保守派の法的攻撃により誤情報阻止の努力は弱体化?

保守系の政治家は、彼らの意見がツイッターを含む主要なソーシャル・メディアに検閲されていると主張し続けてきた。一方、情報環境がオンラインに移行した中で、民主主義のプロセスに有害なオンライン行為から選挙を守るために2020 年に設立されたEIP(Election Integrity Partnership)または選挙道義パートナーシップと呼ばれる超党派の連合機関は、研究地域社会、選挙管理者、政府機関、市民社会組織、ソーシャル ・メディアなどに権限を与えた。この組織は、政治および医学の分野で、国内および国外の誤情報の敵と戦う必要がある複雑な状況下に置かれている米国政府を援助している。

スタンフォード ・インターネット監視団とワシントン大学情報提供者センターが主導する2022年の取り組みは、証拠なしに選挙結果を非合法化することも含めて、EIPは選挙期間中だけに限らず、選挙の正当性に対する国民の認識が形成され続ける選挙後も民主主義のプロセスに明らかに有害である課題に焦点を当てている。EIPは、選挙結果やワクチンなどの医療分野で虚偽の情報を広めるソーシャル・メディアの対抗に力を入れている。ワシントン・ポストの23日の報告によると、オンラインでエスカレートしたキャンペーンを先導している人々は、20日下院司法委員会の公聴会で、司法省の長官メリック・ガーランドを集中攻撃した同委員会の委員長ジム・ジョーダンと議会および州政府の共和党議員らである。

政府の学者や科学者らは、このエスカレートしたキャンペーンは、ロシアがソーシャル・メディアを通して、2016年の選挙に介入しようとした後に拡大したオンライン上の虚偽を研究する長年の取り組みも抑制することに成功していると述べている。ポスト紙によると、共和党下院議員のジム・ジョーダン(オハイオ州)は、バイデン政権と巨大ハイテク企業が共謀しているという疑惑に基づいて、大規模な議会調査を実施しており、その調査の一環として、召喚状を発行し、研究者らと政府およびソーシャル・メディア・プラットフォームとのコミュニケーションの情報を要求したという。

一方、選挙関連の誤った情報を追跡し続ける方法を議論している数人のスタンフォード大学当局者らは、2020年と2022年の投票に関するソーシャル・メディアの陰謀を告発した著名なコンソーシアムであるEIPを通して、彼らが訴訟に直面しているとワシントン・ポスト紙に語った。参加者は、 偽情報研究者の連合は縮小する可能性があり、調査結果について X (元ツイッター)および Facebook とのコミュニケーションを停止する可能性があると語った。国立衛生研究所(NIH)は、規制や法的脅威を理由に、医療情報の伝達促進を目的とした1億5,000万ドルのプログラムを凍結した。医師らは、保守派の主張の焦点となっているワクチン接種を政治化した問題だけでなく、栄養ガイドラインなど議論の余地のないテーマに関するプロジェクトに資金を提供するために助成金を使う計画だったとポストに語った。

選挙の虚偽情報のソーシャル・メディアでの拡大は2016年以来、グローバル的に深刻な問題の一つである。ロシアと中国は、秘密の影響力キャンペーンを強化しているという証拠が増えている中で、ソーシャル・メディア・プラットフォームはコンテンツの適度化政策を撤回しているという。来週、偽情報監視団体のニューズガードは、イーロン・マスクが政府関連と称するラベルを削除した後、ロシア、中国、イランの12の主要メディア・アカウントで「X」への「いいね!」と再投稿の数がほぼ2倍になったとの調査結果を発表する予定である。加えて、人工知能の進歩によって、さらに広範な有権者を操作する可能性への扉は開かれたとポスト紙は伝えている。  

また、政府が保守派の意見を抑制していると主張している組織や個人は、2022年5月に、バイデン政権が憲法修正第一条の言論の自由に反しているとして、訴訟を提起した。非営利法および公共政策研究所のブレナン・センターによると、ミズリー対バイデンと呼ばれるこの訴訟は、現在も未解決である。ミズリー州とルイジアナ州の司法長官は、多数の一般市民の原告と共に、連邦政府職員が「強制」または「重大な行為」によって、プラットフォームからコンテンツを削除または降格するようソーシャル・メディア企業に奨励しているとして、ルイジアナ州西部地方裁判所に訴訟を起こした。それらのコンテンツは、新型コロナウイルス感染症、パンデミックの起源、マスク着用とワクチンの有効性、郵便投票の安全性、2020年大統領選挙の完全性などについてである。そして、2023年7月4日、連邦地方裁判所の判事は、幅広い連邦政府職員が特定の目的でソーシャル・メディア企業と通信することを禁止する仮差止命令を発行した。同組織と公民権団体の弁護士らは、第5巡回裁判所に法廷準備書面を提出し、差し止め命令は地域社会を脅かす選挙に関する偽情報について公民権団体が当局者と連絡を取る権利を妨げていると主張した。この結果、法的挑戦は現在米国最高裁にまで到達している。最高裁の保守派判事サミエル・アリートは、両当事者がさらに議論を可能にする為、その命令を9月23日まで一時的に保持した。

最後に、ソーシャル・メディアは多数の側面で企業や人々に利益をもたらし、自由にコミュニケーションができるため、様々な情報を共有し、直接繋がっているという大きな利点がある。しかし、デジタルではすべてがテキストで伝えられるため、感情的な絆は妨げられる場合もある。近年、ソーシャル・メディアのプラットフォームは、正確性、繊細さ、真実性に欠けた情報が氾濫しているため、精神的に有害な場合があり、それは特に十代および若い世代にインパクトが大きいと言われている。ソーシャル・メディア企業は政府の規制に頼ることなく、彼らのビジネス方針に基づいて、過剰な虚偽や極端な誤情報を抑制する権利があるものの、保守派は、彼らのコンテンツがリベラル寄りのハイテク業界によって、制御されているか又は、彼らの言論の自由は間接的に政府に抑圧されていると考える傾向があるようである。政府は、言論の自由の権利が極端に間違った方法で利用され、それが国の秩序を乱し、暴力に発展する危険性がある極端な状況下で緊急宣言を行い、コンテンツの排除を命令することができる。そのような暴力的および脅迫的なメッセージを取り締まる司法省またはFBIでさえ、稀に脅しを受ける場合もある。それはアメリカ社会の一部の実像を示しているかもしれない。

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