前大統領ドナルド・トランプは火曜日(4月2日)の選挙集会で、メキシコ人不法移民によって先月殺害された若い女性の家族と連絡を取っていたと主張したが、被害者の実際の親族は、そのような連絡は受けていないとの反応があったことを圧倒的多数のメディアが報告した。トランプの虚偽は日常茶飯事であるので、特に驚くことではないが、移民を非人間化することがトランプの移民課題のアプローチであり、2016年の戦略から変化はないようである。幾つかの専門家の研究を見ると、トランプの移民戦略は非常に少ない率のアメリカ人に支持される可能性がある。
トランプは火曜日にミシガン州グランド・ラピッズで開催した集会で、25歳のルビー・ガルシアが友人のブランドン・オルティスに射殺されたと群衆に語った。トランプは彼女が周りの人々を笑いに誘う「声高い笑いをしていたと言い、彼女が部屋に入ると、その部屋を明るくしました。そして、私は非常に多くの人からそのことを聞きました。私は彼女の家族の何人かと話しました」と言った。しかし、ガルシアの家族はこの話に非常に驚いたという。今日(4日)、圧倒的に多数のメディアは、その事実がないことを報告した。複数の情報筋によると、ガルシアの妹マヴィは、すぐにこの主張に反論し、地元NBC系列局WOOD-TV8に対し、トランプは実際には肉親の誰とも連絡を取っていないと語った。「彼は私たちの誰とも話さなかったので、彼が私たちと話したと言い、生放送のテレビで人々に誤った情報を伝えているのを見て、ある意味で衝撃的でした」と語った。
ルビー・ガルシアは 3 月 22 日に射殺され、頭部に複数の銃創があった状態で、彼女の遺体が発見された。オルティスは24日に出頭し、口論の末にガルシアを殺害したと自白した。二人は同棲していたとの説もあるが、マヴィ・ガルシアは、そのような事実はなかったと言った。トランプの2日の集会は、ルビー・ガルシアの死を利用して、不法移民をターゲットすることが目的であることを示唆していた。しかも、それは虚偽で固められたものである。トランプが演題でスピーチを始める前に、トランプ陣営は、ルビー・ガルシアの写真を配布し不法移民によって殺害されたとアピールしたという。マヴィ・ガルシアはトランプ大統領が不法移民を悪人扱いし、攻撃していることを批判した。彼女は同テレビ局に「アメリカ人が凶悪犯罪を犯すときについては誰も実際に語らないのに、なぜ彼(トランプ)が違法行為を持ち出すのか、ある意味で衝撃的です。そのような凶悪な犯罪を犯すアメリカ人はどうですか?」語った。ミシガン州を代表する米国上院民主党議員デビー・スタベナウは、この戦術を「恥ずべきである」と批判した。
ミシンガン州の地元紙ミシガン・アドヴァンスの報告によると、トランプが移民に対する恐怖を煽ることに懸念を示す民主党と親移民団体は、前大統領がグランド・ラピッズを訪問した2日にトランプの演説に先立って、不法移民の「永続的な保護、尊厳、尊重」を目指す「非暴力運動による移民の権利」を支持するための集会を開催した。ミシガン州コセチャの主催者であるジェマ・ロウは「私たちが伝えたいのは、移民はその労働、文化、食べ物、そしてこの地域社会に役立つあらゆるものによって、グランド・ラピッズを豊かにし、西ミシガンを豊かにするということです。私たちがここにいるのは、目の前にいる移民たちに、私たちは誰もしたくはない仕事を引き受けるためにここにいるということを伝えるためです。そして、米国に貢献したいと思っていますので、私たちは誇りを持ってそれを行っています」と語った。
トランプは2016年大統領選のキャンペーンで、メキシコから入国する不法移民は犯罪と麻薬を持ち込み、女性をレイプし、暴力的な人々が多いと述べた。そして、最近、移民は「人間ではない」と述べたように、今年も同様に移民を非人間化するメッセージを拡大する努力をしているようである。しかし、不法移民は統計的に、他のどのグループよりも暴力犯罪を犯す可能性が低い。例えば、スタンフォード経済政策研究所が昨年7月21日に公開した調査結果によると、「移民反対派は、移民が犯罪率を押し上げているとよく主張する。しかし、スタンフォード大学の経済学者ラン・アブラミツキーとその共著者らが新たに発表した研究結果によると、米国では過去140年間、そのような状況は存在しなかった」という。この研究は、1880年以来、移民第一世代が米国生まれの人々よりも投獄される可能性が高くないことを明らかにしている。現在、移民は米国生まれの白人よりも投獄される可能性が30%低いことが研究で判明した。そして、その分析を一般人口よりも刑務所率が高い黒人を含めて拡大すると、移民が投獄される可能性は米国生まれの人々よりも60%低いという。
要するに、4月2日のミシガン州グランド・ラピッズでの集会で、実際の殺人事件を例に挙げたトランプは、特に法的文書のない移民に対する非人間化によって、移民の恐怖を煽る2016年の選挙と同じ戦略を用いていることを明白にしている。2016年と同様の反移民政策が引き続き2024年にも効果があるとは思えない。ピュー・リサーチが2020年4月29日から5月5日に実施し、同年6月 10日に発表した世論調査によると、一般的に、アメリカ人は国内に滞在しているほとんどの移民が人種や民族を超えて、また両政党の間でも過半数のアメリカ国民が望んでいない仕事を引き受けている事実に同意している。これは特に不法移民の場合に当てはまる。成人の約77%は、不法移民は米国民が望まない仕事のほとんどを占めていると答え、わずか21%は不法移民が米国民の仕事を奪っていると答えている。これは、ミシガン州コセチャの主催者ジェマ・ロウが語ったことが正しいことを示唆している。大多数のアメリカ人は法的地位に関係なく、移民を支持している傾向は歴史的であるため、これまで長年報告されている統計は、トランプの移民に対する恐怖を煽る極端な戦略が成功する可能性はないことを示唆している。しかし、前大統領は、ほとんどの場合、相変わらず非常に陰気で暗い話をアピールしていることは事実である。