バイデン政権は鉄道ストライキの交渉に仲裁し暫定的合意に成功

労働長官マーティン・ウォルシュ: By NPR

ここ数日、貨物鉄鉄道のストライキがサプライ・チェーンと米国の経済に多大な影響を及ぼすと懸念されていた。バイデン政権は昨夜、数万人の労働者を代表する貨物鉄道と労働組合との交渉の仲裁役を務めるという稀な努力において、経済的に損害を与えるストライキを回避し、企業と消費者を救済するため、暫定的な合意に達した。バイデン大統領は15日、ホワイトハウスでのスピーチで、両側が大きな勝利を果たしたと語った。暫定的合意には何が含まれているのか?  鉄道が閉鎖された場合どうなるか?  バイデン政権はなぜ交渉の仲裁をしたのか?

バイデンは15日、ホワイトハウスのローズ・ガーデンでの短い声明で、昨夜の「暫定合意は、米国経済と米国民にとって重要な勝利です。」と述べた。ホワイトハウスの要旨によると、バイデンは、この困難な時期に、パンデミックの間たゆまぬ努力を続けてきた何万人もの鉄道労働者の賃金が上がり、労働条件が改善される」ため、彼らにとって「勝利」であると述べた。バイデンは「今後数十年間、多くの労働者を確保し、採用することができる鉄道会社にとっても勝利である」と述べた。また、「重要な鉄道システムの機能を維持し、経済の混乱を回避する」ために「誠実に交渉し、暫定合意に達した組合と鉄道会社に感謝します。」と言った。また、バイデンはこの交渉の仲裁役として、重要な役割を果たしたバイデン政権の労働省長官マーティ・ウォルシュ、運輸省長官ピート・ブティジェッジ、農務省長官トーマス ・ヴィルサックを含む高官らに対して、「この暫定合意に至るまで尽力してくれたことに感謝します」と述べた。そして、特にウォルシュ労働長官が24時間、連続的な努力で、米国の鉄道産業の勤勉な人々に勝利をもたらしたことで「経済が閉鎖される重大な損害を回避」することを可能にしたと述べた。

暫定的合意には何か含まれているのか? ⑴ 賃金の増加:賃金は 2024 年までに 24% 上昇し、これには即時の 14% の引き上げが含まれる。また、5 年間にわたって年間 1,000 ドルのボーナスを受け取り、より高額な医療控除額や自己負担額を心配する必要はない。⑵ 医療費の改善:より高い医療控除額や自己負担金(健康保険サービスに対して被保険者が支払う定額の標準的な負担)を支払う必要はない。⑶ 労働者のための有給病気休暇が含まれている。労働者は、この分野でより柔軟に対応するよう求めていたため、一部の航空会社が採用している家族の緊急事態や医師の診察のために仕事を休んだ労働者に罰を課すようなポイント・ベースの措置はないとワシントン・ポストが伝えている。

また、鉄道が閉鎖された場合、貨物鉄道の強力な経済効果に大きな影響を及ぼす可能性がある。アメリカ鉄道協会は「本日、約 60,000 人の従業員を代表する米国の貨物鉄道はこれらの組合との暫定的な合意により、金曜日の締め切り前にストライキの可能性が回避された」と発表した。また、「自動車や住宅の販売と建設、ビジネスの推進、製造業者の新規顧客獲得の支援など、米国の産業は貨物鉄道に依存し、原材料や製品を米国内外の市場に投入している。米国の無数の産業に強力な経済効果をもたらす」鉄道が閉鎖された場合、その「影響は深刻」であると述べている。また、「鉄道は一貫して多額の投資を行っている。業界がサポートする追加の仕事、 グローバル市場への業界と消費者のつながり、そして、市場と政府の予算に注入されたかなりの資金による地域社会の成長のメリットは、納税者にとって、毎年数十億ドルの節約につながる。これは、アメリカの貨物鉄道が圧倒的に自社で所有、建設、維持、支払いを行っているインフラストラクチャーで運営されているためである」と説明している。

バイデン政権はなぜ貨物鉄道ストライキの交渉の仲裁に入ったのか?  鉄道のストライキは、米国の主な鉄道会社アムトラックに多大な影響を及ぼす可能性があることも要因である。アムトラックは、米国の多くの旅客鉄道路線を運営する準公営企業として1971年に設立された営利組織である。アムトラック社は、連邦政府の「十分な資金提供と補助金」を受けており、米国政府は同社の発行済優先株式のすべてを所有しているため、連邦政府は鉄道の全ての問題に運輸長官を通して関与する必要がある。アムトラックの本社は、ワシントン D.C. のユニオン駅の西側に位置しており、46州とカナダの 3 州間を走行する500 を超える目的地のサービスを提供している。また、日々約21,000 マイル (約34,000 km)の線路上で毎日 300 以上の列車を運行している。貨物鉄道のストライキには、連邦政府が資金提供するアムトラック社の旅客鉄道も無関係ではない。アムトラックの乗客数はコロナウイルスの影響によって、2019年の推定3,250万人から、パンデミックがピークに達した2020年に推定1,200万人に減少し、経済的に大幅な打撃を受けたことを示している。総体的に、鉄道の健全な運営は、米国にとって非常に重要であることを示唆している。

要するに、バイデン政権の労働長官であるマーティン・ウォルシュと他の長官らが仲裁した組合と業界リーダーとの間の交渉は昨夜、一晩中続いた。バイデン大統領は歴代の大統領の中でも最も強力な労働組合の支持者であるが、片方だけを強調するのではなく、スピーチ中のバイデンは昨夜の交渉の暫定的合意が両側にとってプラスになると述べた。鉄道は、経済活動の中心となるエネルギー、すなわち、化石燃料や人類の生存に不可欠な食物や医療品などを移送するため、鉄道の運営が停止されると、経済に与えるリスクとダメージは多大になることから、労働組合にとっても鉄道会社にとっても「大きな勝利です」と言った。昨夜の暫定的合意に次ぐプロセスは組合員が投票を行う必要があり、その結果によって批准される。この暫定的合意の努力がなかった場合の経済的リスクは多大である。鉄道以外に通勤する方法がない人々は、出勤不可能になるため、場合によっては無休を余儀なくされる場合もある。鉄道の閉鎖は更なるサプライ・チェーンの低迷が加速する可能性もある。それは製品の値段の高騰に繋がり、現在続いているインフレーションをさらに悪化する可能性がある。ガソリン価格は6 月の平均5.00 ドルから、現在平均3.70ドルに減少したが、エネルギー資源を移送する鉄道が閉鎖されると、再度ガソリンの値段が高騰し、今年夏前まで続いていた高値に戻る可能性もあったかもしれない。このような経済的ダメージを避けるための多大な努力を通して、困難な仕事に成功したバイデン政権を評価するべきである。

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