前大統領の再選はグローバル的脅威?

欧州諸国とNATOは、11月の大統領選でドナルド・トランプ前大統領が再選される場合の最悪のシナリオに備えて、ロシアの大統領ウラジミール・プーチンに自ら対抗する計画を立てているという。地政学的にロシアとの国境に近いバルト国の一つであるエストニアを含めて、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンなどの国は現在、緊張があることを示した。

ソビエト帝国が解体した後のプーチンの野望は、ソビエト帝国を再構築することであった。ロシアは1994年 から1997 年までの 最初のチェチェン侵略による戦争、1999 年から 2000 年まで2回目の戦争が起きた。2008年にジョージアと南オセチアを占領し、2014年には「ウクライナ分離主義者を支援」してクリミアを併合し、2022年に「最も衝撃的なウクライナへの全面侵攻」に突入した。現在、ウクライナへの米国の援助が衰退した中で、果てしない理想を描き、実際に行動を起こしているプーチンに敬意を表しているトランプ氏がホワイトハウスに戻った場合、NATOの存在はどうなるか?2017年から4年間の就任中、NATOから離脱することを目指していたトランプ氏が共和党大統領に指名され、11月に勝利した場合の最悪のシナリオは、NATOの生存の危機であるとニューヨーク・タイムスは説明している。

つまり、過去にNATO離脱を誓い、最近では「彼の同盟国には援助が来ない」と脅迫したトランプの台頭により、プーチンがNATOを侵略する可能性があるとの懸念が欧州諸国の間で高まっているという。今後10年間、米国の支援なしに、プーチンの軍隊と対峙しなければならない」との緊張感があるという。一部の当局者や専門家らは、ウクライナ戦争終結後のわずか5年以内にそれが起こる可能性があり、ロシア政府が軍を再建し再武装するには十分な時間があると考えているという。ロシア侵攻の可能性について、エストニア陸軍戦闘師団の指揮官ヴェイコ・パーム少将は、12月のインタビューで「これが我々の存亡に関わる唯一の脅威ではないかと常に疑っていました。過去数年間で、軍事同盟としてのNATO、多くの国が大規模作戦を実施する準備ができていないことも非常に明確になりました。つまり、単純な言葉で言えば、多くのNATO軍はロシアと戦う準備ができていないということです。だから、安心できないのです」と語った。パーム将軍は、ソビエトが崩壊しつつある事態に警鐘を鳴らし始めた1991年にエストニアがソ連からの独立を宣言したことを語った。

ここ数カ月、プーチンによるロシア経済の軍事化と軍事/兵器産業への巨額支出増によってさらに拍車をかけている一方で、欧州は米国議会一部の共和党議員がウクライナへの援助を制限しようとしていることを懸念している。ウクライナの大統領ヴォロディミール・ゼレンスキーは今月世界経済フォーラムで、「これがウクライナだけのことだと思っている人がいたら、根本的に間違っています。ウクライナを越えた新たなロシアの侵略の可能性が益々明らかになっています」と警告した。NATOは、ロシアが最初にウクライナに侵攻した2014年以来、加盟31カ国すべての国境を保護する用意があると主張しており、これら加盟国は国防支出を合計約1,900億ドル増加させているという。

ワシントンの大西洋評議会の大西洋横断安全保障イニシアチブの責任者クリストファー・スカルバは、不屈の防衛者2024と呼ばれる「ステッドファスト・ディフェンダー(2024年に向けたNATOの主要で大規模な多国籍実地演習)」として知られるNATO演習は、同盟国が遅かれ早かれ、ロシアに侵攻される可能性があるという懸念の「最高潮」に達している理由の一つにすぎない と述べた。スカルバは、昨年夏のウクライナによる西側諸国の反撃に直面したロシアの回復力は、プーチンが「長期的に粘り強く行動する」ことを示しており、3~5年以内に経済と人口を軍の再建に向け直すことができることを示していると述べた。そして、トランプ氏がホワイトハウスに復帰する見通しにより、欧州諸国は、米国のウクライナへの支持、あるいはNATOにおけるウクライナの指導的役割さえ、来年大幅に削減される可能性を認識せざるを得なくなっていると述べた。

ノルウェー軍最高司令官エイリック・クリストファーセン大将は1月21日のインタビューで、予測不可能なロシアに対する防衛を構築する「時間が不足している」と警告した。彼は「現在、おそらく1年、2年、3年は続く可能性がある期間に安全な防衛のためにさらに投資する必要がある」と語った。同日、フィンランドの大統領サウリ・ニーニストは、ステッドファスト・ディフェンダーのシナリオの一つが、ロシアのフィンランド侵攻にNATOがどのように対応するかを試すことになるとの報道を受けて、懸念を静めようとした。ニーニストは全国ラジオ番組で「数十年にわたって行われた戦争ゲームは、どれも実際に行われたことはなかった。ここで過剰反応するつもりはありません」と語った。両国はロシアの侵略に対する緊張を理由に長年にわたる軍事的不一致を解消してきたため、昨年のフィンランドの加盟に続き、スウェーデンもNATOに加盟する構えを示している。同国でのラジオのインタビューで、スウェーデンのウルフ・クリスターソン首相は、騒動が「誇張されている」と表現しながらも、依然としてロシアが最大の脅威であることを明言し、「戦争が目前に迫っていることを示唆するものは何もないが、戦争の危険性が高まっていることは明らかです」と述べた。

この報告は、欧州諸国が2024年の選挙でジョー・バイデンが再選されることを願っているが、最悪のシナリオが起きた場合に備えていることを示唆した。トランプ氏が在任中に、度々NATOを離脱すると脅し、NATOは米国に経済的に借りがあると主張した。NATOのリーダーに圧力をかけ続けたトランプ氏の理由は何であったか?理由があるとしたら、NATO設立の動機がソビエトの攻撃性に対抗するためであったことから、ロシアの大統領プーチンのために動いているとの説もあった。2016年の大統領選でドナルド・トランプが勝利すると予期していなかった欧州諸国およびNATOは、当時ロシアに対抗するために準備をしていなかったが、今年の選挙は、同じ間違いを繰り返さないという意識があるということである。その準備の理由は、トランプ氏の過去の脅しも一部であるが、他の大部分は、2014年にウクライナのクリミアを併合した攻撃性も含めて、幾つかのロシアの侵略の歴史とロシアに対する長期的恐れがミックスされたものであるという。そして、特にロシアと国境に近い国は緊張があることを示した。NATO の事務総長イェンス・ストルテンベルグは、昨年7月のサミットで、「ロシアの侵略は報われない」とのメッセージを送り、NATOがウクライナを強化し、NATOの抑止力と防衛を強化するため、NATOは団結していることを表明した。

アメリカ・ウオッチ- Yuko's Blogをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む