フロリダ州の連邦地方裁判所判事アイリーン・キャノンは7月に機密書類事件の裁判を閉鎖したことはご承知の通りである。米国最高裁が7月1日に大統領の公務行動には訴訟からの免責があると判定した後、前大統領ドナルド・トランプが直面している裁判の法的動きは一ヶ月間低迷していた。しかし、2021年1月6日の選挙妨害事件に関するミニ裁判は今月から開始される可能性がある。ワシントンの連邦地方裁判所の判事タンヤ・チャッケン判事は、そのミニ裁判で、2020年の選挙結果を覆そうとしたトランプのどの行動が起訴に値するかを判断しなければならず、「トランプ対アメリカ合衆国」の裁判は維持されていることを示唆している。緘口令の取り消しを求めていたトランプは8月1日に控訴裁判所から拒否された。
ご承知のように、トランプに指名されたフロリダ州連邦地方裁判所の判事アイリーン・キャノンは7月15日、機密書類の事件でドナルド・トランプを告訴した特別検察官ジャック・スミスが非合法に任命されたとして、この告訴を却下した。米国最高裁判事クラレンス・トーマスは、大統領の免責に関する多数派の意見書に参加し、免責とは無関係の個人的な意見書の中で、米国司法省に任命されたスミスは違法に指名されたと主張した。その後、キャノン判事は明らかに、トーマスの意見を採用したことを示唆した。
同裁判所のベテラン判事らは、複雑な機密書類に関する裁判は経験のないキャノン判事には無理があるため、この事件から辞退するよう要請していたと報告されたように、彼女はスミスの資格の疑問とトーマスの意見を最大限に活用することで、彼女自身の能力適正の論議を避けるため告訴を却下することで、裁判を放棄した可能性がある。なぜなら、特別検察官に資格がなければ、司法長官は別の検察官を指名するだけですむため、彼女は自信があるなら、この裁判を却下する必要はなかった。しかし、彼女を指名したトランプに対する恩義による個人的感情を最優先した可能性がある。加えて、トランプの機密書類の不法所持は、任期を終えた後の行動であり、これは公務ではない可能性があるため、検察側にとっては最も強いケースであった。特別検察官の任命は長年米国司法省に授与された権利であるとして、他の判事らが挑戦した前例はないと繰り返し論議されていた。キャノン判事がこの裁判を却下した2日後の17日に、ジャック・スミスは第11巡回控訴裁判所にキャノンがトランプに対する訴訟を棄却したため控訴通知を提出した。
加えて、ワシントンの連邦地方裁判所のタンヤ・チャッケン判事は、今後数ヶ月にわたり、選挙転覆の連邦刑事事件の起訴状に記載されているトランプの行動の中で、裁判の対象となる大統領の非公式行為とみなされるものはどれか、また、起訴不可能な公式行為とみなされるものはどれであるかを決定する必要がある。これらの決定は、トランプの弁護士によってほぼ確実に連邦控訴裁判所に上訴されると見られている。これらを決定するための双方の論議はミニ裁判と呼ばれ、一般市民はトランプの行動がどのように連邦犯罪に結びついているのかを知る機会があるということである。この事件に関連する本来の裁判が選挙前にワシントン D.C. で行われる可能性はほとんどないが、チャッケン判事がそのようなミニ裁判を行う場合、専門家はミニ裁判では証人を何度も反対尋問にかける時間はないので、迅速な書面提出を提案している。MSNBCの貢献者であるミシガン大学法学部教授バーバラ・マククエイドは2日、Xでの投稿で、「トランプの選挙妨害事件は免責判決を受けてワシントンに戻されました。選挙結果にかかわらず、検察と裁判所は緊急に行動するべきです。国民には迅速な裁判を受ける権利があるからです。間違いなく次の控訴が待っていますが、早速始めましょう」と述べ、11月の選挙を意識するべきではないと示唆した。
そして、トランプは性的スキャンダルによる口止め料支払いの裁判で、5月30日に34全ての罪状で陪審によって満場一致で有罪判決を受けた。その後、トランプと彼の弁護士は、ニューヨークの最高裁判所の判事ファン・マーチャンが敷いた緘口令を取り消すよう、控訴裁判所に上訴していたが、判事らは、マーチャン判事が9月に罰則の判定を行うまで、その命令をとり消すことはできないと判定したことが1日に報告された。従って、トランプは引き続き、ここでの事件および陪審員に関して公的に語ることは禁止されているが、この告訴を提起した同州マンハッタンの地方検事アルビン・ブラッグおよび裁判を監督しているフアン・マーチャン判事に対する批判を躊躇していないようである。トランプの弁護士らは、この緘口令は裁判の終了とともに解除されるべきだったと主張したが、ニューヨーク州司法部控訴裁判所は、彼らの申し出を却下した。同裁判所は、トランプが刑罰を宣告されるまで、この緘口令は維持されるべきであると述べ、「公正な司法の執行には、必然的に量刑が含まれ、それは刑事手続きの重要な段階である」と判定した。
要するに、口止め料の裁判では、34の罪状に対する最終判決と緘口令は残ったままである。緘口令に対する取り消しを求めたトランプの要請は引き続き却下されているようである。フアン・マーチャン判事は9月にトランプに懲役刑、自宅軟禁、保護観察など、それらの罰則を単独または組み合わせなどのオプションで決定する可能性がある。選挙妨害の裁判は、最高裁がこの事件をワシントンDC の地方裁判所に戻した為、タンヤ・チャッケン判事は、起訴状の中で、何が公務かまたは非公務であるかを決定しなくてはならない。つまり、米国最高裁保守派が、大統領に対する起訴に対して、前代未聞の寛大な免責の権利を与えたとしても、一般的に「法の上に立つ者はいない」とする観念は強いため、正義を求める司法制度は完全に弱体化されていないことを示唆している。