ここ数日の経済に関連するニュースは、ジョー・バイデン大統領にとって肯定的である。気候変動、税金、エネルギー、医療に関連するインフレーション抑制法に対する決定を最後まで引き伸ばしていた上院保守系の民主党議員キルステン・シネマは、昨夜4日に合意したため、長く待たれたバイデンの重要な経済政策は光を見る可能性が非常に高くなっている。加えて、今日5日の経済報告は、7月に雇用を50万以上追加し、失業率はパンデミック以前の低い率に戻ったことを示した。バイデン政権が以前から指摘した通り、複数の経済専門家は今日の雇用報告に驚きの反応を示し、米国は不景気ではないことは明らかであると述べている。
シネマは一部の税金に反対していたようであり、彼女の一票が不足する場合、バイデンの気候変動が含まれるインフレーション抑制法は通過しない。彼女は、ヘッジファンドの富豪者に対する課税に反対し、アリゾナ州の干魃と戦う為の資金を追加するよう要請していた。ニューヨーク・タイムスによると、民主党のリーダーたちは、「一部の裕福なヘッジ・ファンド・マネージャーとプライベート・エクイティの幹部に対する140億ドルの増税を取り下げる」よう求めたシネマに妥協したようである。この取り下げにより、「法人に対する最低 15%の税の構造は変化」する。製造業者の負担を軽減するために、企業に対する最低 15%の税を再構築することが期待されている。当局者は、この包括法案の規定が依然として、当初の合意で目指していた数値と同額の連邦赤字3,000億ドルを削減することを確実にすると述べた。これは、ジョー・マンチンにとって重要な優先事項であるという。
シネマは、両党からロビー活動を受けており、保守系民主党である彼女とマンチンは、この法案に反対する共和党上院議員達からもターゲットにされていたようである。マンチンが合意した後、一部の共和党は酷く彼を非難していた。上院少数党リーダーのミッチ・マコーネルは、「彼はひどい取引をした」と記者団に語った。シネマとマンチンはある時点で、部屋で静かな声で対話したという。先月ジョー・マンチンとも交渉を行った上院多数派のリーダーであるチャック・シューマーと他の民主党リーダーは、昨夜(4日)シネマと合意に達した後、党派ラインで可決する見通しがあることを表明した。
気候変動、エネルギー、税金などが含まれるインフレ抑制法が可決することは、バイデン大統領の勝利を意味するだけではない。加えて、今日(5日)報告された労働統計局の7月の雇用情勢によると、米国は528,000の雇用を増加し、失業率はパンデミック前の3.5%に低下した。この雇用拡大のニュースに、経済専門家は「米国経済が不況に陥っていないことを示す明確な兆候である」と反応した。例えば、アリアンツの上級投資戦略家であるチャーリー・リプリーは、「労働条件に弱さの兆候を見つけることはほぼ不可能である」と指摘した。 雇用数と失業率を超えて、賃金の伸びも0.5%急上昇し、12か月前と比較して5.2%であると指摘した彼は、「全体として、今日の報告書は目先の景気後退という考えを今のところ後回しにし、連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な手を強めるべきです。」と言った。INGの国際経済主任であるジェイムス・ナイトレイは、「経済活動の緩やかな傾向と、米国が第2四半期に連続のマイナス成長にあるという事実を考慮すると、この雇用の伸びが続くとは思えないが、ガソリン価格の大幅な下落が第3四半期の活動の回復につながる可能性があり、短期的な経済状況はかなり良好であることを認めなければなりません。」と述べている。
ルネッサンス・マクロ研究所の米国経済担当責任者ニール・ダッタは 「7月の雇用統計は完全に私の予想を打ちのめしたものであり、これまでに発表された多くの労働市場データと比べて、驚きの大きな上向きでした。景気後退と金融政策の転換について話すのは時期尚早です。この雇用報告書はインフレ・ブームと一致しているため、FRBが金利を押し上げるために、もっと積極的になる必要があります。」と言った。バンク・オブ・アメリカ証券の経済家スティーブン・ジュノーは、顧客へのノートに「労働需要が冷え込んでいる証拠はほとんどないため、FRBが年末までに連邦ファンド金利の目標範囲を3.50%から3.75%に引き上げ、以前の予想よりも上昇することを期待している」とし、「政策金利を引き上げる際に、より小規模な増分で動くことをFRB は好むと考えている」と述べている。米国首席経済学者キャシー・ボジャンチッチおよびオックスフォードの経済学者リディア・ ブスールは、「今日の堅調な雇用指標にもかかわらず、企業がコストの上昇、消費者の需要の減少、収益性の低下に対処するにつれて、労働需要は2022年下半期まで緩やかな傾向に戻ると考えています。これは、労働者の需要と供給のバランスを近づけるのに役立つはずです。」と述べている。
要するに、医薬品も含めて、コストを下げ、インフレーションと気候変動に戦うための法案は、上院共和党議員でさえ、恩恵を受ける法案であるため、彼らが反対する理由はほとんどないが、その理由を挙げるとしたら法人税の最低税率である。また、11月の中間選挙で多数派になることを望んでいる権力重視の彼らが、バイデンの支持率を上げる可能性がある法案に賛成票を投じることは期待できない。基本的に、彼らは国より彼らの党のパワーが最も重要なのである。バイデン大統領は今日の雇用報告を受けて、失業率は過去 50 年以上で最低の 3.5% に達し、米史の中で、最も多くの人々が就労しているとし、それは「尊厳と安心感を与える」と言った。また、バイデンは大統領に立候補した理由が中産階級の向上の為であると述べ、今日の雇用報告は、「働く家族のために大きな進歩を遂げている」ことを示していると言った。今日の経済報告を受けて、ほとんどの経済学者が指摘していることは、バイデン政権の複数の経済関係者が、景気後退に入る可能性はないと繰り返し強調したことと、ほとんど矛盾がないことを示唆している。