ドイツのミュンヘンで18日に開催された安全保障会議での中国外相との会談で、国務省の長官ブリンケンは二つの件について警告した。ニューヨーク・タイムスのコラムニストであり、外交、国際貿易、中東、グローバリゼーションなど幅広い分野で知られるアメリカの政治評論家および作家であるトーマス・フリードマンは、NBC のインタビューで、中国はロシアとウクライナの紛争を世界大戦に追い込む可能性があると警告した。
米国が中国のスパイ気球とされる物体を撃墜して以来、初めて、アントニー・ブリンケン国務長官は18日の夜、ミュンヘンで中国のワン・イー外相と会談し、米国を横切る中国の監視気球の飛行が「二度と起こらないようにする必要がある」と彼に警告した。ブリンケンはまた、北京がウクライナでのロシアの戦争に「物的支援」を提供しないよう要請し、彼はその後、中国が現在、武器をロシアに提供することを「強く」検討していることを示唆した。一方、ワン・イー外相も鋭く反応し、サウス・キャロライナ州沖で大型気球を米軍が撃墜したとき、「無差別な武力行使によって引き起こされた損害を解決する」のは米国次第であると反論した。ブリンケンは19日、CBSニュースのフェイス・ザ・ネーションでのインタビューで、中国がウクライナでの戦争のために、ロシアに武器または軍事援助を提供することを検討していると信じていると述べた。ブリンケンは、それがワシントンとの関係に「深刻な問題を引き起こす」ことになり、益々米中間の緊張は増加すると北京に警告したと述べた。
ニューヨーク・タイムスのコラムニストであるトーマス・フリードマンは19日、NBC のミート・ ザ・ プレスのインタビューで、中国はロシアとウクライナの紛争を「真の世界大戦」に追い込む可能性があると示唆した。フリードマンは、中国とロシアの関係について語り、「第一に、戦争が私たちを束縛し続けるため、中国は戦争の延長を望んでいる。そして、私たちのすべての武器とすべての軍備品は燃え尽きている」と述べた。フリードマンは、中国は「経済的に自国に依存せざるを得ない弱いロシアを望んでいる」が、「崩壊したロシアを望んでいない」と考えていると述べ、ロシアの崩壊(西側がロシアを打破)は、台湾にとって良くない兆候であると言った。また、「中国がそれをした場合、それがどれほど重要になるかを誇張できないと思います。これは真の世界大戦であり、 それはすべてのグローバル市場に影響を与える」可能性があるとし、フリードマンは、四方八方に思考を巡らせていることを示唆した。しかし、米国の武器の在庫が底をついていると言う推測は、米国がどれほど多量の武器を保持しているかを実際に知っている軍事関係者から見ると、かなり誇張であることを示唆している。
気球のサガ(物語)をめぐって、米国と中国の間に亀裂が拡大しているとの懸念が表明されている中で、グローバル地域社会内でも分裂が拡大していると伝えたBBCによると、ミュンヘンで開催された安全保障会議の傍らで、ブリンケンは中国のワン・イー外相と会談した際の土曜日夜のやり取りは「辛辣」であったと述べている。ブリンケンは「私たちの主権のいかなる侵害も支持しない」と述べ、「この無責任な行為は二度と起こしてはならない」と述べた。 一方、ワン・イー外相はこの事件を「米国がでっち上げた政治的茶番劇」と呼び、「あらゆる手段を使って中国を妨害し抑圧している」と非難した。米国が物体の詳細を開示し続けているにもかかわらず、中国はスパイ気球を運用したことを否定し続けている。最終的な結果として、中国や米国を警戒する人々の間で不信感が深まり、立場が硬直化し、ワシントンと北京は、両者間のギャップを埋めることが大幅に困難になったという。論争を超えて、中国とバイデン政権が「お互いに対応した方法は、国家安全保障と地政学的安定に対する事件の影響に世界が取り組むにつれて、綿密な調査の対象になっている」という。
要するに、米国が中国の監視気球を撃墜して以来、両国間の関係は、非常に穏やかではないことを示唆している。また、米国は引き続き、ウクライナでのロシアの戦争に中国が武器を提供する可能性について深い懸念があることを示唆したが、同類の懸念は、以前も何回か表明しており、これが初めてではない。フリードマンが「真の世界大戦」の可能性について中国に警告することは、ロシアが始めたウクライナでの戦争は、専制政治国(ロシア、中国、北朝鮮、イラン)の脅威から切り離された問題ではないことを示唆している。しかし、注目すべき歴史は、1990年の冷戦後も、両国間の相互不信は時々見られるものの、中国と米国は近年、緊密な経済関係を維持しており、その貿易は大幅に拡大している。米国市場に出回る製品は圧倒的にメイド・イン・チャイナである。今回のスパイ気球の件だけで、中国がその重要な経済関係を断つことはあり得ないと思われる。次に、これまで、中国は今月24日で一周年を迎えるロシアによるウクライナ侵略を批判せず、西側によるロシアに対する経済制裁に反対してきたが、中国がロシアに武器を提供したいという希望があったとしても、実際に提供されたという証拠は報告されていない。一方、NATO はロシアが2014 年にクリミアを非合法に併合して以来、武器の装備やその他の支援を含め、ウクライナの軍隊と防衛の改善を支援してきた。その西側諸国の努力がウクライナを非常に強くしている要因であることに疑いの余地はない。