億ドルの援助を提供すると発表し、初めてロシアの大統領ウラジミール・プーチンを戦争犯罪者と呼んだ。

ウクライナの大統領ゼレンスキーは、スピーチの冒頭に再生された数分の動画を議会メンバーに紹介した。それらのビデオの内容は、テレビ画面を見ているだけでも、言葉にならないエモーショナルな思いに陥る悲惨なものであった。ビデオの一部はロシア軍が侵略する前のウクライナのキエフ、ハリコフ、オデッサ、ヘルソン、マリウポリ、スムイ、メリトポリなどの主要都市を含む25以上の都市を描写し、ウクライナがどれほど美しく、平和な都市であったかを描写し、約三週間前の平和は今日、空上 から爆破され崩壊した建物と瓦礫、燃えているビルディング、飛び散る瓦礫、散在する死体による廃墟下した後のこれらの都市を鮮明且つ劇的に比較している。

そして、これらの多数の都市でビルが爆破された瞬間、崩壊後に部分的に補修された道路や橋を渡り、避難する高齢者、女性、子供達の様子、戦争中の恐怖と家族を失った悲しみ、ロシア軍と戦うため、避難する女性や子供が泣きながら夫または父に別れを告げている様子、建物が崩壊した後に消防士が少年の両肩に両手を置きなだめようとしている様子、爆破直後に子供を抱いて逃げる父親、公園近辺の歩道を歩いていた時、数メール先で爆破し慌てて逃げる人、静かな道路を運転中に前方で爆音が発生し四方八方に逃げる人々、救急車で運ばれる子供、酸素吸入を受けている子供、道路に横たわっている複数の死体、産婦人科病院で負傷し、母子共に後日死亡する前に移送されている女性、崩壊した建物の外に立っていた軽傷を負った妊産婦、一人の男性が建物の外側で直接爆破を受けた様子、大量墓と呼ばれるトレンチ(塹壕)に積まれている遺体、負傷した幼児を抱いている老女、泣いている子供達、車椅子の老人の避難を援助する人々、歩けない老人を瓦礫の道路から連れ出す人々の苦戦の姿、散在した乳母車、避難所で見られた多数の乳幼児など、全てが怒りと悲痛の感情を抑えることが困難であるほど劇的なものである。

このグラフィック・ビデオのタイトルは「これは殺人です」である。攻撃の損害を劇的に描写したビデオの一言のメッセージは「飛行区域を閉じる」であった。ゼレンスキーは再度、ウクライナの空上に飛行禁止区域を達成しない場合、ウクライナは引き続き、ロシア軍からの空爆を受け続けるだけであると訴えていることを示唆した。グラフィック・ビデオを利用したことは、ウクライナ政権が、近代のコミュニケーション・テクノロジーをフルに活用し、最新の通信技術に優れていることを示唆し、彼の国の電気通信網システムは、頻繁な空爆で既に何百ものの建物が崩壊されている中で、機能していることを示唆した。更に、このような真実の報道をブロックしているロシアのプロパガンタは効力がないことを明白に示唆した。

軍隊が着用するグリーン系のティシャツ姿で現れたゼレンスキー大統領は16日の米国議会でのスピーチで、既に予測されていた通り、ウクライナの空上に飛行禁止区域を設けるよう米国に要請し、ウクライナに対する追加の米軍支援を要請した。ゼレンスキーは「ロシアは、ウクライナの空を何千人もの人々の死の源に変えました。ロシア軍はすでにウクライナで1,000発近くのミサイル、数え切れないほどの爆弾を発射しました。彼らはドローンを使って私たちを精密に殺します。これはヨーロッパが80年間見たことがない恐怖です」と述べた。また「これは人々を救うために多すぎる」要求ですか?と問い、これ以上「ロシアが私たちの自由都市を恐怖に陥れることができないようにするため、人道的な非飛行地帯」を作るよう懇願した。最後に、バイデン大統領に直接アピールし、「世界のリーダーであることは平和のリーダーになることである」と述べ、更なる支援を求めた。

バイデン大統領は、ゼレンスキー大統領が彼に「平和の指導者」になるよう求めた数時間後に、ウクライナへの安全保障として追加の8億ドルを援助すると発表した。これには複数のミサイルが含まれている。米国が防衛のためにウクライナにこれまで提供し、更に追加的に送ることが可能な大型の武器には3種類ある。それらは、①  対戦車ミサイル(通常陸軍が使用)、②  対空ミサイル 、③  対抗ミサイル(入ってくる敵のミサイルを標的にするために使用)である。バイデン政権はスウィチブレイド(操作者が特定した標的に向けて発射可能な飛行爆弾の類)と呼ばれるドローンも提供すると発表した。ゼレンスキーは、ロシアを含む敵国が、彼の国の空上で飛行しないような措置を講じるよう、米国とNATOに求めているだけである。しかし、米国とNATOは引き続き、戦争を激化する結果になるとして、反対している。それはなぜか?

飛行禁止区域を設けることは、構造物の破壊と死傷者が増加し、もっと壊滅的になり、第三次世界大戦に発展する可能性に近づくことを恐れているためである。バイデン大統領は、繰り返し、戦争には絶対に参加しないことを宣言している。ビデオで描写されたビルの破壊は、ロシアがウクライナの空上から爆弾を落としているか又は包囲している都市のある地点からミサイルを利用し、攻撃している可能性があるが、飛行禁止区域を設定しても、ロシアがそれに従う保証はなく、ウクライナがロシアと同様に戦闘飛行機を利用してロシアの戦闘機と対抗するような本格的な戦争に発展した場合、飛行禁止区域の設定後に、ウクライナ空上で飛行機を利用できなくなるため、そのような空上での戦いはロシアまたはポーランドの国境に拡大し、お互いに戦闘飛行機での攻撃を行う結果になり、それはウクライナも戦争を宣言したことになるためである。空上で、敵の戦闘飛行機を正確に狙い落とす技術は、かなり訓練されている兵士のみに限られている。従って、米国とNATOはウクライナを防衛の立場に置いているため、上記のような3種類のミサイルを提供し、今回スウィチブレイド・ドローンを追加している。

要するに、ウクライナは2014年にロシアがクリミアを併合した時から8年間、ロシアの攻撃と侮辱に晒されていた。ウクライナおよび米国と同盟国は、更なるロシアの攻撃を予期し、準備していたことは確実である。米軍は隣接するポーランドから情報提供、軍隊の訓練を含む軍事支援を行なっていることは既に知られている。バイデンがゼレンスキーのスピーチ後に素早く対応したこと自体、武器がウクライナで不足していることを示唆している。おそらくロシア軍も同様である。CBSニュースによると、5,000から6,000人のロシア兵士は既に死亡していると見られており、米国が検波しているように、プーチンが中国に軍事および財政的援助を要請しているといる現状は、ロシアがほぼ窮地に近い状態に追い込まれていることを示唆している。従って、ウクライナに最も近いポーランドの国境に武器を送り続ける限り、ウクライナは勝利する可能性があることを示唆している。避難場所を訪問し、人々を激励したハリコフ市長は「私達は諦めません」との驚きの確信を示した様子が昨日放映された。また、別の驚きは子供を連れて国外またはウクライナの別の都市に避難した数千の女性たちが自宅に戻ったことである。彼らは、国のために戦っている夫や家族の側にいると考え直したと記者に語っている。バイデンは今日初めて、プーチンを「戦争犯罪者」と呼んだ。その調査は既に始まっているので、遅かれ早かれ、この独裁者は戦争犯罪で裁かれる瞬間に直面し、全世界の人類は、民主主義を尊重する指導者の方が平和に導くと悟る時が来ることを信じたい。ウクライナでの残虐性と悪魔の行為を浮き彫りにしたロシアの独裁者による野望に導かれたこの戦争ほど、世界の注目、ウクライナへの同情と支援に溢れている歴史は他にない。

アメリカ・ウオッチ- Yuko's Blogをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む