別の形態の奴隷制度とは何か?

By The American Prospect

特定の犯罪で有罪判決を受けた人々に強制労働を強いることは、別の形態の奴隷制度であると言われている。憲法は投獄された労働者を保護していないため、現代版の奴隷制度に等しいとの批判がある中で、長年強制労働の慣行を続けてきた5 州の有権者は、中間選挙で現在のシステムを禁止するかどうかを決定するために国民投票を行なうことになっている。人権擁護団体の報告によると、強制労働者は年間数十億ドルの製品生産に貢献しているが、多くの州はほとんど又は全く賃金を払っていない。

今年国民投票が行われる州はアラバマ、ルイジアナ、オレゴン、テネシー、バーモントの5州である。全米のほぼ全ての州は、囚人労働者を利用しているが、犯罪で有罪判決を受けた囚人に対する罰として、支払いをほとんどしないか又は全く支払いをせず強制労働をさせている長年の習慣がある。それは、奴隷制または非自発的な奴隷制と呼ばれており、その慣行は多くの州で合法的である。しかし、これら5州の有権者は11月8日の投票日に、その慣行を完全に禁止するかどうかについて投票する。州当局は、国民投票でこの慣行が禁止された場合でも、即時に現状が変わることはないと述べている。一方、別の形態の奴隷制度を改革することを提唱している人権擁護団体は、奴隷制度の解放は犯罪者と一般の人々を区別していなとして、様々な改革案を強く提唱している。

囚人労働はどのような労働を強いられているのか?アメリカ市民自由連合(ACLU)の報告によると、米国では120 万人以上が州および連邦の刑務所に収監されており、これらの収監されている人々の 3 人に 2 人は労働者である。ほとんどの場合、これら 80 万人近くの投獄された労働者の仕事は、外部で働く何百万人もの人々の仕事とほとんど同様である。しかし、投獄された労働者は雇用主の完全な管理下にあり、労働搾取や虐待に対する最低限の保護さえもないという二つの決定的な違いがある。米国憲法修正第 13 条は、刑事上の有罪判決のために監禁されている人々を奴隷制と非自発的な奴隷状態から保護する範囲から明示的に除外している為、受刑者は刑務所の門に入った瞬間から、仕事を拒否する権利を失う。現代の囚人労働のルーツは、南北戦争の終わりに例外条項が批准された時代である。この例外条項はジム・クロウ時代に黒人の犯罪化と効果的な再奴隷化を助長し、その影響は今日まで続いている。

司法統計局が調査した投獄された労働者の 76% 以上は労働が要求されているか、独房監禁、減刑の機会の拒否、家族との面会の喪失など、追加の罰に直面している。彼らには、仕事の種類を選択する権利はなく、仕事の割り当てを選択する刑務所管理者による恣意的、差別的、懲罰的な決定の対象になっている。また、米国の法律は、投獄された労働者を職場保護から明確に除外しており、最低賃金、残業保護、労働組合を結成する権利、職場の安全保証など全てが拒否されている。投獄された労働者は通常、ほとんど又はまったく賃金を稼がず、多くの場合、1 時間あたりわずか 1 セントしか稼いでいない。収監された労働者は、家具の製作やナンバー プレートの製造を含めて、年間 20 億ドル以上の商品を生産し、90 億ドル以上の価値のあるサービスを提供しているが、彼らの賃金は、全国平均で時給 13 セントから 52 セントであり、この賃金は何十年も停滞したままである。

アラバマ、アーカンソー、フロリダ、ジョージア、ミシシッピー、サウス・キャロライナ、テキサス、ネバダ州では、収監された労働者は、大部分の仕事の割り当てに対して全く支払われていない。多くの刑務労働者の仕事は多様であり、掃除やモップ掛けなどの一般的な清掃業務に割り当てられているが、他の労働者は、刑務所のメインテナンス、食事の準備、洗濯、およびその他の仕事に割り当てられている。また、公共事業プロジェクトに割り当てられた囚人労働者の別の 8% は、墓地、学校の敷地、および公園のメインテナンス、道路工事、建物の建設、官庁、埋め立て地と危険な流出物の清掃および林業を行っている。少なくとも 30 州は、災害や緊急事態での緊急時対応計画に、収監された労働者を派遣している。少なくとも 14 州で、投獄された消防士は、山火事と戦っている。民間企業に配属される囚人労働者は全体の 1% 未満であり、民間企業は通常より高い賃金を提供するが、依然として法外な賃金控除の対象となっている。

ACLUは、これらの全てを変革することを強く推進している組織である。変革事項の提案は次の通りである。⑴ 投獄された労働者にも他の人々と同じ労働と賃金の保護を保証する。⑵ 最低賃金、健康と安全の基準、組合を結成する能力、差別からの保護、権利が侵害された場合の迅速な是正措置を提供する。⑶ 子供の養育費、家への電話代、売店の費用を含む必要な経費の収入があること、更に、家族を養い、最終的に社会に復帰するための貯蓄を可能にする。⑷ 尊厳に値する刑務所職員の仕事を適切に訓練し、投獄された労働者に市場価値のあるスキルを提供するプログラムに投資する必要がある。⑸ あらゆる形態の奴隷制を終わらせるため、犯罪に対する罰として、奴隷制と非自発的な奴隷制を認める憲法第 13 修正条項の除外を廃止する。⑹ 憲法に同様の除外条項がある20州も、それらを廃止する必要があり、合衆国憲法を修正するよう米国議員に働きかける。

要するに、米国で1865 年に批准された憲法修正第13条の第一項は、「当事者が正式に有罪判決を受けた犯罪に対する罰としての場合を除き、奴隷制も非自発的な服役も、米国内またはその管轄下にある場所には存在しないものとする」と定めている。つまり、憲法修正第13条は犯罪を犯し、投獄された囚人を全く擁護していない。従って、囚人労働者をほぼ奴隷化している状況を禁止することを目指すACLUは、全米で現状を変えるため、州の議員らに説得している。更に、複数の都市では「刑務所の奴隷制を終える」とのプラカードを掲げた抗議者らが通りで、プロテストを行っている様子も見られるようになったため、時がきていることを示唆している。様々な動機があると思われる5州は11月8日の中間選挙で、国民投票を行うことになっている。アラバマやテネシーのような保守派州が含まれているこれらの5州は、ACLUが提起している幾つかの改革案を採用する可能性があり、即時の効果は期待できない場合でも、国民投票を行う事自体が大きな前進である。

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