前大統領の第二期目はグローバル経済に多大な危機をもたらすと警告

大統領選挙の都度、有権者が最も重視する課題は経済である。これまでの頻繁な報告によると、今年トランプに投票する有権者は、トランプ第一期就任時の経済状況は良かったと述べており、少なくとも彼らの経済状態は、現在より良好であったと主張している。そして、多くのビジネスや財務業界のリーダーたちも、トランプの経済に全く疑問を提起していないが、非常に長年の経験を持つ二人の経済専門家は、そのような風潮を警告し、トランプや彼の同盟者が公的に語っていることや記録された情報に基づき、様々な側面で、トランプが勝利した場合の二期目の経済は深刻な危機に直面すると警告した。

ニューヨーク・タイムスにオプエドを8日に投稿したビル・クリントン政権下で米国財務長官であり、センター・ビュー ・パートナーズの上級顧問であるロバート ・ルービンおよびゼネラル・カタリストの会長兼マネージング・ディレクターであり、アメリカン・ エキスプレスの元会長兼最高経営責任者であるケネス・シェノーは、「トランプ大統領の二期目は我が国の経済に多大なリスクをもたらす」との懸念を表明している。両氏は、「多くのビジネス界や金融界のリーダー達は、トランプが経済に関しては正常な大統領候補者である」と見ているが、「私たちは、このような見方が益々一般的になっているのではないかと懸念しています。我々は断固反対です。我々2人は長年、ビジネス、政府、政策に携わってきました。2人合わせて100年以上の経験があります。私たちは、イデオロギーの枠を超えた公職者やビジネス・リーダーたちと仕事をしてきました。そして、トランプの経済政策議題を率直に評価すれば、トランプの公的発言や、最近タイム誌との公式インタビューに基づいて、明確な結論が導かれると信じています」と述べている。

ロバート ・ルービンとケネス・シェノーは「経済政策に関して言えば、トランプは普通の候補者とは程遠い。トランプの二期目は我が国の経済に多大なリスクをもたらすでしょう。マンハッタン研究所のブライアン・リードルによると、我が国がすでに債務リスクの増大傾向にあった時期に、トランプ大統領の第一期目の税制改革により、国家債務は推定3.9兆ドル増加した。主流の分析では、その結果、すでに完全雇用経済において需要が増加し、企業投資への影響は無視できるほどで、短期的にはほとんど利益がなく、長期的には事実上何も追加されなかったと結論づけている」と言う。そして、「トランプの2期目の政策は、財政状況をさらに悪化させるでしょう。責任ある連邦予算委員会の報告書によると、2017年の減税を延長するだけでも連邦債務がさらに3.9兆ドル増加し、債務対GDP比が約10%増加する。これはおそらく金利上昇とインフレの加速につながり、企業の信頼を損ない、将来の国家安全保障や経済危機に対する回復力を低下させる可能性がある」と述べている。

さらに「貿易に関しては、トランプが繰り返し約束しているように、全面的に関税を引き上げれば、米国の生産者と消費者にとっての価格が上昇し、米国の国際競争力が低下し、他国が米国の輸出業者に対して報復措置を取る可能性が高まるだろう。また、規制については、多くのビジネス・リーダーは、バイデン大統領と意見が異なるが、トランプの再任は相当なリスクを伴う。トランプは、自身の規制手法は、潜在的な社会的・経済的利益と潜在的な懸念を比較検討する費用便益分析に基づいていないことを明確にしている。その代わりに、忠実な支持者に報奨を与え、敵とみなした者に罰を与えるために規則を使うと述べている」と言う。その例として、「トランプは最初の任期中、タイム・ワーナー傘下のCNNによる自身の報道に不満だったと報じられており、AT&Tとタイム・ワーナーの合併を阻止するよう司法省に直接指示した。2期目には、このアプローチをさらに推し進めると約束しており、例えば、世界で最も急成長している産業の一つであり、中国と激しい競争を繰り広げている再生可能エネルギーを抑制することで、石油・ガス産業の政治的同盟者に報いると約束している」と述べている。

また、第一期のトランプ大統領の移民政策も経済に影響を及ぼしたとし、「わが国の経済があらゆる技能レベルの労働者を増員する必要がある時期に、合法的な移民を減らすだろう。企業はすでに、必要な人材を確保するために、一部の業務を米国外に移転している。トランプが脅しているように、軍に数百万人の強制送還を命じれば、社会不安が広がるだけでなく、経済的ニーズを満たす形で不法移民問題に取り組むこともできなくなる」と指摘している。さらに、下院特別委員会の召喚状に応じなかったため、3月に4ヶ月間の懲役判決を受けたトランプの経済顧問であった「ピーター・ナバロは、トランプが第2次政権発足後100日以内に連邦準備制度理事会(FRB)議長を解任すると予測している」と言う。トランプは「経済の長期的な健全性ではなく、短期的な政治的利益のために金利を設定するよう圧力をかけ、連邦準備制度の独立性を低下させる前例のない行動を取るだろう」と警告している。トランプの他の仲間は「FRBの決定は政権との協議、あるいは承認を受ける必要があると述べている。このような行動は、FRBの金利決定を政治化し、FRBの幅広い信頼性を損なうことで、市場と経済に大きな損害を与える可能性がある」と書いている。

また、「法の支配は我が国の経済の重要な基盤」であるが、「トランプが提案した計画は、FBIと司法省を使って敵対者を標的にすること、政敵を起訴せよという命令を拒否した米国連邦検事を解雇すること、恩赦権を使って政治的同盟者を違法行為の結果から免除すること、そして選挙の公正さと自由を否定し続けることなど、さまざまな方法で法の支配を弱体化させる」と予測している。また、トランプは、第一期目にNATOが米国に十分な支払いをしていないとして、数回NATO放棄を示唆したように、「欧州の同盟国が攻撃を受けた場合に見捨てると脅している」と両氏は述べ、同じ政策を続行すると予測している。そして、「こうした脅しは米国の防衛への取り組みに対する信頼を即座に揺るがし、敵対国が敵対的な行動に出る勇気を与え、サプライチェーンや市場を脅かす世界的な不安定化を招き、武力紛争のリスクを高める可能性がある。もちろん、トランプが実際にこうした脅しを実行に移せば、被害は遥かに大きくなるだろう」と警告している。

最後に、トランプが「11月に大統領選で勝利すれば、自分に従順な人物を選ぶ」と明言している。彼に対する忠誠を最優先する人物を閣僚や上級職員に起用し、「ホワイトハウスや連邦政府機関は政策上のメリットではなく、トランプのエゴ、怒り、気まぐれ、個人的なビジネス上の利益、政治的な復讐心を満たすための決定を下すことになる。トランプとその同盟者らは、安全検査官、研究者、調達専門家など、無党派の専門家である最大5万人の公務員を、政治的忠誠心のある人たちに置き換える計画である」と説明している。そして「トランプの2期目の政策のほぼすべての要素は、経済に多大な損害を与えるリスクを生むだろう。全体として、トランプの政策は世界的不安定化を含む混乱と予測不可能性をもたらし、投資とビジネス活動を減少させる可能性が高い。一方、関税、移民制限、財政赤字の拡大によりインフレが加速するだろう」と予測している。

要するに、米国最高裁の判定後、複数の憲法および法専門家は、最高裁がトランプの訴訟免責を寛大に与え、ある意味ではトランプが「法の上に立つ」事を認可したと批判している。正常な大統領下では、行政の各分野で専門家または顧問が存在し、大統領にアドバイスすることで、大統領の一方的な計画や希望を是正し調整する機能がある。しかし、トランプの第一期目は彼が望む計画に同意しなかった高官、顧問、トップ層の指導者は次々に解雇された記録がある。ロバート ・ルービンおよびケネス・シェノーは、トランプが第二期目に勝利した場合、彼は忠誠者のみを採用すると述べている為、米国の政治体制が大幅に変わるだけでなく、グローバル経済、同盟国との友好関係、民主主義と安全保障を維持することにも多大な影響があると警告している。そして、トランプの二期目は、一期目より遥かに過激で、混沌に満ち、米国は想像に絶する深刻な政治的、経済的、社会的危機に陥ると警告している。

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