米史上初の有罪判決を受けた前大統領

ドナルド・トランプ氏は重罪による有罪判決を受けた米史上初の前大統領になった。審議には時間がかかると予測されていたため、これは予想外に早い結論である。マンハッタン刑事裁判所のファン・マーチャン判事は、29日の午前中に審議に関する幾つかの重要な点について、陪審員に指示したばかりであった。同日既にソーシャル・メディアでひどい誤情報が広がったにも関わらず、30日の今日、7人の男性および5人の女性で構成されている陪審員らはその後も審議を行い、幾つかの証言を再確認した後にトランプに対して全て34の罪状で有罪判決を下した。マーチャン判事は7月11日に罰則を宣告する予定である。

ワシントン・ポストの29日の報告によると、同日午後3時頃、検察側は裁判中に提出された4つの異なるトピックに関する証言を再度聞くよう求める書簡を送付した。これは、検察側がトランプの関与と計画に関する知識の疑惑に焦点を当てていることを示唆している。水曜日(29日)初日の審議で、陪審員はトランプの友人で、タブロイド誌ナショナル・エンクワイアラーを発行していた会社の元最高経営責任者、デビッド・ペッカーからの特定の証言に関する三件について再確認をしたいとの要請があった。ペッカーは、2016年の選挙でトランプの立候補に及ぼす悪影響を防ぐため、トランプに不利な情報公開を阻止する努力をしたと証言した。具体的には、陪審員はトランプとペッカーとの電話会話についての証言と、トランプと関係があったと主張した成人映画女優の記事の費用を支払わないという決定についてのペッカーの証言を聞くことを求めた。更に、陪審員らは検察側が陰謀の中心だったと主張する2015年8月のトランプ・タワーでの重要な会合に関するペッカーの証言と、同じ会合に関するトランプの元弁護士マイケル・コーエンの証言を再度聞きたいと希望した。

判事は指示を与える際、コーエンが連邦裁判所で同じ支払いに関する選挙資金法違反で有罪を認めたからといって、トランプを無罪にすることはできないと陪審員団に念を押した。また、判事は陪審員に対し、トランプを有罪にした場合の潜在的な結果を考慮するのは不適切だと述べた。「判決が有罪であれば、適切な量刑を科すのは私の責任である」と判事は述べ、28日の最終弁論中に、トランプが有罪となれば刑務所行きになる可能性があると陪審員に語ったブランシュ弁護士を叱責したとポスト紙は伝えている。更に、マーチャン判事は「証人が事件の結果に利害関係があるかどうかを考慮してもよい」と述べた。また、「利害関係のある証人の証言を拒否する必要はありません。…しかし、結果に対する利害関係が証人の証言の真実性に影響を与えるかどうかは考慮してもよいでしょう」と述べた。また、判事はトランプが記録に虚偽の記載をしたかどうかに関わらず、有罪となる可能性があるかどうかについても言及した。同判事は「トランプが(別の)人物にその行為を行うよう勧誘、要請、命令、懇願、または故意に幇助した」ことが証明されれば、トランプは有罪となる可能性があると述べた。マーチャン判事は計34の罪状について、34件の記録それぞれに言及し、各罪状がどの文書に関係するかを説明した中で、陪審員はそれぞれ個々に有罪または無罪であるかを決定する必要がある事を伝えた。マーチャン判事は、コーエンからの請求書11件、トランプ・オルガニゼーションの総勘定元帳12件、小切手11枚(その中の9枚はトランプが署名)である事を説明した。

ファン・マーチャン判事によるこのような指示はすべて、29日も法廷に現れたトランプと彼の弁護士の前で行われたことから、すべてに透明性がある事を示している。口止め料裁判の34の罪状の幾つかに対して、有罪判決を受けた場合、トランプが次に直面する可能性のある情報はすでに公開されている。現在指摘されている問題は、マーチャン判事が29日午前中に陪審員に指示した幾つかの説明の誤情報がソーシャル・メディアに記載されているとして、APはファクト・チェックを提供している。その中の一つは、マーチャン判事が「ドナルド・トランプ前大統領の口止め料裁判の陪審員に対し、トランプを有罪とするのに全員一致の評決は必要ないと語った」と記載されているという。APは、それは「間違いである。マーチャンは、トランプを有罪とするには、陪審員が34件の重罪のそれぞれについて全員一致で判決を下さなければならないと述べた」と指摘した。これは単なる一例であるが、判事を批判している事を示唆するこのような誤情報は意図的である場合が多い、トランプの支持者から来ている可能性がある。なぜなら、誤情報を信じたある個人は、インスタグラムの投稿で「これは一体どうやったら公正な裁判になるのか?判事は、陪審員が全員一致でなくてもトランプ大統領を有罪とすることができると発表した!この裁判のプロセスは最初から不正が行われていた」と書いている。この投稿ではトランプが頻繁に使用した不正を意味する語彙を”was rigged”と表現している。

そのような状況な中で、東部時間午後4時頃に12人の陪審員は34全ての重罪で、ドナルド・トランプ被告に対して、有罪判決を下した。何年かの刑務が宣告された場合でも、彼は選挙キャンペーンを続けるかもしれないが、有権者は現職大統領ジョー・バイデンまたは有罪判決を受けた犯罪者のどちらかを選ぶことになるが、トランプは生涯犯罪者の汚名を引きずることになる。これまでの世論調査では、圧倒的多数の共和党有権者は、トランプが有罪になっても投票すると述べている。実際に有罪判決を受け、刑務が決定した場合、全ての事情が変わるため人々の心境も変わり、選挙状況は変わる可能性が高い。しかし、これは、有罪判決を受けた個人が自身の責任を認め、法の規定に従う正常な世界での常識的観念から予測した場合である。ドナルド・トランプは、2020年の選挙の敗北を、彼が不正選挙の犠牲者としてその戦略に固執し続けた。有罪判決を受けた彼は、ニューヨークの州民が彼を有罪にしたにも関わらず、司法省の武器化によって、無実の元大統領を投獄するとして、彼に対する有罪判決は不法であり、これは世紀の腐敗であると叫ぶことは確実である。そして、復讐を呼びかける危険性を考慮すると、彼が34の全ての罪状で有罪判決を受けた後に何が起きるか警戒する必要もある。トランプは7月11日にニューヨークの刑事裁判所に出廷するまで自由の身である。共和党大統領候補者を指名する共和党全国大会は4日後の15日に予定されている。

アメリカ・ウオッチ- Yuko's Blogをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む