前大統領ドナルド・トランプは先月22日、ラッパー・ミュージシャンでありファッション・デザイナーであるカニエ・ウェストとニック・フエンテスを食事会に招待した。その後、トランプは、反ユダヤ主義者と白人至上主義者を招待したとして、上院少数派のリーダーであるミッチ・マコーネルを含む幾人かの共和党議員らが非難した。しかし、ほとんどの共和党は沈黙を続けているため、一部の主要メディアは55人以上の共和党議員らにトランプを非難するかどうかを聞いた。それほど深刻な問題として、批判の余波が続いている中で、ツイッターの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスクはウェストのアカウントを停止した。
トランプは感謝祭の2日前、ホワイト・ナショナリストでホロコースト否定論者のニック・フエンテス(右)とラッパーのカニエ・ウェスト(左)をマー・ア・ラゴの邸宅に招待した。その翌日からトランプを批判するメディアの波動が広がった。トランプは彼のソーシャル・メディアに「先週、カニエ・ウェストから電話があり、マー・ア・ラーゴで夕食を食べました。その後まもなく、彼は予期せず、私がまったく知らなかった3人の友人と一緒に現れました。火曜日(22日)の夜、裏庭のパティオに多くのメンバーが集まって夕食をとりました。 夕食は迅速で平穏でした」と投稿した。このイベントに対する批判は、蜂の巣を突くような騒ぎになったようであった。フエンテスは、名誉毀損防止団体および司法省によって、白人至上主義者として認定され、白人至上主義者のレトリックを理由にほとんどの主要なソーシャル・メディアから追放されている人物である。最近、自称イェ(Ye)と名乗り始めたカニエは、ホロコーストの歴史を否定し、ナチスおよび独裁者への敬意を表明している。
上院共和党のリーダーであるマコーネルは数日間の沈黙を破り、上院の外側での記者会見で「共和党には反ユダヤ主義や白人至上主義の余地はなく、私の判断では、その観点を主張する人々と会う人は、米国の大統領に選出される可能性はありません」と語った。彼のこのコメントは、連日繰り返し紹介された。その後、先週からトランプを批判するメディアの攻撃は激しくなった。トランプがホワイト・ナショナリスト及びホロコースト否定論者に会った後、PBSは28日および29日に「我々は57人の共和党議員に、フエンテスとウェストとのトランプの夕食を非難するかどうかを尋ねました。これが彼らの言ったことです」との記事を投稿した。その記事によると、「司法省は昨年、フエンテスを白人至上主義者と認定した。 彼はホロコースト否定論者であり、ユダヤ人に対する暴力を脅かし、黒人アメリカ人や他のグループに対する憎しみを広めてきた。また、ウェストもソーシャル・メディアで反ユダヤ主義および反黒人のコメントをしたことで非難されている」と述べ、トランプの彼らとの夕食会は「政治的スペクトラム(2 つの極端な何かを分類すること。政治的には左翼または右翼)を超えた人々からの幅広い批判を集めた」が、退任するリズ・チェイニー議員やアダム・キンジンガー議員を含む一握りの共和党議員を除き、現役の共和党議員らがほとんど声を上げていないと抗議している。月曜日の夜、マイク・ペンスは、トランプがそのイベントについて「謝罪するべきである」と言ったと報告されている。また、日頃からトランプに否定的である穏健派の共和党上院議員ミット・ロムニーは、「そのような人々を米国の元大統領との面会に招待するのは嫌なことだと思います。トランプ大統領は、自分自身と国を堕落させる程度に底がないことは明らかです」と述べた。
そして28日に議員らが議会に戻った後に幾人かの共和党は、曖昧な態度でトランプ本人ではなく、白人至上主義者や反ユダヤ主義を批判した。下院少数派リーダーのケビン・マッカーシーは「誰もニック・フエンテスと時間を過ごすべきではないと思います。彼はこの共和党に居場所がありません。トランプ大統領は4回非難し、彼が誰であるかを知らなかったと思います」と言った。記者はトランプが決してフエンテスを非難しなかったと訂正した。マッカーシーは「大統領は彼が望む人と会うことができます。誰もニック・フエンテスと会うべきではないと思いますが、彼の見解は共和党やこの国自体のどこにもありません。 彼(カニエ)と付き合うべきではないと思います。 私は自分の立場で非常に明確です」と言った。ホワイトハウスでのバイデンとの会談後、29日、記者団に語ったマッカーシーの発言はビデオに記録されている。
右翼の陰謀論者アレックス・ジョーンズは12月1日午前中、彼のインフォウォーズのショーで、ほとんど顔全体を黒のフードまたは覆面のようなものを被り、声以外に誰であるかを認識できない姿で登場したウェストとフエンテスの両氏にインタビューを行った。ウェストは「私はヒトラーが好きです」と言った。彼は頻繁にナチスを称賛するコメントをした。ジョーンズは「あなたはヒトラーでもナチスでもないので、悪者扱いされる資格はありません」と言った。ウェストはその瞬間を遮断し、「ヒトラーについても良いことがわかります」と答えた。彼は、何百万にもおよぶユダヤ人の殺害を命令したヒトラーのファンであると主張した。彼は「私はユダヤ人…みんなを愛しています。」と言い、「分類することを終えました。すべての人間、特にヒトラーはテーブルに持ち込む価値のある何かを持っています」と言った。
ウェストとニックに対する、批判が衰えていない中で、このインタビューの翌日、ツイッターのCEOであるイーロン・マスクはウェストのアカウントを停止した。彼は、ウェストがダビデの星の中に卍の画像をツイートした後に、ウェストのアカウントを停止したと2日の今日報告した。マスクは10月末にツイッターを購入した後、トランプおよびウエストを含む論争的な人々のアカウントを回復した。彼は最近、「言論の自由であるが、到達は自由ではありません」と書き、否定的で憎悪的なスピーチは目立たなくなると述べていた。マスクは、ウェストのアカウントを閉じる発表で、「最善を尽くしました。それにもかかわらず、彼は再び暴力の扇動に対する私たちの規則に違反しました。アカウントは一時停止されます」とツイッターで述べ、ユーザーに「カニエを直しなさい」と書いた。
要するに、下院議会で、議長になるための218票を獲得することに現在苦戦し、彼が議長に選出されるかどうか不明であると言われているマッカーシは、上院共和党リーダーのマコーネルとは極端に異なり、トランプを保護する意図があることを示唆した。加えて、マスクが規定を破る人々、極端な憎悪、暴力、問題のあるイデオロギーを持つユーザーに対して、必ずしも完全且つ自由に放置するのではなく、ある程度、規律があることを示唆した。現在のところ、米国および共和党には反ユダヤ主義者と白人至上主義者の居場所はないことを公的に躊躇することなく、表明した共和党リーダーはマコーネルとトランプの「判断力は著しく乏しい」と言った共和党の前副大統領マイク・ペンスのみである。