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2008年の経済(民主党大統領)
イリノイ州を代表する米国上院議員であった民主党のバラク・オバマは2008年の大統領選で大勝利した。2008年の米国の経済は大不況の最中であった。複数の大手金融会社は、この年に経営危機に陥り多くの金融市場は多大な混乱に見舞われた。これに応じて、連邦準備制度は、金融市場と金融機関の機能を改善し、それによって米国経済への損害を制限することを目的とした様々なプログラムを通して流動性と支援を提供した。2009年に就任した第44代大統領バラク・オバマは、ギリシャ、スペイン、イタリアなど、ヨーロッパの負債危機が米国の株式市場を弱体化することも含めて、特に投資家にとっては不安定且つ不確実な経済状況を引き継いだ。オバマ大統領の就任第一期目の経済政策は2007年から2008年のサブプライム・ローンの危機および大恐慌下で、銀行規制が主な政策の一つであった。また、主な政策のひとつである医療保険改革は2010年3月に完全に党派的投票で可決したが、アフォーダブル・ケア・アクト(ACAまたはオバマケア)を施行するために資金を必要とした為、富豪者に穏やかな税金を増加することであった。しかし、ACAが可決した直後から、共和党議員らによる撤廃運動が始まり、彼の8年間はこれを保護するための葛藤の連続であった。
2012年の経済(民主党大統領)
オバマ大統領は2012年に二期の再選に勝利した。この年、国内総生産で測定した経済成長率は、2012 年第 1 四半期に 3.3% 増加した。経済は243万人の雇用を創出し、雇用数は2011年12月の1億4,090万人から2012年12月には1億4,333万人に増加した。失業率は 8.5%から 7.9% に低下し、失業者数は1,309万人から1,230万人に減少した。国内総生産で測定した経済成長率は、2012 年第 1 四半期に 3.3% 増加した。2012年末の時点で米国の債務は16兆3,000億ドルだった。これにより、債務の対 GDP 比率は 100% となり、第二次世界大戦以降のどの時期よりも高くなった。債務は、経済成長の鈍化による政府支出と税収の減少によって増加し、2012会計年度の財政赤字は1兆770億ドルであった。
2016年の経済(共和党大統領)
2016年の大統領選は、政治的には経験豊かなヒラリー・クリントンが人気投票で約300万票リードしたが、政界での経験がないドナルド・トランプが大衆性をアピールして勝利した。ロシアはヒラリーの酷い誤情報を集中的にソーシャル・メディアに拡大し、選挙数日前にFBIは彼女が業務用に利用していた個人サーバーの電子メールを調査すると発表したことも敗北の要因である。2016年の経済成長は予想より鈍く、インフレ率は連邦準備制度理事会の目標をわずかに下回る水準に留まり、米国の債務は大幅に増加し、そして連邦準備理事会は二度目の利上げに踏み切った。年が終わる直後に景気後退が始まって以来、実質 GDP は、2015 年の第 3 四半期から 2016 年の第 3 四半期にかけて 1.6% 成長した。特に 2015 年 11 月から 2016 年 11 月にかけて個人消費が 2.5%増加し、2015 年第 3 四半期から 2016 年第 3 四半期にかけて、実質民間総投資は 2.7% 減少したことで相殺された。トランプ大統領は低い失業率と堅調な雇用の中で、経済は大部分が不況から回復し、米国の経済が拡張期に入った2017年1月に就任しており、トランプは比較的に良好な経済を受け継いだが、彼は中国との貿易戦争を始めたため、強い経済を弱体化させるとの批判もあった。トランプの最後の任期年2020年の3月頃から台頭したコロナウイルスに対する彼と彼の政権は自然免疫を支持し、ウイルスを食い止めるための緊急対策が何もなかったことから米国は経済封鎖に直面し、株は急落し、多大な経済危機に直面している時に彼はホワイトハウスを去った。
2020年の経済(民主党大統領)
2020年はトランプ大統領の二期目の再戦であったが、彼は人気投票でも選挙人数でも大きな差で敗北したことはご承知の通りである。オバマ政権下で副大統領であったジョー・バイデンが地滑り的に圧勝した2020年の経済は、近年の中で、一部の富豪者を除き、恐らくほぼ全てのアメリカの人々にとって最悪であったことはまだ記憶に新しい。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、世界的に影響を与えたが、米国経済は最も急激な縮小を経験した。そして、多くの地域で経済的ダメージはさらに壊滅的なものであった。米国の GDP は 2020 年第 2 四半期に 8.9% 減少し、過去70年以上で最大の縮小となった 。他のほとんどの主要経済国の状況はさらに悪化した。再選に直面しているバイデン大統領の一期目の経済政策は、新型コロナウイルスのパンデミックの取り組み、医療の拡大、グリーン・エネルギーとインフラへの投資、富裕層への増税、中産階級の支援、半導体の国内生産の増加、高インフレとの戦いに加えて、ロシアに侵略されたウクライナの安全保障を強化することなどであった。
最後に、経済は世界の経済との相互作用に影響を受けるものの、経済状況が良好な時に就任し、引き続き経済が安定している場合、有権者は大統領の経済の取り扱いが良いと評価する傾向がある。その逆も同様である。しかし、1981年から2024年まで7人の両党の大統領の経済対策を見ると、幾つかの特徴がある。両党の大統領下で債務は増加しているが、民主党は一般的に、支出の増加に伴い、富豪層への増税を求めることで、歳出入のバランスを考慮している。そして、雇用を拡大し、失業率や貧困率を減少させている。一方、共和党は大幅な減税を強調し、その歳入不足を埋めるために、現存する様々なプログラムを大幅に減少または廃棄を試みる。しかし、共和党がターゲットにするプログラムのほとんどは、一般国民にとっては生命ラインであるため、成功しない場合が多いことから、歳出入のバランスを図ることができず、債務を増加させるという結果になっている。最も顕著な特徴はこれら7人の大統領の中で3人の民主党大統領は多かれ少なかれ、前政権の悪い経済状況を引き継いだが、経済を回復させている。そして、共和党大統領は、その良好な経済状況を引き継いでいる為、共和党有権者は、共和党大統領の方が経済に対する取り組みが良いと誤解しているようである。
更に、重要なことに、共和党大統領に一貫している特徴は、富豪者や豊かな企業に減税することである。これらの富豪者の収入源は、一般の人々と異なっている。一般の労働者は、会社が連邦税を自動的に差し引くことで、税金を支払っている為、一般の人々は彼らの所得を秘密にすることはできないのである。一方、富豪者は、給料という形で受理しているのではない。富豪者の収入はほとんど利息、株の配当、及び長期キャピタル・ゲイン(購入した物件の値段より更に高い値段で売却した時に生じる利得)から来ている。IRSは、一般の人々の収入の連邦税を所得に応じて最低10%からトップ層で37%までの幅を設定しているが、富豪層のこれらの収入の連邦税はわずか15%である。また、具体的に一例を挙げると、年間所得80,000ドルの夫婦共同申告の場合、約9,200ドルの税金支払いになるが、同額の長期キャピタル・ゲインに対する夫婦共同申告の税金はゼロである。ジョー・バイデン大統領は3月7日の一般教書演説で、米国の1,000人の億万長者に公正な税金を支払ってくれるよう要求したが、共和党はそのような政策に抵抗している。共和党の政策は、彼らのキャンペーンに多額の寄付ができない一般の労働者を保護することではなく、既に優遇されている富豪者にさらに減税することである。従って、バイデン大統領が富豪者や大企業に公正な税金の支払いを繰り返し求めている理由は、富豪者は少額の増税には影響を受けないが、低所得の家庭は多大な影響を受けるという現実に基づいている。