公聴会が三回行われた後の最初の世論調査では大多数のアメリカ人は1月6日の反乱の罪により、前大統領ドナルド・トランプは告訴されるべきであると答えた。公聴会前に行われた過去の同機関の調査でも過半数は、同様の意見があることを示した。最新の世論調査は特に民主党と独立系の有権者の大多数がトランプへの告訴を支持していることを示している。しかし、近年、危険になっているとされる共和党の有権者は逆の結果を示した。歴史家は、公聴会で18日に保守派の判事が前大統領と彼の支持者について述べたことに言及し、それは、一部の州が極端に過激な政治的プラットホームを掲げている現状と無関係ではないことを示唆した。
公聴会が始まる前の5月3日に行われたABCニュースの世論調査では、総体的に52%の有権者は、トランプが「暴動での彼の役割のために犯罪で起訴されるべきである」と述べている。攻撃からわずか1週間後に54%が暴動を扇動したことで、トランプを「特に起訴するべきだ」と述べた結果と類似している。トランプが犯罪で起訴されるべきだと考える人のほぼ4分の1は、下院委員会の調査が公正かつ公平であるとは考えていない。共和党内でのトランプの支持は彼が辞任してからも維持されている。彼のリーダーシップを支持する60%は、2021年1月中旬のABC / ワシントン・ポストの世論調査と基本的に同じであり、1月6日の米国議会議事堂での暴動直後に57%であった。しかし、彼のリーダーシップを支持する共和党有権者の率は2018年2月の76%から顕著な減少があった。
米国議会議事堂で2021年1月6日に起きた反乱を調査している下院特別委員会は、既に三回の公聴会を行った。公聴会後の19日に公開されたABCニュース/イプソスの合同世論調査は今回10人中6人(58%) は「トランプが1月6日の出来事に対して、かなり又は大きな責任を負っており、彼は犯罪で起訴されるべきであると信じている」ことを示した。全体として、アメリカ人の60%は「委員会が公正かつ公平な調査を行っている」と考えているが、38%はそうではないと述べている。また、公聴会をある程度または非常に密接にフォローしている率は34%であり、そのうち9%だけが非常に密接にフォローしている。しかし、この調査は党派的な違いがあることを示した。共和党有権者の19%と比較して、民主党有権者の91%はトランプが犯罪で起訴されるべきだと考えている。トランプが攻撃に対して「かなり」または「かなりの量」の責任を負っているかについて、民主党の91%および共和党有権者の21%は彼が責任を負っていると述べている。自称独立者の中で、62%はトランプが起訴されるべきだと考えており、61%は彼が「かなり」または「かなりの量」の責任を負っていると考えている。委員会の公平性に関しても、民主党員の85%は調査を「公正かつ公平である」と判断しているのに対し、共和党有権者の31%が公正であると見ている。大多数の独立系有権者の63%が公平であると見ている。
この結果は、共和党の大多数は、民主党と無党派の人々と比較して大幅に異なっていることを明白に示している。1月6日に起きた暴徒による肉体的暴力は許容できないレベルであり、法律違反であったため、議事堂の内部に侵入し、警察に暴力をふるった800人以上は昨年の3月初旬までに逮捕され告訴された。また、保守派の弁護士と判事は、1月の反乱の扇動と暴動は憲法違反であることを明確にしたにも関わらず、多くの共和党有権者はそれを法的に判断できないか又は無視していることを示唆している。アメリカの歴史家でありボストン・カレッジの歴史の教授であるヘザー・コックス・リチャードソンは、非常に保守的な元連邦判事の「マイケル・ラテッグ裁判官が先週木曜日に、ドナルド・トランプ前大統領と彼の不出来者だけでなく、今日の共和党全体はトランプが2020年の選挙で勝利したという大きな嘘を抱き、有権者が民主党を選ぶ選挙を覆すことを計画し続けている民主主義への進行中の危険性を考察した」と述べた。リチャードソン教授は、18日にラテッグ裁判官がNPRでのインタビューで「前大統領と彼の党は今日、アメリカの民主主義にとって明らかで現在の危険(a clear and present danger)である」と述べたことについて言及した。”Clear and Present Danger”は、アメリカの小説家トム・クランシーの1989年の小説であり、ハリソン・フォード主演の1994年のアクション・スリラー映画のタイトルから来ている。
歴史家のリチャードソンは、共和党が過激になっていることを指摘し、歴史的に過激な州であるテキサス州の共和党は非常に危険な政治的プラットホームを掲げていることについて説明している。それを要約すると以下のようにリストすることが可能である。例えば、(1) 2020年の大統領選挙の認定結果、およびジョセフ・バイデン大統領は米国の人々によって合法的に選出されなかった。(2) 人生は受精から始まることを含め、「生まれたばかりの人間の尊厳について学ぶ」ことを学生に要求する。(3) 同性愛を「異常なライフスタイルの選択」として扱う。(4) 最高裁の判事数を9人に固定する。(5) 所得税を徴収する憲法上の権限を排除する。(6) 連邦準備制度を廃止する。 (7) 平等の権利を保証する憲法修正条項を拒否する 。(8) キリスト教を学校や政府に戻す。 (9) すべての銃の安全対策を廃止する。(10) 教師を武装させる。(11) 教育省を廃止する。(12)「自由市場の自由の原則」を教えるように大学に要求する。(13) 死刑を保護する。(14) アラモでの戦い(テキサスのメキシコからの独立戦争の一部)が記憶される方法を口述する。(15) 南軍の記念碑を保護する。(16) 同性愛者の結婚を終わらせる。 (17) 国連および世界保健機関から撤退する。 (18)「テキサス州の人々はテキサス州が独立国家としての地位を再確認すべきかどうかを決定する」ための投票を呼びかける。これらはすべて、テキサス州共和党の希望でり、その為の法律制定に向ける意図はあるが、これらのほとんどは非現実である。
要するに、最近の世論調査は、過去の記録を比較した場合、支持率が増加したことから、公聴会の回数が増えれば増えるほど、トランプに対する告訴を支持する人々が増える可能性があることを示唆している。トランプの過失に対するアメリカ国民の態度には大きな変化はないものの、トランプのリーダーシップを信じる共和党有権者は、暴動直後から減少した。また、トランプを犯罪で起訴すべきかどうかについては、民主党有権者と共和党有権者の間で極端な違いがあることを示した。歴史家は、トランプと彼の同盟者は現在、明らかに危険になっていると指摘し、特に共和党が支配するテキサスのような過激な州での共和党に危険な兆候があることを示唆した。彼らはトランプの敗北を認めないだけでなく、それを戦略として利用することで、民主党が投票する大統領候補者を拒否することの合法化を目指している。特に歴史的に米国からの離脱を望んでいる同州の共和党は、常に連邦政府に反抗的であり、現在も離脱の希望を放棄していないが、あまりにも非現実的であるため困難な問題が多数ある。