
国連総会:2022年9月21日 By The New York Times
ロシアの大統領ウラジミール・プーチンは30万人の予備兵を増加し、ウクライナの幾つかの地域を併合し、核兵器を使用し、西洋諸国に対する報復として、更に戦争を強化すると脅した。今日国連総会で、米国大統領ジョー・バイデンは、ロシアの攻撃性を批判し、国連のメンバーに対して、ロシアに説明責任を負わせるよう求めた。国連のメンバーは今日、ウクライナの大統領ヴォロディミール・ゼレンスキーが国連総会でのスピーチを遠距離のバーチャルで行うことを許可する投票を行った。ゼレンスキーは、今日夕方のビデオ・スピーチで、彼の国に対する破壊的で致命的な軍事作戦を展開しているロシアを罰するよう求めた。更に、ロシアが占領していた幾つかの地域で、多くの市民が拷問を受け、殺害されたことについて報告した。
ロシアの大統領ウラジミール・プーチンは21日、ウクライナへの支援を続ける「西側に直接挑戦する新しいキャンペーン」を発表し、ウクライナでの戦争の努力を加速させ、約30万人の予備兵を召集すると同時に核兵器を使用すると脅した。プーチンの自国民に対する「珍しい演説」は、完全な国家戦争を「宣言するまでには至っていない」ものの、軍事経験を持つ人々の「部分的な動員」を求めた。また、プーチンはウクライナでの「ロシアの目標は変わっていない」と述べた。この動きは、西側がウクライナに高度な武器を提供することで「すべての境界線を越えた」ため「必要かつ緊急」な対応であると言った。プーチンは、ビデオ録画された演説の中で、彼が「国内と世界の舞台の両方で彼のリーダーシップを弱体化させ、益々混沌たる戦争に対する彼の権威を再び主張するための明らかな試み」に挑戦した。西側諸国は、武器、資金、情報でウクライナを支援してきた為、ウクライナが勝利している事実を、実際にプーチンが認めていることを示唆した。プーチンは、アメリカとヨーロッパがロシアに「核による恐喝」を行っていると非難し、ロシアは独自の「大量の兵器」を保有していると威嚇した。
プーチンの発表は、先週ロシア軍の兵士が、武器やタンクを放棄して逃げており、ロシア軍はほぼ敗北に近い状況になったと報告された後に来ている。ロイターによると、プーチン大統領が300,000 人の予備軍の動員を命じた後、プーチンの政敵であるアレクセイ・ナヴァルニーは、21日プーチンのウクライナでの侵略を「失敗した犯罪戦争」と呼び、プーチンの新たな戦争拡大の計画に抗議するよう求めた。横領と法廷侮辱罪で有罪判決を受けた後、2022 年 3 月に更に9 年の懲役を言い渡され、投獄されているロシアで最も著名な野党指導者のナヴァルニーはプーチン大統領が戦争の失敗により、より多くのロシア人を死に追いやっていると批判した。彼は「犯罪戦争が悪化し、深化していることは明らかであり、プーチン大統領はできるだけ多くの人々をこれに巻き込もうとしています。彼はこの血で何十万人もの人々を汚したいと考えています。」と言った。刑務所からのナヴァルニーのビデオ・メッセージは、彼の弁護士が記録し公開したものである。
ジョー・バイデン大統領は国連総会でのスピーチで、プーチンの攻撃性を批判し、ロシアは国連憲章に「極めて重大」な違反を犯したと述べた。ロシアのウクライナ侵攻を率直に批判したバイデンは、ロシアの目的はウクライナの存在権を消滅させることであると述べた。また、バイデンは「残忍で不必要な戦争」がプーチン大統領によって「選択された」と述べ、「率直に話しましょう。国連安全保障理事会の常任理事国の一つが隣国に侵入し、主権国家を地図から消し去ろうとした。ロシアは恥を知らずに、国連憲章の核となる信条に違反した」と非難した。バイデンのスピーチは、プーチンが約30万人の予備兵を召集すると同時に核兵器を使用すると脅した後にきている。バイデンは21日、「わが国の領土保全に対する脅威とともに、米国民を守るために、われわれは自由に使えるあらゆる手段を使用します。これは虚勢ではありません。」と言った。スピーチの最終段階で、バイデンはすべての国が「外交による核不拡散体制」を再び強化し、国連のメンバーが団結するよう促した。
ウクライナを積極的に支援しているドイツのオラフ・ショルツ首相は、プーチン大統領が「絶望的 」になっていると言った。プーチンが、核兵器を使用するという隠れた脅威でウクライナへの支持をめぐって西側に直接異議を唱えた時、プーチンは「必死」であったと述べた。彼は「ウクライナの反撃能力とキエフを支持する西側の団結をひどく過小評価」していたと言い、この団結は揺るぎないものであると強調した。ショルツは「プーチンがこの状況から抜け出す方法を知らないのは明らかです。彼は戦争に勝てず、ロシアも戦争に勝てないのは明らかです。彼は見当違いで、状況を過小評価しており、必死です」と語った。ショルツは、プーチンが核兵器の脅威を示唆したことを「危険」であるとし、「私たちは常に核兵器の使用に真剣に取り組む必要があり、ロシアは核保有国であることは周知のとおりです。私たちはウクライナを支持しています。ロシアとNATO間の戦争にエスカレートさせない」よう警告した。
また、ウクライナの一部を併合するというプーチンの脅しに反応したウクライナの大統領ヴォロディミール・ゼレンスキーは、今日夕方、ウクライナからのビデオを通して国連総会で演説し、「ウクライナは平和を望んでいます。ヨーロッパは平和を望んでいます。世界は平和を望んでいます。そして、戦争を望んでいるのは誰なのかを見てきました」と言った。彼は、ロシアの大統領ウラジーミル・プーチンに言及し、すべての国連加盟国の中で、「私のスピーチを中断することができれば、この戦争、彼の戦争に満足していると言える国は一カ国だけである」と言った。更に、ゼレンスキーは、最近解放された北東部イジュム市を含めて、ロシアの占領によって殺害された男性、女性、子供の遺体を発掘し、遺体は共同墓地に埋葬する作業が進行中であると述べた。ゼレンスキーは、ウクライナ全体の破壊について、ロシアに責任を負わせるよう要請した。そして、ロシアが交渉による解決を真剣に考えていない証拠があるとし、プーチンは、彼が勝利するためには、どれほど多くの人命が奪われ、国が破壊されても「戦争を望んでいる」が、「歴史の流れを止めることはでない」と述べた。
ほぼ 6 か月間ロシア軍に占領されていたハリコフ北東部の都市イジュムは、ここ数日、最近埋め立てられた墓地から多数の遺体が検証のために掘り起こされた様子が伝えられた。回収された数百人のウクライナ市民の遺体は明らかに拷問された形跡があると報告されている。残虐行為の真相は、明らかではないが、この墓地には約450人の遺体が埋められた可能性があるという。ゼレンスキー大統領は先週、ロシア軍が突然撤退して以来、ハリコフ地方で10 か所以上の「拷問室」が発見されたと述べた。拷問室が発見された状況は、幾人かの米国の特派員の取材によって確認されている。ロシアとウクライナとの国境にあるコザチャ・ロパンのスーパーマーケットの裏にある不気味な地下室では、金属製の棒が部屋の隅を非常線で囲み、大きな独房を形成している複数の拷問室が発見されたと報告されている。
要するに、ウクライナの人々が拷問を受けた後に射殺されたとする明らかな戦争犯罪は、2月24日にロシアがウクライナに侵攻して以来、これまで何回か報告されている。ウクライナでの戦争犯罪の調査は続いており、ウクライナ人に対する意図的な殺人を認めたロシア兵がウクライナ当局に逮捕され、裁判が行われた例は、以前にメディアが報じた。プーチンは、国民に向けたスピーチで300,000人の「部分的な動員」を求めたが、これは、一般大衆から徴兵された人々がロシア軍に召集されることを意味する。しかし、ロシア全体が戦争状態を宣言したというわけではない。また、プーチンの核兵器の脅しは、今回が初めてではなく、彼が困窮した時に、そのような脅しの表現を利用して、西洋諸国、特に米国に対して虚勢を張るパターンがあることはすでに記録が示している。世界の指導者の幾人かは、プーチンの攻撃性は、彼の戦争が最悪の状態であり、彼が望んでいる通りに進んでいない証拠であると見ている。