温暖化対策を政府と議会に求める有権者が驚異的に増加

Photo credit : AP (Paul Kazdan

Climate Disasters Daily? Welcome to the ‘New Normal.’

The New York Times :  July 10, 2023

米国はほぼ全ての地域で危険な洪水、暑さ、嵐がより頻繁に発生している。イエール大学の世論調査は、圧倒的多数の有権者が、気候温暖とクリーン・エネルギーを政府と議会が優先すること、温暖化の原因になっている空気汚染を減少させる政策、保存と修復政策、気候に優しいエネルギー生産及び配電インフラの構築を支持する有権者が増加した。数年前と比較して、気候変動は人間の活動が起因であることを認める人々が大幅に増えたことを示唆した。

この記事は、米国がほぼ全ての地域で危険な洪水、灼熱、嵐がより頻繁に発生していることを伝えている。7月10日の今日、ニューヨーク州のハドソン渓谷では壊滅的な洪水が発生し、一日中さらに豪雨が予想されていたため、北東部では大雨で道路が流され、避難を余儀なくされている。バーモント州でも驚異的な大洪水が発生し、アリゾナ州フェニックスでは、上空で容赦ない熱さに悩まされ、フロリダ州マイアミ沖の海水温は華氏90度に達し、デラウェア州では珍しい竜巻が発生した。10年前、これらの出来事はいずれも異常事態(an aberration)であったが、最近では、異常が正常化し「我々の新しい日常(our new normal)」と呼ぶようになった。

タンパの WFLA ニュースの気候専門家で主任気象学者であるジェフ・ベラルデリは、「それは単なる想像の産物(a figment of your imagination)ではありませんし、今では誰もがスマートフォンを持っているからでもありません。異常気象が増加しています。これは疑いもなく起こっていることです。」と言った。さらに過激になる可能性が高い今年、太平洋で発生している強力なエルニーニョにより、大気中にさらに熱が放出され、世界中でさらに厳しい天候が発生する恐れがある中で、ベラルデリは 「今年は、現代史では見たことのないようなことが地球上で起こる」と予測した。気候災害がより一般的になるにつれて、それらは衝撃的な価値(shock value)を失い始める可能性がある。2019年の研究では、人々はわずか2年で異常気象を普通のものとして受け入れることを学ぶと結論付けている。

米国海洋大気庁のデータをクライメート・セントラルが分析したところによると、米国では被害額が10億ドルを超える気象災害が増加している(are on the upswing)。1980 年には、数十億ドル規模の災害(billion-dollar disasters)が発生するまでの平均期間は 82 日であった。 2018年から2022年にかけて、インフレを調整したとしても(even controlled for inflation)、これらの最も極端な出来事の間の平均期間はわずか18日であった。クライメート・セントラルの主任気象学者バーナデット・ウッズ・プラッキーは「気候変動により、これらの現象は新たなレベルに押し上げられています。以前のように、回復のための休みはありません」と述べた。

米国民はこの現状を明白に理解している。イエール大学が今年春に報告した気候変動に関連する世論調査によると、米国の大多数の有権者は、政府が気候温暖化とクリーン・エネルギーを優先事項にするべきだとし、登録有権者の 54% は、地球温暖化は大統領と議会にとって最高または非常に高い優先事項であるべきだと答えた。登録有権者の 66% はクリーン・エネルギー源の開発は高い水準、または非常に高い水準であるべきだと述べている。また、地球温暖化の原因となる汚染を削減するための政策として、登録有権者の大多数は、炭素汚染を削減し、クリーンを推進するためのさまざまな政策を支持している。79% は再生可能エネルギー源に関するさらなる研究への資金提供を支持している。エネルギー効率の高い自動車やソーラー・パネルを購入する人々に税還付を提供することを 76% が支持している。低所得地域に、もっとエネルギー効率が高くなる住宅を建設するための連邦資金の提供を 76% が支援している。低所得地域の人々を訓練するための国家プログラムの開発及び再生可能エネルギー産業(風力や太陽光など)における新しい仕事を求める有色人種地域社会への国家プログラムを75% が支持している。

さらに、74% が汚染物質としての二酸化炭素の規制を支持している。 71% は石油やガスの代わりに、電気で作動するヒートポンプと誘導ストーブのような電化製品の購入を奨励するために税額控除やリベートを提供することを支持している。化石燃料会社が生産し、使用した炭素に対して税を支払うよう求め、他の税金を同額だけ減らすため、そのお金を利用することを68%が支持している。66% が2035年までに電力会社に電力の 100%を再生可能エネルギーから生産することを要求している。加えて、 登録有権者の大多数はさまざまな保存および修復政策を支持している。82%はさらに多くの炭素を吸収し貯蔵できるよう、土壌を保護し修復するための慣行を農家が改善するための連邦資金を支持している。81%は低所得地域社会や有色人種地域社会でより多くの公園や緑地を作ることを支持している。

実際のところ、ここ数年前からほぼ毎日、どこかで洪水、異様な竜巻、山火事による災害、高熱などの異常気象が報告されている。7月10日、ニューヨーク州コーンウォール近郊のハドソン・バレーにある国道32号線沿いで崩壊した道路に損傷した車が横たわっている衝撃的な写真をAP通信が公開した。数年前まで、これほど、包括的な気候変動の取り組みを支持する世論はほとんどなかったが、米国市民は、これらの災害が深刻であり、その悲惨な影響を身近に感じている人々が増えたことを示唆している。イエール大学の世論調査では、半数以上の登録有権者は、地球温暖化に対処するため、誰がもっとも行動を起こすべきかとの質問で、企業および業界 (70%)と答えた率がもっとも多く、次に米国議会 (63%)、三番目に共和党 (62%)であり、民主党(55%)、次にバイデン大統領(54%)、自分自身(47%)と答えた率は一番低かった。しかし、この調査では、登録有権者の過半数(57%)が、太平洋沖の石油と天然ガスの海洋掘削拡大を支持していることから、再生可能なクリーン・エネルギーを支持しながらも、まだ電気車に完全移行するまでには、時間がかかるため、化石燃料を完全に廃止することは出来ない現状について理解していることを示唆した。特に、バイデン大統領は昨年3月、ロシアのウクライナへのさらなる侵攻に対抗して、米国によるロシアからの石油、石炭、天然ガスの輸入を禁止する措置を講じたため、米国民は、石油価格が高騰するという厳しい体験をしているためであることを示唆している。

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