相次ぐ脅迫は誰のレトリックの責任か?

最近の喧騒的な風潮は、無責任なレトリックを含む、分裂と混乱の政治情勢を反映している。前大統領ドナルド・トランプは二回目の暗殺の可能性に直面した後、彼に対する民主党のレトリックが原因であると批判した。しかし、トランプは10日のカマラ・ハリスとの討論会で、オハイオ州のスプリングフィールドでは、ハイチからの移民が住民のペットを食べていると公然と虚偽を語った。その後スプリングフィールドで数十回の爆破の脅しが起きたことが16日から17日にかけて報告されている。さらに、複数の州で、州務長官、司法長官事務所、州選挙事務所は脅迫じみた怪しげな郵便物を受理したことが17日に報告されている。

スプリングフィールドでの虚偽を公言した最初の人物はトランプの副大統領候補者、JDヴァンスである。ヴァンスはメディアの注目を集めるために、この虚偽を利用したと認めたが、彼は特定の重要な政策に関連のあるそのような機会を今後も利用することを示唆した。この話の起源は陰謀論を拡大するトランプの支持者と見られるネオナチのグループらが、ソーシャル・メディアで流布していたものである。トランプとヴァンスは、そのような陰謀論や虚偽が、政治的に有利であるなら、真実であろうとなかろうと全く気にしないことを示唆した。しかし、共和党大統領候補者と副大統領候補者が証拠もなく、そのような不適切な話をした結果は歴然と現れている。

トランプが10日の討論会で、スプリングフィールドでハイチからの移民が住民の犬や猫を食べているとする陰謀論を語った次の日から、同市では、連続的に爆弾の脅しがあり、オハイオ州の穏健派の共和党知事マイク・デワインは16日、学校を含む地域社会が安全であることを確認するため、州警察を派遣すると公表した。州警察当局および学校関係者は、緊張感がある中で、州警察の協力に感謝しながらも、このような警戒をする必要があることを嘆いているようである。同市の学校をターゲットにした爆弾の脅しは、30箇所または33箇所で発生しているとの複数の情報があり、その中にはスプリングフィールドの市役所と二箇所の病院が含まれている。デワイン知事は16日の声明で、同日に二つの学校で避難命令が下されたと報告した。同氏は「我々はあらゆる脅威を真剣に受け止めなければなりませんが、子どもたちは学校に通う権利があり、親は子どもたちが安全だと知る権利があります。セキュリティ強化は、こうしたデマによって引き起こされた恐怖をいくらか緩和するのに役立つでしょう」と述べた。オハイオ州知事は、討論会の翌日、スプリングフィールドではトランプが述べたようなことは起きていないとの声明を発表したにも関わらず、多数の爆破の脅しがあった。11月の選挙はロシアとイランからもターゲットにされているため、外国および国内からの可能性もある。そして、デワイン知事は、警官隊が17日までに17校を訪問し、授業開始前にすべての校舎を点検し、終日および放課後も校内に留まると述べた。幾つかの大学は、オンラインを含む遠隔授業を行なっているようである。

2020年の選挙敗北後に、トランプが大幅な不正選挙によって、彼の勝利は盗まれたとする主張を現在も偶に続けているため、それと並行して、選挙管理当局者が脅迫を受けたという報告は多数ある。ロイターは2021年6月11日、「ドナルド・トランプ前米大統領は、自分が『不正な』投票で負けたと執拗に虚偽の主張を繰り返し、上級管理職から下級ボランティアまで、全国の選挙管理官を恐怖に陥れるキャンペーンを展開した」と伝えた。2023年8月31日PBSは、選挙労働者が爆弾による死の脅しに直面していると報告した。CNNは2023年12月7日、米国の公職に対する脅しが急増していると伝えた。ニューヨーク・タイムスは2024年4月13日、選挙職員は脅しの洪水に直面したが、告訴された脅迫者は少ないと報告した。

しかし、2024年の選挙が日々迫る中で、選挙労働者に対する脅迫は現在も続いている。今日17日に報告したNBCニュースによると、複数州の州務長官事務所に疑わしい物質を含んだ脅迫状が送られており、FBIは全国の選挙事務所に注意を喚起しているという。少なくとも7州(アイオワ、オクラホマ、カンザス、コロラド、ネブラスカ、テネシー、ワイオミング)の州務長官、司法長官事務所、州選挙事務所のいずれかは、16日に「米国裏切り者排除軍」と記載された差出人から小包を受け取ったことを確認した。これまでのところ、小包に危険物が含まれていたとの報告はないが、カンザスでは16日、州務長官のオフィスが避難し、アイオワとオクラホマでは州のオフィスも同様に避難した。FBIは声明で「何通の手紙が送られたか、手紙の犯人は誰か、手紙の背後にある動機は何か、パートナーと協力して調査中であると発表した。進行中の捜査についてのコメントは控えるとし、「国民の安全が最優先事項であることは間違いない」と述べた。現在FBIと米国郵便検査局は協力体制で、安全対策を行なっているという。選挙管理事務所や選挙職員は引き続き、職場での安全性の脅威による緊張に直面しているようである。コロラドを除く6州は、トランプが勝利すると期待している保守州である。このような脅しは、今回が初めてではなく昨年11月にも同様の報告があった。

ドナルド・トランプとヴァンスは16日、二回目の暗殺未遂の可能性があったと報告された後、フロリダ州の彼のゴルフ・クラブで実際には、銃撃は起きていないが、民主党を批判した。容疑者は彼の書籍の中で民主主義が崩壊していると述べていることから、トランプが勝利したら権威者または独裁者になると懸念しているような彼らのレトリックが暗殺未遂に繋がっているため、そのような表現を抑制する必要があると主張した。トランプは、彼の発言と行動が議事堂での暴動を引き起こしたこと、全米で選挙職員が死の脅しに長期的に直面したことを、全く考慮していないことを示唆している。特に不正選挙の危険なレトリックを頻繁に長期的に利用しているのは他ならぬ元大統領である。

2020年11月の選挙以来、その主張はあまりにも長すぎるため、どれほど選挙職員が影響を受けているのかを調査したブレナン・センターの今年5月1日の最新年次報告によると、地方選挙管理官の 38 %が職務遂行中に脅迫、嫌がらせ、虐待を受けたことがあると答えた。司法省の選挙脅迫対策チームは4月、選挙管理職員に対する数十件の脅迫を調査しており、すでに 13 名を有罪判決に至ったと発表した。当時のトランプ大統領がジョージア州のブラッド・ラフェンスパーガー州務長官に「11,780票を見つける」よう要求してから約4年が経ち、選挙管理当局者の大多数は、再び論争的な大統領選挙を前に政治的介入が行われることを懸念していると述べた。5人中3人以上は、政治指導者が自分や全国の同僚の仕事のやり方に干渉することを懸念していると答えた。一方、2023年に仕事への同僚の干渉を懸念していると答えた人は56%である。2020年以降、地方選挙管理当局は、選挙が誰にとっても安全で安心できるよう対策を講じてきた。地方選挙管理当局の90%以上は、過去4年間にセキュリティ研修への参加や投票所の緊急時対応計画および選挙技術の更新など、選挙のセキュリティを強化するための措置を講じたと報告している。

最後に、2024年の選挙は、政敵に対して脅しのレトリックを利用し続ける共和党候補者が勝利する可能性は衰えていると思われる。ドナルド・トランプは2024年11月に彼が敗北した場合、それを認めるかを聞かれ、即時に返答しなかったため、再度聞かれた時、表現を変えて選挙が公正に行われた場合、認めると述べたことがある。ブレナンセンターの報告は、証拠もなく、選挙不正のために敗北したと二回の選挙で連続的に主張することはできないほど全米の選挙管理当局は、選挙の安全対策を向上および強化させていることを明白にしている。ご承知のように、独立派の有権者が鍵を握る激戦州の選挙は、党派的で虚偽を語り続ける候補者を支持しない傾向があるため、トランプの選挙陣営の選挙戦略アドバイザーは虚偽や陰謀論を止め、もっと政策に集中するよう求めているが、ご承知の通りトランプは彼の方法でキャンペーンを進めることを決定したため、ある意味ではリスクの可能性もある。加えて、彼は有罪判決を受けた候補者であること、彼の対抗者は元検察官であることなど何か皮肉な状況がある。事実、カマラ・ハリスがバイデンの競争を受け継いだ後、長く見られなかった活性化と情熱は意欲を失っていた民主党がこの対照的な対決に興奮したからである。加えて、再度の選挙詐欺の主張に対抗する選挙管理体制は強化されたことなどの観点から11月の選挙結果を転覆しようとする試みがあった場合、2020年の選挙とは異なる状況があることに注目するべきである。

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