バイデン大統領が25日に2024年の大統領選で二期目に挑戦すると発表した日、トランプに対する性的暴行および名誉毀損訴訟の民事裁判が開始された。ジョージア州フルトン郡の地方検事ファニ・ウィリスは、選挙転覆の試みにおける捜査の結果として、夏に前大統領ドナルド・トランプを告訴するかどうかを公表すると発表した。実際には、告訴の準備を開始したことを示唆している。同日に公開された合同世論調査で、共和党有権者の27%はトランプが有罪になっても、彼に投票する可能性があることを示唆した。
名誉毀損訴訟の裁判は、1990年代にニューヨークのデパートの更衣室でトランプが作家E.ジーン・キャロルをレイプしたと主張した訴訟に関連している。他に十数人の女性がトランプを性的暴行で告発していた。ニューヨーク・タイムスが25日に掲載した記事によると、キャロルの弁護士ショーン・クロウリーは25日、マンハッタンの陪審員団に対し、ドナルド ・トランプが 約30 年前のある晩、デパートの楽屋で彼女の依頼人を激しくレイプしたと語った。この事件は、恐怖と恥のために長い間秘密にされてきた。クロウリー弁護士は連邦地方裁判所での裁判の冒頭陳述で、陪審員に「攻撃全体はほんの数分続きましたが、それは永遠に彼女の心に残りました。」と述べた。また、クロウリー弁護士は、この事件はキャロルが「汚名を晴らし、正義を追求し、人生を取り戻す」チャンスであると語った。
この裁判は民事訴訟であるため、陪審員がトランプに責任があると判断した場合、賠償金を支払う事になる。また、裁判も刑事事件とは異なり、二週間程度で終わる可能性がある。キャロルはDNAの証拠を保持していると言われているため、トランプはこの裁判で敗北する可能性が高い。彼は、彼女によるレイプの主張を拒否している。それを断言できるのであれば、DNAを提供するだけで、その無罪を証明できるが、トランプは、DNAの提供を拒否しているようである。その一方で、キャロルの話は虚偽であると主張している。都合の悪いことを「魔女狩り」として否定するのはトランプの戦略であるようだ。
トランプに対する次の告訴は、ジョージア州で選挙結果を転覆しようとした刑事事件である。バイデン大統領が2024年の再選に挑戦することを公式に発表した同じ25日に、複数のメディイアが同州フルトン郡の検事事務所はトランプを告訴するかどうかを夏に決定すると伝えた。最初24日に報告したアトランタ・ジャーナル憲法によると、フルトン郡地方検事のファニ・ウィリスは、フルトン郡保安官事務所に宛てた24日の書簡で、法執行機関に今後数か月でセキュリティを強化するよう求め、7 月 11 日から 9 月 1 日までの間に告発が発表されると述べた。ウィリスは、フルトン保安官のパトリック・ラバットに対し、「保安官事務所の準備を整え、地方、州、連邦機関と調整して法執行機関が国民を保護できるようにするための十分な時間を与えるための通知として、この通信を受け入れてください。」と書いた。また、同様の手紙は、アトランタの警察署長であるダリン・シールバウムと、アトランタ・フルトン郡緊急事態管理局のディレクターであるマシュー・カルマイヤーに手渡された。ウィリスは「ここ数年、私たちが保護すると誓った人々の安全を危険にさらす暴力行為に従事するために、修正第一条によって保護されている公的意見の表明の外に出る人がいるのを見てきました。リーダーとして、準備することは私たちの義務です。」と書いている。
そのような状況下で、トランプの2回目の大統領職に関して、25日に公開されたNPR/PBS ニュース/マリストの3つの機関の全国合同世論調査は、総体的に大多数のアメリカ人は、彼が再度大統領になることを拒否した。「あなたは再びドナルド・トランプが大統領になることを望みますか?」との質問に対して、「イエス」と答えた率は34%で、ノーと答えた率は約2倍の64%である。党派的には民主党有権者の92%、無所属の有権者が68%、共和党有権者の27%が「第 2 のトランプ政権を望んでいない」と答えている。一方、共和党有権者の 71% を含む米国住民の 34%は、トランプのホワイトハウスへの復帰を望んでいる。共和党支持者の27%は、たとえ犯罪で有罪判決が下されたとしても、トランプが再び大統領になることを望んでいる。アメリカ人の 58%は、ニューヨークの大陪審が彼に対して提起した刑事告発を考慮して、トランプは 2024 年の大統領選挙から脱落すべきだと考えている。大統領選への出馬を継続すべきだと答えた率は41%である。民主党有権者の 87%と無党派層の 58% は、彼が辞任すべきだと考えているのに対し、共和党の 77% は彼が選挙戦に留まるべきだと考えている。
要するに、トランプにレイプされたとするキャロルの名誉毀損訴訟は、約30前の事件であるため、スタチュー・オブ・リミテイション(民事法制度で規定されている時効)の影響があるもの、現在も続いている精神的苦痛を消すためであることがこの裁判の主要点である。彼女が「人生を取り戻す」と言った意味は、トランプがレイプについて嘘を語り続けたため、彼女の評判を損なったことが訴訟の主な理由である。従って、彼女が勝利すれば、長年の心の傷が癒されるという意味がある。ドナルド・トランプは、複数の犯罪捜査の結果として、告訴される可能性が高くなっている。フルトン郡の地方検事が複数のセキュリティ当局に手紙で、トランプに対する告訴が暴動に発展しないよう、事前に準備するよう求めたことは、実際に告訴するという重大な決定があることを強く示唆している。今後数か月でセキュリティと準備を強化する必要があることを喚起した手紙を提供したウィリスは、トランプの名前を挙げていないが、彼女の告訴には、トランプと彼の同盟者の幾人かが含まれているようである。そのような状況でも、トランプの強固な支持者は、彼が有罪になっても、再びトランプの大統領職を望んでいる。しかし、現在トランプは、複数の捜査と煩雑な裁判に直面し、キャンペーンを悠々と気楽に実施できる状況ではないように見える。