法学教授は前大統領を告訴可能と説明

Never mind the immunity ruling. Trump can be prosecuted for Jan. 6.

By Richard Lazarus The Washington Post August 15, 2024

ハーバード大学の法学教授は、最高裁主席判事が7月1日に公開した「トランプ対アメリカ合衆国」の訴追からの免責に関する決定は、2020年の選挙結果を覆そうと試みた前大統領ドナルド・トランプを法の上に位置付けたものではなく、トランプを告訴できる十分な余裕を残していると説明している。

ワシントン・ポストに15日オプエドを投稿したハーバード大学の法学教授リチャード・ラザラスは、この記事の冒頭で、「トランプ対アメリカ合衆国の訴訟で、米国最高裁の最近の判決は大統領免責の範囲(the scope of presidential immunity)をあまりにも広く定義しているとして、公正かつ厳しく批判される可能性がある。しかし、最高裁の判決には、2020年大統領選挙の結果を覆そうとしたとされる犯罪行為(alleged criminal acts)について、ドナルド・トランプ前大統領を法の範疇外(above the law)に置く内容は何も含まれていない」と解説している。「実際、ジョン・G・ロバーツ最高裁主席判事の意見は、トランプに対する重罪訴追を成功させるための驚くほど明確なロードマップ(a surprisingly clear road map for the successful felony prosecution)を示している。トランプに対する訴訟は現在、米国地方裁判所のタンヤ・S・チャッケン判事の前に戻っており、彼女はこれ以上遅滞することなく、その明確な道筋に従うべき(should follow that clear pathway)である」と述べている。

「特別検察官ジャック・スミスの起訴状の中心的容疑は、トランプが2020年の選挙で敗北した後に、選挙結果の収集、集計、認定を妨害するため、選挙不正の虚偽の主張(false claims of election fraud)を故意に広め(spreading knowingly)、選挙結果を覆そうと共謀したというものである。起訴状によると、トランプの共謀には3つの異なる犯罪行為が含まれていた。最高裁の判決によって阻止されたのはこれら3つの行為のうち、せいぜい1つだけであり、トランプが複数の重罪で有罪になる(conviction on multiple felony counts)余地は十分にある(leaving plenty of room)。まず、トランプは電話や直接会って州や地方の選挙管理当局と話し合い、管轄区域内で有効な選挙結果を認定することを拒否するよう圧力をかけた( pressure them to refuse to certify the valid results of the election)。次に、トランプは1月6日、議員による選挙結果の認定を物理的に阻止する(physically preventing)目的で暴徒を扇動し、米国議会議事堂を襲撃させた。最後に、上院議長のマイク・ペンス副大統領に不適切な圧力をかけ、上院が選挙結果を認定する投票を阻止した」と解説している。

「最高裁判所の主席判事の意見では、トランプが選挙結果の阻止を説得するために州および地方の選挙管理当局者と電話や会合をしたことに対して、当時大統領だったにもかかわらず重罪訴追から(from felony prosecution)のいかなる免責も受けられない(is not entitled to any immunity)とチャッケンが正当に結論付けることができることにほとんど疑いの余地はない。裁判所はトランプが享受する免責は、その性質が絶対的であろうと推定的であろうと(whether absolute or presumptive in nature)、『公式行為』に限定されると裁定した。性質が『非公式』な行為には免責はない。したがって裁判所は、トランプの『さまざまな州当局者および私人との交流』を分析し、それらの交流が公式か非公式かを判断するようチャッケンに求めた。しかし、ロバーツの意見は、チャッケンがこれらの接触はすべて非公式だったと正当に結論付けることができる(legitimately conclude that all these contacts were unofficial in nature)ことを明確にすることを躊躇しなかった。最高裁は『この行為は、特定の大統領の職務にきちんと分類することはできない』と慎重に指摘した」と述べている。

米国最高裁は「同様に1月6日の集会を含め、トランプが一般市民に向けて行った演説は、検察側が議事堂を襲撃した暴徒を煽動するために計画された(were designed to incite the mob that attacked the Capitol)と主張したが、その演説は非公式なものであり、したがっていかなる免責も受けられないとチャッケンが自由に結論付けることができたことにほとんど疑いの余地はないとした。最高裁主席判事は『大統領が非公式な立場で演説する状況』があることを明示的に認めた(expressly acknowledged)。そして、その点を強調するために、『公職候補者として』という例を挙げている。この言及は決して微妙なものではない。裁判所は、チャッケンの『内容、形式、状況』に関する『客観的分析』に基づき、トランプの演説は『公職候補者』のものであり、起訴免責を受ける資格がない(not entitled to immunity from prosecution)との判断を断固として支持している(is peremptorily endorsing)」と説明している。

「そうです。裁判所はトランプとペンスの話し合いが大統領免責の範囲外であった(were likewise outside the scope of presidential immunity)かどうかについてはより疑念を抱いていた。しかし、それは興味深い法的問題を提起する一方で、トランプが連邦法の重罪(federal felony offenses)で起訴され有罪判決を受けることができるかどうかという根本的な問題に対しては、実際上ほとんど重要性がない。ある時点で、追加の証拠や重罪(additional evidence or felony offenses)が積み重なっていくだけ(just become piling on)です。裁判所は明らかに、副大統領との話し合いに関して大統領が本来有するはずの推定免責が反証されたとチャッケンが結論付ける可能性を明らかに残していた(clearly left open the possibility)。副大統領は立法府の役人として行動していたため、また大統領は選挙認証プロセスにおいて『憲法上または法律上の直接的な役割を果たしていない』ためである」という。

「最後に、免責の対象とならない非公式行為の訴追であっても、最高裁が免責の根拠から除外すべき(must be out of bounds on immunity grounds)と裁定した証拠に頼らずとも、特別検察官が有罪判決を勝ち取ることができることは明らかである。これには、2020年の選挙で不正があったと示唆する公式見解を得ることに関するトランプの『司法省当局者との協議』の証拠も含まれる。こうした証拠は、陪審が前大統領を有罪と認定する(a jury’s finding the former president guilty)上で確実に有利に働いただろうが、特別検察官は、ジョージア州などの当局者とのトランプの会話の衝撃的な録音(the stunning recordings)をはじめ、それなしでも十分すぎるほどの有罪の証拠を持っている」と述べている。

リチャード・ラザラス教授は、最後に「結論は明らかです。大統領免責特権を認める最高裁の驚くべき判決に憤慨するにせよ、同情するにせよ、この判決によって、元大統領は重罪で起訴される可能性は非常に高くなります」と述べ、トランプ対アメリカ合衆国の裁判が11月の選挙前に行われる可能性がない大幅な遅れを最高裁の責任として批判する人々は多いが、「国家史上初めて元大統領を重罪で有罪にするのは容易なことではないはずである」と述べている。しかし、「昨年12月に特別検察官が要請した事件を迅速に審理すべきだった」が、「遅延の主な原因は裁判所ではなく、司法長官が特別検察官を指名するまでにほぼ2年待つという決定であった」と説明している。また、「トランプの有罪判決を確実にするために最高裁が作った道筋をたどるのは、スミスとチャッケン次第である。そして、11月に投票する際に、元大統領に対する重大な疑惑の関連性を判断するのは、アメリカ国民の責任である」と指摘した。

結論として、複数の事件で告訴に直面している前大統領ドナルド・トランプに対する免責の資格について、米国最高裁が7月1日に判定した後、複数の法学者は、主席判事ジョン・ロバーツの多数派意見に反論した。同日に反応した複数の法専門家はトランプ対アメリカ合衆国の裁判における最高裁の判決は「民主主義を危機に晒す」と警告した。7月2日に、アトランテック誌にオプエドを投稿したイェール大学の憲法学者アキル・リード・アマールは、実際の憲法とは逆の判定であるとして、「最高裁判所で何か重大な間違いが起こっている」との深い疑惑を表明した。そして、7月3日、弁護士、著者、法分析者であるジェフリー・トゥービンはワシントン・ポストでのオプエドで、最高裁のトランプの免責に関する判決は「驚異的に異例」であると指摘した。同氏は最高裁の7月1日の判定が「最も衝撃的」な理由として、米国最高裁主席判事ジョン・ロバーツ・ジュニアの意見では「元大統領が在職中に犯した行為」は「公式行為」であるため、「訴追免責を享受」しており、「非公式」行為のみが「訴追される」と解釈したことを示した。しかし、この判決から一ヶ月半後に、ハーバード大学の法学教授リチャード・ラザラスは、これまでに公開した複数の意見とは異なっている解説を提供した。その重要な一つは、ラザラス教授によると、最高裁は「法の上に立つ」位置付けをトランプに与えていないと明白に述べている。当時、3人のリベラル判事らは、米国最高裁の保守派判事らがトランプに「法の上に立つ」位置付けを与えたと批判したことに対して、主席判事ジョン・ロバーツは与えていないと反論したと報告された。次に重要な点は、起訴状にはトランプの共謀には3つの異なる犯罪行為が含まれており、最高裁の判決によって阻止されたのはこれら3つの行為のうち1つだけであり、トランプは引き続き複数の重罪で有罪になる可能性が高いと分析していることである。従って、米国地方裁判所のタンヤ・S・チャッケン判事は、トランプに対する重罪訴追を成功させるために、「驚くほど明確な道筋」を提供した最高裁の判定に従って、これ以上遅れることなく「ミニ裁判」を開始するべきであると指摘している。

ラザラス教授が15日に公開した彼の意見はトランプ対アメリカ合衆国の裁判も含めて、選挙前のすべての裁判所の動きを阻止するトランプの活動がある中で、ある意味では絶妙なタイミングかもしれない。例えば、口止め料支払い事件で34の有罪判決を受けた裁判の刑罰判決は9月18日に予定されているが、トランプの二人の弁護士は、ファン・マーチャン判事に対する14日付の2ページの書簡で、その判決を選挙後まで延期するよう求めている。彼らは「露骨な選挙干渉の目的を脇に置くと、裁判所が現在の判決日を予定どおりに維持する正当な理由は存在しません。急ぎ続ける根拠はない」と述べ、通常の裁判プロセスにおける裁判官の義務を無視していることを示唆した。これは、初めての要請ではなく、トランプはすでに数回選挙後まで延期するよう要請している。選挙前に何らかの刑罰判決が下されると選挙に敗北する可能性は高くなることと、刑務を非常に恐れていることを示唆している。

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