WP編集委員会は前大統領の出馬表明に懸念

America Deserves Better Than Donald Trump                                  2022年11月15 日:ワシントン・ポスト (WP )編集委員会

公職にふさわしくない前大統領ドナルド・トランプが2024年の大統領選に出馬すると公表したことに対して、ワシントン・ポスト編集委員会は、米国の民主主義が脅かされる更に多大な危険性があるとの懸念を表明した。過去4年間、トランプの最悪の行為を野放しにしてきた共和党指導層に責任があると述べ、議会は、その危機から米国を救うために、ある法律を修正するよう具体案を提案している。この記事は、彼の4年間の大統領職がどのようなものであったかを単純明快に提示し、米国は同じ失敗を繰り返すのではなく、トランプに説明責任を負わせるべきであると警告している。

トランプが11月15日に2024年の選挙に立候補すると発表した事実は、これまで、トランプを自由奔放にした共和党の指導部に責任があると示唆し、今から始めるべきことがあると提案している。彼らは当初、「彼の台頭(his rise)を防ごうとしたが、トランプが大統領に就任してからの4年間、機会があったたびに彼に責任を負わせることができなかった(failed to hold him accountable)」ことを指摘している。彼らは、トランプが「個人的な忠誠(personal loyalty)を要求し、彼に逆らう党内の人々を罰し、多くの人が彼の最悪の行き過ぎさえ(even his worst excesses)も非難することを拒否し、彼の周りの個人崇拝(the cult of personality)が野放しに成長する(grow unchecked)のを許し続けてきたと記事は述べている。

例えば、最初の弾劾(2019年12月〜2020年2月)および二回目の弾劾(2021年1月〜2月)において、米国上院議会の共和党は彼を二回、弾劾裁判で無罪にしたため、これも、トランプにチャンスを与えている原因であるとして、「彼は上院で有罪判決を受けるべきだった(he should have been convicted by the Senate)」とポストの編集委員会は指摘している。もし、トランプが予備選で生存し、又は共和党の候補者として指名された場合、「再びアメリカの民主主義に関する国民投票になる」との懸念を表明している。「なぜなら、私たちの政府システムが生き残るためには、有権者は法の支配を受け入れて服従する(accept and submit to the rule of law)指導者を選ばなければならないからです。」と述べている。しかし、最悪の事態を避けるためには、まだ予備選まで時間は十分あるため、議会は行うべき仕事があると指摘した。

それは、民主党が勝利すると詐欺であると主張するような党派的なトランプを支持する州の役人が「選挙結果に異議を申し立てる(to challenge the election results)ことを困難にするために、両院で民主党が多数派である年内に選挙人集計法を修正する法案を可決する必要があると述べ、それは、投票集計をめぐる論争を法廷に持ち込むことで、党派の役人ではなく裁判官に最終決定権を与える保護措置(safeguards)も含まれると提案している。11月8日の中間選挙は、トランプの虚偽の選挙詐欺の主張を支持した極右派でトランプに支持された多くの候補者が大幅に敗北したが、「それでも、トランプが2020年の選挙で負けたことを否定する州や地方の選挙当局者および議会議員による介入の現実の危険性(a real danger of meddling)がある」と懸念している。更に、トランプに説明責任を負わせるために、現在進行中の1月6日の捜査、ジョージア州の大陪審での捜査、マー・ア・ラゴでの機密書類の取り扱いに関連する法的プロセスは引き続き行う必要があるとし、ホワイトハウスへの「立候補を宣言することで、法的な説明責任(legal accountability)を逃れさせることは危険である」と述べている。

また、記事は、トランプが公職にはふさわしくない(unfit for public office)として、彼が4年間にどのような大統領であったかを説明することは単純明快(straightforward)であると述べている。トランプは ① 暴徒のリーダー(demagogy)を使って人種差別を扇動している。② 彼は大小の事柄について虚偽を語る。③ 大統領として、彼は頻繁に国益(the national interest)よりも個人的な利益を優先した。④ 彼は普通のアメリカ人を持ち上げる(lift up)ことを約束し、代わりに連邦債務を大幅に増加させた富裕層向けの減税を実現した。⑤ 彼は独裁者の友人であり、リベラルな民主主義国家の一定しない味方(an inconstant ally)であった。⑥ 彼はイランの核合意(the Iran nuclear deal)から愚かにも撤退することで、世界における同国の軍事的立場を明らかに弱体化させた。⑦ イスラエルの高官でさえ、今では深刻な自傷行為(a serious self-inflicted wound)であると認めている。⑧ おそらく大統領としての彼の最大の試練の中で、彼はCovid-19のパンデミックを広報の問題として扱い、危険を軽視し、命を救ったかもしれない基本的な安全対策に抵抗した。

したがって、トランプの4年間の大統領職の実態を見てきたポストの編集委員会は、もし、トランプが再度ホワイトハウスに入った場合、「彼はさらに、おべっか使い(sycophants)に完全に取り囲まれる可能性が高い」と警告している。たとえば、トランプが司法長官として誰を選ぶかである。トランプは任期の終わりに、彼の選挙詐欺の虚偽を否定した「彼自身の司法長官ウィリアム・バァーを追い出し(forced out)、資格より彼に対する忠誠を最優先し、司法省の中級職員(a midlevel official)を任命しようとした。トランプの2期目は、不満と政治的見返り(grievances and political payback)の報復ツワー(revenge tour)になると約束されている。

要するに、2016年に彼が大統領選に勝利した時とは異なり、今年の中間選挙の結果はトランプが共和党に打撃を与える存在であることを共和党は悟り始めている中で、彼は15日に立候補を公表した。しかし、彼の長女であるイバンカさえ、「父のキャンペーンに関与しない」とフォックス・ニュースに語った。そして、トランプの発表当日に、長男のドン・ジュニアの姿も確認されなかった。少なくとも、両氏はトランプと舞台に並んでいなかった。また、複数の元知事を含む主流派の共和党らは、トランプから離れるよう促し始めており、一部の署名な寄付者も「トランプから離れている」と16日にニューヨーク・タイムスが伝えた。司法省の長官メリック・ガーランドはトランプの2020年の選挙転覆の努力に関し、および2021年1月にフロリダの住居に機密書類を持ち帰った前代未聞の二つの事件に関する調査を監督する特別顧問ジャック・スミスを任命したため、これはトランプが告訴される兆候であると言われている。トランプの2024年大統領選の立候補の発表は、全て混沌の中で行われ、有権者が何も知らなかった2016年とは大きく環境が変わったことは明白である。しかし、ポストは、現時点で、議会ができる可能な限りの準備を行うよう呼びかけている。憲法修正第14条は、反乱者が公職に着くことを禁止しているが、議会共和党過激派のメンバーの中には、そのようなことを知らない個人が存在するため、この憲法の条項を強化するために法案を制定する提案もある。例えば、ロードアイランド州民主党のデビッド・ シシリン議員は、修正第 14 条第 3 項に基づき、トランプが再び連邦政府の役職に就くことを禁止する法案を紹介している。選挙に関連する修正法案は、来年新議会が始まる前に、両院で通過させることが理想的であるが、レイムダック・セッション(選挙後から新議会開始日の期間)にそれが可能であるか疑問である。

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