前大統領は免責の判定を控訴裁判所に控訴

前大統領ドナルド・トランプは12月1日のDC地方裁判所の判事が彼には免責はないと判定したため、7日控訴裁判所に控訴したことが報告されている。案の定、トランプは再度裁判を遅らせる手段を選択している。彼は、2021年1月6日の米国議事堂での反乱と選挙結果の転覆に関連する連邦刑事事件で8月に告訴された。この控訴によって、来年3月からの裁判を大幅に遅らせるか又は、裁判がキャンセルになることを目指しているようである。40年以上の弁護士歴があり、米国下院議会の顧問を務めた経験がある専門家は、控訴に続く次のステップは、米国最高裁に上訴することであるが、最高裁は裁判と2024年の選挙前には対処しないと予測した。

連邦地方裁判所の判事ターニャ・チュトカン判事は12月1日、連邦政府の2021年1月6日の議会選挙手続きの妨害に関与し、アメリカの選挙権を剥奪した罪で4件の起訴状に直面した前大統領トランプには、告訴から保護される免責はないと判定した。トランプと彼の弁護士らは大統領にはその免責があるとしてこの告訴を取り下げるよう求めたが、チュトカン判事は、そのような免責を否定し、大統領の要請を却下した。彼女は意見書で「憲法で保護されたトランプの政治的候補者としての言論と擁護の権利を不当に犯罪化しようとするものであるため、起訴は決して提起されるべきではなかったとする別の異議申し立て」を却下した。

そして、トランプと彼の弁護士はこのチュトカン判事の判定に対して、7日に米国コロンビア特別区巡回控訴裁判所に控訴書類を提出した。ワシントン・ポストの7日の報告によると、トランプの弁護団は、連邦特別検察官ジャック・スミスによる告訴は2つの理由から取り下げられるべきだと主張している。その一つは、「大統領特権があった」と主張している。 次に、彼らは、トランプ大統領が暴動を扇動した「2021年1月6日の選挙人団の投票の正式集計に至るまでの行為」に対して、米国上院議会の裁判では「すでに無罪判決を受けているため、選挙結果を阻止しようとした罪でトランプを告発することは二重の危険の法原則に違反する」と主張している。「控訴裁判所では、刑事事件の裁判が行われ、判決が下されるまで、ほとんど法的問題は考慮されない。しかし、免責と二重の危険の問題は例外であることが多い。なぜなら、被告が起訴されるべきではないという主張が正しい場合、裁判所は被告に裁判を受けることをまったく強制すべきではないと判断している」ためである。「多くの弁護士は、法廷がトランプの訴訟のこうした側面に取り組まなければならないだろうと信じている」という。

従って、トランプの控訴は、最終的に米国最高裁に行く可能性が高い。そのような状況になった場合、3月4日に始まり、3ヶ月間の裁判が予定されている当初のスケジュールは、かなり遅れる可能性があり、それはトランプが望んでいる通りになる。7日夜にトランプの弁護士は控訴裁判所に書類を提出したため、法律アナリストらは3人の判事らが審理を行う期間に「裁判に進むことはできない」と述べた。米国コロンビア特別区巡回控訴裁判所の3人の判事が、早急に判定を下し、チュトカン判事の判定を保持した場合、トランプは米国最高裁に上訴することはほぼ確実であると予測されている。しかし、元大統領が告訴されるという前代未聞のケースであるため、控訴裁判所がどれほど時間をかけるかは予測困難であるという。

一方、一部の専門家は、米国最高裁がトランプの上訴を却下すると予測している。2018年から2023年まで下院法務顧問を務め、その前は司法省民事局の部長を務めたダグラス・レターは「DC巡回裁判所は非常に早く進む可能性がある。45年以上の実務でそれを学んだ」と語った。 「その一方で、例えあなたに有利な判決を下したとしても、短い意見であっても発表するまでに10か月かかることもあります」と述べた。レターは「最高裁判所が『今はこの問題には近づきたくありません。現時点では審査を拒否し、3月からの裁判で何が起こるか見てみるつもりです』と考えているのは容易に想像できます」と述べた。裁判の結果、トランプが有罪判決を受けて大統領に再選されなかった場合、最高裁は時間をかけてトランプを訴追から免除すべきかどうかの歴史的な判決を下す可能性がある。そうでない場合、米国の有権者は、トランプが2020年の選挙結果を覆そうとした「刑事的責任があるかどうかを知ることなく、2024年の選挙に投票する」必要に迫られるからである。

1月6日の選挙転覆の努力に基づく米国議事堂の反乱に関連する3月4日からの裁判は4つの告訴の中で、最初であるため、トランプは、選挙のタイミングに最も悪影響があることを恐れていることを示唆している。彼は、7月にミルウォーキーで開催される共和党全国大会で共和党候補者として指名されることを予期し、少なくともこの時期まで裁判を遅らせることが可能であれば、彼が指名された後の裁判は困難になるとの楽観的希望に基づいて、タイミングが極度に悪いこの裁判を遅らせるだけでなく、場合によっては、裁判を永久に凍結する可能性を求めていることを示唆している。控訴裁判所は、告訴に対する免責がトランプにあるかどうかを判定する際、おそらく慎重であると考える。特に、免責があると判定した場合、全ての裁判に影響を与える可能性があるからである。また、任期がわずか二週間残されたトランプにそれを認めた場合、他の民主党大統領にも同じ権限を与えることになる。これは、大統領の権限を制限しようとしたチュトカン判事の判定とは反対方向である。大統領の権限の拡大は権威主義傾向のある大統領を更に助長することになる。トランプは、大統領の特権や免責を繰り返し主張している。いずれにしても、ダグラス・レターが米国最高裁は今の時期に、トランプのケースに関与することを望んでいないと公的に予測したことは注目に値する。

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