続編2:同時多発テロの21年の歴史を振り返る

バイデン大統領 ペンタゴンにて: 2022年9月11日 By New York Post

軍部、連邦および州警察、シークレット・サービス、連邦政府および州の約55の機関には大統領を保護する前代未聞の安全保障システムが整っている。更に、無人機から飛行機や軽航空機の監視、スキューバ・ダイビング・チームによる海岸線での警備、交通を監視するカメラや高性能双眼鏡、自動車ナンバー自動読み取り装置、米国国土安全保障省の生物学的作用剤を分析する病原菌検波器、すでに定着してきた空港での全身スキャナーなど、最も精巧なテクノロジーが至るところで駆使され、テロリストを探す努力は日夜行われている。米国でテロリストを探し出す組織はFBIであり、5,000人のFBI捜査官がCIAや軍部統合特殊作戦コマンドなどの援助を受けて、テロリストの拘束および殺害などの対テロ作戦を行っている。他にも、テロリズム対策に取り組む組織や企業が拡大しているが、「経済低迷の時勢に、作戦の効力性や必要性についての再検討はほとんど行われていない」とプリーストは述べた。

クラークによると、9・11から2年半後には約86万人が政府の機密組織で働くようになり、約1,900社の企業が上層機密として政府に協力するようになり、他に約1,100の連邦政府組織が上層機密で活動するようになった。これらの機密活動組織は全米17,000箇所に及んでいるが、ある一定の地域に密集している。「トップ・シークレット・アメリカ」の中心地は、国家安全保障局(NSA)周辺に位置し、ワシントン・DCの北部56Kmの区域にある。「NSAは、世界中の情報を吸引する巨大なバキューム・クリーナーを所有」し、傍受した約12臆の情報を毎日受理している。これらは全て上層部の機密情報である。テロリスト監視プログラムは警告なしに、一定の米国市民の電話や電子メールの傍受を認可している。

対テロリズムに関連した上層部の機密情報組織は2002年以降拡大し続けており、プリーストによると「無駄な努力に莫大な浪費がなされているが、予算を削ると、もし何かあった場合、責任を問われる結果になる」可能性がある。怪しげなグループを目撃した場合、彼等が実際アルカイダであるかを知るためには、諜報分析が全ての要であるが、連邦政府は諜報分析の経験が少ない職員などを含めて過剰人員を雇っている。情報機関を統括する米国情報長官は16の情報機関で「毎年、約5万件の様々な報告書が発生するが、誰もこのような報告書を全て読んでいない。不要な報告書は破棄し、最も価値のある情報だけを集める必要がある」と言った。2011年には「管理統制が行き届かない状況」があった為である。日々入手する情報の中に、何か重要なものが含まれている可能性を考慮すると、処理できないほど大量の情報入手を中止することはほぼ不可能な状態であり、多くの人達に分析のための情報提供を許可していることも、収拾がつかない一因になっていた。また、コンピューター情報処理技術にも完璧な効力があるとは言えなかった。2009年クリスマス・イブの日、下着に結晶性粉末の爆発物を縫い付けて搭乗し、航空機爆破未遂で逮捕されたナイジェジア人のケースは、当人の父親が「息子はテロリストであるとの疑いを抱いている」と事前に通報があったことが判明していた。クラークは「犯人の名称のタイプミスにより、多いデーターからの検波が無効であった」と述べた。

秘密に満ちた対テロ戦争が「多くの戦闘機やタンクを必要とするような通常の戦争」と異なる点は「情報を必要とする戦争」であることだ。例えば「テロリストに関する情報をどのような手段で得るのか」という疑問についても、2011年まで一般的には知られていなかった。FBIやCIAにマークされ、逮捕されたテロリストは、正規の施設または軍部刑務所ではなく、ホワイトハウスが国際刑務所システムを完全機密で認可し、完全に孤立した機密の建物の地下などに拘束されていた。ここでは「ストレス&ドュレス・テクニック」と呼ばれる尋問が行われてきた。例えば、長時間起立させたり、騒音環境に放置したり、近年、一般的に知られようになった水責めの拷問も含めて、肉体的・精神的な苦痛が伴うため、非人道的であるとして批判されたが、ブッシュ 政権は「この尋問テクニックは、特に残酷性を伴わなう拷問ではない」と主張し続けた。

プリーストは「オバマが大統領に就任した当時は『透明性の新たな時代』をアピールしていたが、国土安全保障省では、実際そのようなことはなかった」と述べている。オバマ政権は9・11後から行われているすべての機密行動を支持しており、アルカイダおよびタリバン組織に対する秘密攻略戦争を拡大した。更に「地上および上空から標的を殺害する方法」を開発し、アフガニスタンやパキスタンでの無人機爆撃もエスカレートした。また、情報漏れの調査に関しては「ブッシュ政権より規模が大きくなっている」とプリーストは述べた。事実、機密情報漏れを疑われる人物、特に記者に対する起訴および尋問は前代未聞の頻度で行われていた。オバマが中止したものは、ブッシュ政権下で行われ、人権保護団体などから問題視され、多くの人々が反対した拷問の一つである「ストレス&ドュレス・テクニックを廃止した」と公的に言われていた。

結論として、ジョージW・ブッシュは、彼に続く全ての大統領はブッシュ政権のテロ政策に従うよう求めた。3,000人以上のアメリカ人が死亡したテロ攻撃が二度と発生さないことが最大の政策の一つであったためであり、愛国法は全てを変えたからである。9・11後、総体的に米国が変わった点は、永遠に続くかのような「対テロ戦争」へのジレンマ、常につきまとう不安、恐怖、確信のなさが、宗教に救いを求める心理的要因のひとつとして、政治的分野でも宗教の重要性が強調されるようになった。また、反イスラム感情が増大し、愛国法の制定により、前代未聞のプライバシーの侵害が正当化されるようになったことなどが挙げられる。しかし、連邦政府の秘密性は9・11より大分以前に始まっていた。つまり、安全保障という概念は第二次世界大戦後に生まれ、1947年に制定された安全保障法により、軍事政策を充実させる目的で安全保障協議会が設置され、当時CIAなどの組織が誕生した頃から政府の秘密性は増大している。むしろ、冷戦時代と同様、引き続き国の安全保障を強調するあまり、政府の権限が強化されるようになった。この傾向性はブッシユ政権でエスカレートし、現在も続き、あるいは増大し、莫大な資金が流出している。多くのアメリカ人にとって忘れることはできない同時多発テロ事件から21年後の今日、通信技術を含む全ての技術は更に高度化したため、米国のテロ戦略はその性質や規模が変化した部分もあるかもしれないが、電話の盗聴、スパイ活動など、その本質において、ニクソン時代とほとんど変化していない側面もあるようだ。バイデン大統領は9 月 11 日の攻撃から 21 年後の今日、降雨の中でペンタゴンで開催された犠牲者を称えるための献花式に参加し、式典後東部時間午前約9時50分のスピーチで、アメリカ史上最悪のテロ攻撃で「奪われた貴重な命」を決して忘れないと言った。そして「私たちの諜報、防衛、テロ対策の専門家は、進化して世界の新しい地域に広がったテロリストの脅威に対する警戒を続けています。私たちは、これらのテロ活動を発見し、存在する場所を問わず、引き続き監視し妨害します。 そして、アメリカ国民を守るために必要なことをすることをためらうことは決してありません」と述べた。(完)

  

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