連載1:近年の不法児童労働の実態

By  労働統計局(Bureau of Labor Statistics)

米国では1800年代の初期から、10歳前後の子供達が合法的に労働していた時代があった。近年の子供の不法労働の実態は性質が異なっている。現在、不法労働を強いられている子供達は、主に中央アメリカからの不法移民である。2019年から少なくとも20州で14歳未満の子供達はあらゆる職場で非合法に就労している。

労働統計局が2017年1月に掲載した「米国における児童労働の歴史」は、児童労働改革運動の台頭を通して、南北戦争後の期間に焦点を当て、米国における児童労働の実態を説明している。南北戦争後の期間に産業が成長するにつれて、多くの場合10歳、時にはそれよりずっと若い子供たちが日常的に合法的に働いていた時期があった。彼らは産業だけでなく、小売店、路上、農場、および在宅産業でも働いていた。労働は、子供だけでなく、一般大衆に有益であると認識されていた。 この子供の生産性の理想に沿って、ボルチモア連邦官報の 1802 年の広告では、8 歳から 12 歳までの子供が綿工場で働くことを求めた。ある編集ライターはニューイングランドでは、工場で子供を雇うことの魅力が非常に強いと考えていた。親たちは、そのような雇用の機会が存在しない西部開拓地よりもニューイングランドの入植地を選択するようになった。1820 年までに、ニューイングランド地域の少なくとも 3 つの州で、工場の従業員の 40% 以上は子供で構成されていた。

19 世紀の労働成長において、児童労働の経済的価値が強調され、その根底にあると認識された利益も重要であった。南北戦争後の製造技術の進歩により、子供たちの機会が増え、社会はこの生産能力を活用するようになった。同様に、奴隷の使用によって満たされた生産能力の一部は、解放後の数年間で女性と子供が重要な役割を果たした。19 世紀の終わりまでに、米国最高裁は児童労働に関する訴訟を 1 件も審理したことはなかった。20 世紀の移行時期までに、労働者階級の子供たちの労働は多様化した。農村地域では、14 歳から7 歳未満の少年が鉱山で苦労し、時には文字通り骨の髄まで指を動かし、石炭を砕いた。児童労働は、多くの場合、州の問題であり、児童労働を独自の法律下で対処しており、規制していないか又はほとんど規制していなかった。しかし、産業が発達し、危険な機械の使用が増加するにつれ、職場で負傷又は死亡する事故が多くなった。1910年代から、子供を保護するために、若すぎる児童労働を連邦法で規制または禁止するための論争および改革運動が台頭し始めた。

米国の公正労働基準法は、1938年6 月 14 日に署名され、10 月 24 日に施行された。この法律は14 歳未満の労働を禁止し、18 歳まで危険な労働を禁止している。これは全ての業界に適応されている厳格な法律である。学校に通う16歳までに子供達は登校日の3時間以内に制限されている。労働省によると、連邦雇用規定(児童労働規則第 3 号、29 C.F.R. § 570.35)は、14 歳と15歳の若者が雇用できる時間帯、労働時間数、産業、職業を制限している。

• 授業時間外であること。

• 金曜日を含め、1 日の授業時間は 3 時間以内に制限。

• 学校以外の日に 8 時間以内に制限。

• 学校の授業中は 1 週間に 18 時間を超えないこと。

• 学校が休校中の労働は 1 週間に 40 時間を超えないこと。

• 午前 7 時から午後 7 時まで — 6 月 1 日から労働者の日までの間を除き、夕方の時間が午後 9 時まで延長される。

児童労働規則第 3 号29 C.F.R. §§ 570.33 には、14 歳と 15 歳の就労不可能な仕事の一部がリストされている。 以下は、禁止されている職業の一部の例である。① 彼らは、危険な職務、または輸送、建設、倉庫保管、通信、公益事業を含むほとんどの職業で働くことを禁じられている。② 彼らは、加工、採掘、商品が製造または加工される作業室または職場、冷凍庫、および肉クーラーで働くことを禁止されている。③ 事務用機械以外の動力機械を操作したり、手入れしたりすることはできない。 ④ 大型の高熱装置を利用して何かを焼く仕事に従事できない。⑤ 彼らは、青少年の行商、不動産業に多い看板を路上で振り回す仕事、または訪問販売活動に雇用されることから禁止されている。⑥ 彼らは、梯子、足場、またはそれらの代用品を利用する危険な仕事から禁止されている。彼らは、家禽を捕まえたり、飼ったりするために雇用されてはならない。

ニューヨーク・タイムスが25日に報告した長文の調査報告を以下のように分類し要約してみた。 ⑴ 不法児童労働の歴史的推移、⑵ 近年の不法児童労働の現状、⑶ 不法児童労働を生み出す理由、⑷ スポンサーの実情、⑸ バイデン政権の対応、⑹ 子供達はどこでどのような不法労働に従事しているのか?

不法児童労働の歴史的推移

米国は長年、多くの場合、両親を伴わずに子供たち達が南部の国境を越えることが問題になっている。2008年以来、米国はメキシコ人以外の未成年者が数年かかる移民手続きを経ている間、スポンサーと一緒に暮らすことを許可している。これは反人身売買法に基づいて、メキシコ国境の町に追い返され、一人で取り残される子供たちへの危害を防ぐためである。しかし、2014年頃から、国境に到着する子供の数が増え始め、状況が変化した。主に中央アメリカ出身の子供たちは、コロナウイルスの蔓延によって悪化した経済的絶望に駆り立てられている。この労働力は、ほぼ 10 年間ゆっくりと増加してきたが、2021 年以降爆発的に急増し、子供を保護するためのシステムが崩壊した。米国に入国する同伴者のいない未成年者の数は、2022年に最高130,000人に達した。過去 2 年間だけでも、25 万人以上の子供たちが米国に入国した。

近年の不法児童労働の現状

タイムス紙によると、同紙は、20 州の 100 人以上の移民児童労働者と話をし、彼らは、彼らを疲弊させている仕事と、想像もできなかった状況に閉じ込められたのではないかという恐怖について説明した。また、同紙の調査は法廷と査察の記録、何百人もの弁護士、ソーシャルワーカー、教育者、法執行官へのインタビューを利用して行われた。タイムス紙は60 人以上のケースワーカーとのインタビューで、ほとんどのケースワーカーが保護者のいない移民の子どもの約 3 分の 2 が最終的にフルタイムで働くことになったと独自に推定した。 同伴者のいない移民の子供達は、仕事を確保するために偽の身分証明書を取得することが多い。

現在、移民の子供たちのわずか 3 分の 1 が両親の元に送られている。連邦政府のデータを分析したタイムスによると、大多数は他の親戚、知人、さらには見知らぬ人に送られている。 ほぼ半数は、グアテマラから来ており、貧困が米国への移住を余儀なくしている。親は国境で追い返されるか又はすぐに強制送還されることを知っているので、送金を期待して子供を送っている。これらは、気付かれずに米国に忍び込んだ子供たちではない。連邦政府は彼らが米国にいることを知っており、保健福祉省はスポンサーが彼らを支援し、人身売買や搾取から保護することを保証する責任がある。家から遠く離れたこれらの子供たちの多くは、お金を稼ぐという強いプレッシャーに晒されている。彼らは密輸費用、家賃、生活費のためにスポンサーに借金をしている間、家族に現金を送り返している。(続)

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