
By NPR
ロシアの大統領ウラジミール・プーチンは30日の今日、ウクライナの4つの地域を合併すると宣言した。同日、ウクライナの大統領ヴォロディミール・ゼレンスキーはNATOへの加盟の申請書を提出すると発表した。今日のスピーチで、西洋諸国を敵であると攻撃したプーチンに対して、ジョー・バイデン大統領は鋭い表現で反応した。
プーチンは金曜日の30日、4つの地域を合併すると宣言した。彼は、クレムリンの大広間でロシアの議員や州知事の前でのスピーチで、米国を「悪魔主義」と表現した。彼は「西側エリートの独裁は、西側諸国の人々を含むすべての社会に向けられています。これはすべての人への挑戦です。これは人類の完全な否定であり、信仰と伝統的価値観の打倒です。実際、自由の抑圧自体が宗教の特徴を帯びており、あからさまな悪魔主義です。」と述べた。そして、4人の議会の支持者と手を重ね、「ロシア、ロシア、ロシア」と合唱する様子が放映された。プーチンは、このスピーチで、ルハンスク、ドネツク、ヘルソン、ザポリージャ地域の住民は「永久にロシア市民になる」と語った。彼は約35分間のスピーチで、「西側のエリートは国家主権と国際法を否定している」と述べ、「彼らの覇権は、全体主義、専制主義、アパルトヘイトの顕著な特徴を持っています。」と主張した。
プーチンのスピーチの幾つかの要点は次の通りである。⑴ キエフに対するメッセージとして、ロシアは併合地域を決して放棄しないことを示唆した。プーチンは「私は、キエフ当局と西側の彼らの真の支配者に私の話を聞いてもらい、彼らがこのことを思い出してほしいと思っています。ルハンスク、ドネツク、ヘルソン、ザポリージャに住む人々は私たちの市民になりました。永遠に。」と言った。プーチンは、ウクライナ当局が和平交渉を開始することを要求し、「キエフ政権に対し、敵対行為を直ちに終わらせ、2014 年に解放した戦争を終わらせ、交渉のテーブルに戻る」よう伝え、「私たちはその準備ができています。」と言った。⑵ 西洋諸国の帝国主義を批判し、欧米はロシアを破壊しようとしていると示唆した。プーチンは「西側は中世にさかのぼって植民地政策を開始し、その後、奴隷貿易、アメリカのインディアン(先住民族)部族の大量虐殺、インドとアフリカの略奪、イギリスとフランスの中国に対する戦争に続いた」と述べ、西側諸国、特に米国への攻撃に集中した。
⑶ プーチンは核兵器の脅威があるのはロシアではなく、米国であると主張し、「アメリカは世界で唯一、核兵器を二回使用した国です。彼らは広島と長崎の都市を破壊しました。ちなみに、それは前例を作った」ことになると言った。また、「今日でも、彼らは実際にドイツ、日本、韓国、およびその他の国を占領し、同時に皮肉を込めて、対等な同盟国と呼んでいます。」と述べた。⑷ ノルド・ストリームのパイプラインのサボタージは、西洋諸国が行ったと示唆した。彼は「アングロサクソン人にとって、制裁は十分ではありません。彼らは破壊工作に変えました。実際、彼らは汎ヨーロッパのインフラを破壊し始めている」と述べ、ノルド・ストリーム1と2のパイプラインの爆破に言及した。
一方、ゼレンスキー大統領は慣例のスピーチで、ウクライナのNATOへの迅速な加盟申請書に署名すると発表した。ウクライナ政府の大統領サイトによると、ゼレンスキーは「私たちの国の中心であるここキエフで、私たちは全ての自由国家共同体の安全のために決定的な一歩を踏み出しています。今日、私は最高司令官との会議を開きました。国家安全保障と防衛会議が終了しました。決定があります。 」と述べた。その決定に言及し、「第一に、平和の回復はウクライナを強化し、ウクライナ全土から占領者を追放する道だけであると述べた。また、「第二に、ウクライナは交渉努力のリーダーであり続けている」こと、および、ロシアは彼の国のように、平等、正直、公正、まともな条件で共存することに合意できないと述べた。ゼレンスキーはプーチンに言及し、「彼は尊厳と正直が何であるかを知りません」と言った。そして「第三に、事実上すでに達成したことはすべて当然ながら記録しなければなりません。専制政治との対決における民主主義の運命が決定されているのはウクライナです。ここで、私たちの国境の堅固さとともに、ヨーロッパの全ての国の国境の堅固さを確保することができます。私たちは、戦争を私たちの大陸に持ち込む者が他にいないことを保証できます。」と述べた。
つまり、ゼレンスキーは民主主義の戦いの中心になっているウクライナは、NATOと緊密に協力しており、ウクライナに侵略したロシアに対して、勝利していることで、ウクライナ軍はすでヨーロッパの同盟メンバーを確保するための準備が整っていると示唆した。ゼレンスキーはこれ以上、ロシアが不法の併合を行うことを阻止するためには、NATOに参加する以外に方法はないため、NATOへの加盟を急速に進めていることを示唆している。実際、スウェーデンとフィンランドは 5 月に加盟を申請したため、ヨーロッパの民主主義国はNATOに加盟することが可能である。ウクライナは早くからNATO への加盟を考慮していたが、戦争中のウクライナが申請しても受理される可能性は示唆されていなかった。現在もNATOがウクライナに軍隊を派遣しない理由は、第三次世界大戦になることを懸念し、それを避けている為である。そのような観点から、NATO への加盟は複雑な問題があることを示唆した。
今日のスピーチで、ロシアの大統領は、西洋諸国、特に米国を批判することに集中し、非常に偽善的な論争を展開した。プーチンが合併を宣言した4つの地域はまだウクライナ軍が部分的に支配しており、EUやNATOは非合法の併合であるとして、ほぼ強引な国民投票を含むプーチンの行動による結果を認めていない。プーチンは歴史的観点から米国が独裁的な国であると批判したが、民主主義を追及する近年の西側諸国からみると、プーチンは彼が独裁者として見られている事実を完全に無視したことを示唆した。ロシアのウクライナでの戦争犯罪は、米国上院司法委員会でさえ公聴会を行い、国連を含む人権地域社会は深刻なグローバル的問題として、論議が進行中である状況を無視していることを示唆した。そして、プーチンは更にその批判の渦の中に入り込んだことを示唆した。ジョー・バイデン大統領は、プーチンが合併を宣言した後の声明で、「米国は今日、主権を持つウクライナ領土を併合しようとするロシアの詐欺的な試みを非難します。ロシアは国際法に違反し、国連憲章を踏みにじり、あらゆる場所で平和国家を軽視しています。」と鋭く批判した。そして、併合に関するロシアの主張は「偽り」であり、「正当性がない」とし、「国際社会を結集して、これらの動きを非難し、ロシアに責任を負わせ、自衛に必要な装備をウクライナに提供し続けます。」と述べた。米国はすでに、ロシアに対して新たな制裁を科すと発表した。