連載2:近年の不法児童労働の実態

不法児童労働を生み出す理由

貧困の国であるグアタマラでは、児童労働は珍しいことではない。グアタマラの田舎では児童労働が当たり前で、カロライナは小学 2 年生くらいから働き始めた。彼女は14歳の時、近所の人たちが米国に行くことについて話し始めたとき、参加することを決心した。当時、カロライナは、電気も水もほとんど利用できず、パンデミックが始まった後、食べ物さえ満足に買うことができない中で、健康を害し始めた祖母と二人きりで暮らしていた。自分の村にこれ以上留まることができないという気持ちが強かった。何とかやっていけるように見えるのは、米国の親戚からの送金で生活している家族だけであった。グアタマラを離れたとき、彼女は自分が何に向かっているのか想像さえできなかった。2022年にカロライナがミシガン州のグランド・ラピッズに到着したとき、スポンサーのラミレスは毎朝学校に行くよう彼女に言い、ハースサイドで夜勤をするように勧めた。カロライナが祖母に送金する必要があることを知っていた彼女は、若者が働くことは良いことだと信じていた。

ケビン・トーマスは13 歳のときに 7 歳の弟と一緒にグランド・ラピッズに到着した後、スポンサーのフォージを通して仕事を探したと言った。最初、フォードやゼネラル・モーターズの自動車部品を製造する地元のメーカーに派遣された。しかし、彼のシフトは朝の 6 時 30 分に終わるので、彼は学校で起きていることができず、重い箱を持ち上げるのに苦労した。ケビンは 「私たちがこれらの仕事をしたいというわけではありません。 家族を助けなければならないということです」と言った。

スポンサーの実情

スポンサーは移民の子供たちを学校に通わせる必要があり、一部の学生は授業と重い仕事をこなしている。 他の子供たちは、スポンサーに惑わされて学校に入学できない場合がしばしばある。また、昨年、経済的利益のために子供を米国に密輸した罪で有罪判決を受けた人々がいる。ペンシルベニア州では、1 人のケースワーカーがタイムスに他の 20 人の未成年者のスポンサーを申請した男性に解放された子供の様子を見に行ったと語った。その少年は姿を消した。テキサス州では、別のケースワーカーが、グアタマラの貧しい家庭を標的にして、国境を越えて子供たちを送れば、裕福になるのを助けると約束していた男性に出会ったと語った。 その男性は13人の子供たちのスポンサーになった。多くの移民の子供たちは両親によって米国に送られているが、児童労働から利益を得ようと計画している成人によって説得されて来る子供たちもいる。そして、スポンサーになる人物はソーシャル・メディアに投稿することで、子供達を勧誘する場合もある。

ネリー・カツァルは13 歳の時、フェイスブックを通してスポンサーに出会った。ネリーがフロリダに到着すると、彼は 4,000 ドル以上の借金があることを知り、自分で住む場所を見つける必要があった。彼のスポンサーは脅迫的なテキスト・メッセージと新たに作成した借金のリストを送信した。そのリストには、米国の保健社会福祉省(HHS)への申請による事務処理料金に140ドル、ウォルマートの服の費用に240ドル、メキシコ料理タコの夕食代に45ドルを請求し、「私を悩ますな。おまえは私にとって何の意味もない」と書いた。ネリーは支払いをするために、パームビーチ近くにある流行のメキシコ料理レストランで、ほとんどの夜、午前 3 時まで働き始めた。ネリーはタイムスに「彼は私が学校に行けるようになるし、世話をすると言ってくれましたが、それはすべて嘘でした。」と語った。彼の父レオネル・カツァルは、一連の不作の後に貧しくなり、長男をグアタマラから米国に送る以外の方法はなかったと言った。彼は息子の送金が「50ドルであっても、それは大きな助けになる。そうでなければ、食べない時もある」と語った。 彼は、ネリーがどれだけ働かされるのか理解していないが、「彼はとても若くして、幾つかの困難な瞬間を経験したと思います。」と言った。

バイデン政権の対応 

南部の国境に殺到する子供達が益々増加し、多くの子供たちが到着するにつれて、バイデン政権は、子供たちを避難所から迅速に移動させ、成人に解放するよう職員に要求するようになった。ケースワーカーは、スポンサーの審査を急いでいると述べている。HHSは、子供たちがスポンサーとの同居を開始してから 一ヶ月後に、すべての未成年者に電話でチェックしたところ、タイムスが入手したデータは、過去 2 年間で 85,000 人以上の子供たちに連絡できなかったことを示した。この機関は、総体的に移民の子供の 3 分の 1 と接触する機会がなかった。HHSの広報担当者のカマラ・ジョーンズは、政府機関が子供たちの幸福のために子供たちを迅速に解放したいと考えており、安全性を損なうことはなかったと述べた。ジョーンズは、スポンサーとの同居が「子供の最善の利益になるように継続的に保証するための、手続きを行う場所は多数あると述べた。連邦政府は児童福祉機関を雇って、リスクが高いと見なされる一部の未成年者を追跡している。しかし、これらの機関のケースワーカーは、HHS が労働搾取の明らかな兆候を定期的に無視していると述べたが、当局は異議を唱えた。声明で「すべての従業員は 18 歳以上でなければならないという当社の長年の要件をすべての仲介当局が厳格に遵守することを強化するため、追加の管理をただちに実施する」と述べた。

現在、避難所は大幅に満員であり、子どもたちは税関・国境警備局が運営する刑務所のような施設にとどまり、最終的にテント村に滞在している。ホイルを被り、体育館のマットで寝ている子供たちの画像はメディアの注目を集めた。バイデン政権は、より迅速に子供たちを避難所に移動させることを約束した。ザビエル・ベセラ保健福祉長官は 「責任あるスポンサーがいるなら、私たちの世話で子供が衰弱するのを見続けたくありません」と、2021年に議会に語った。HHS はその世話のためのプロセスを通過する子供の約 3 分の 1 に通常わずか四ヶ月間、避難所に滞在できるサービスを提供している。他の何万人もの子供たちは、全国ホットラインの電話番号をほとんど知ることはなく、スポンサーに送られている。スポンサーが子供たちを不法に働かせていないことを確認するための、連邦または地方の機関からの正式な確認方法はないとタイムスは伝えている。

子供達はどこでどのような不法労働に従事しているのか?

*フロリダとテネシー州では12 歳の子供達が屋根職人になっている。

*デラウェア、ミシシッピー、ノース・キャロライナの3州では未成年の労働者が食肉処理場で働いている。

*サウス・ダコタ州では交代制でのこぎりを利用し、木の板を切る仕事をしている。

*多くの町で、子供たちは夜遅くレストランで皿洗いをしている。

*バーモント州で、子供達は搾乳機を運用している。

*ニューヨーク州ニューヨーク市では食事を配達している。

* 彼らはある農園でコーヒーを収穫している。

*ハワイ州では別荘の周りに溶岩の壁を作っている。

*バージニア州では、13 歳の少女たちがホテルのシーツを洗っている。

*カリフォルニア州のロサンゼルスでは、子供たちが「アメリカ製」のタグを J. Crew のシャツに縫い付けている。

*彼らは、ウォルマートとターゲットで販売されているディナー・ロールを焼いたり、ベン & ジェリーズのアイスクリームに使用される牛乳を加工したり、ホール・フーズで販売されているチキンの骨を取り除いたりしている。

*アラバマ州では昨年の秋、中学生たちはフルーツ・ オブ・ ザ・ルームと呼ばれるブランドのソックスを生産する仕事に従事した。

*ミシガン州で、子供たちはフォードやゼネラル・モーターズが使用する自動車部品の生産の仕事を行なった。

最後に、タイムスの報告の中で、最も気になった点は、スポンサーになるための条件である。HHSの2月1日の更新によると、「親または法定後見人が同伴していない子供が入国管理局によって逮捕された場合、難民再定住局 (ORR) は、保護者のいない子供たちが移民手続きを待つ間、通常は家族のいるスポンサーが提供する安全な環境に解放されるまで、食事を与え、保護し、医療を提供することを義務付けている。多くの州に住んでいるスポンサーは、子供の身体的および精神的健康を提供するのに適した大人であり、子供に潜在的なリスクを示すような活動に従事していないことが条件である。すべてのスポンサーは身元調査に合格し、将来のすべての移民手続きで、子供の滞在を保証することに同意し、入国審査官が退去命令または自主出国命令を発行した場合、米国からの退去のための ICE への未成年の報告を保証することに同意する必要がある。

要するに、米国の児童労働は1938年に法律が制定されるまで、合法的であるだけでなく、米国の経済にとって、子供達は重要な役割を果たしていると認識されていた。近年の児童労働の問題は、主に中央アメリカからの子供達が主な注目の中心になっている。バイデン政権は、亡命の性質があるこれらの子供達を世話するスポンサー・システムを採用し、子供たちの住まいの確保と教育の機会を与えることで、追放するより遥かに安全な環境を提供している。また、州との連携をとりながら、保護者のいない子供達に対する人身売買の危険から保護するために注意を払っているものの、ほとんどスペースがない中で、完璧に対処することは困難であることを示唆している。中央アメリカからの子供達の激増は、バイデン大統領の就任初期に政治的危機を引き起こし、書類のない子供達の問題が最も頭痛の種になっていることは確実である。不法移民に対するトランプ政権の「ゼロ許容」政策を引き継いだバイデン政権に対して、一部の共和党は、バイデン大統領の不法移民の対処を批判したが、これらのほぼ全ての現状を知った時、これは、単なる移民政策を超えたグローバル的な問題であることを示唆している。

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