連邦準備制度理事会(FRB)と連邦公開市場委員会(FOMC)は、9月17日から18日のFOMC会合の経済予測を発表し、今週利息率を引き下げるという。金利率の削減は、総体的に経済へのインパクトが大きいことを意味し、一般的に労働者や中産階級にとって良いニュースである。短期的および長期的に利点が多いため消費者にプラスであることは明らかである。しかし、良い経済のニュースのタイミングが選挙前であることから、前大統領ドナルド・トランプは反対を表明したが、一部の共和党はトランプと正反対の立場であり、FRBに同意を示しているが、巧みな表現でバイデン政権下の経済は弱いと示唆している。
連邦準備制度政府サイトによると、金利率の引き下げは現在のレベルの5.2% – 5.5%から4.75% -5.0%に引き下げることを示している。これは2020年以来の削減になり、今後さらに金利を下げる可能性があると言う。FRBはインフレーションを確実に調整していることを意味する。同じサイトによると、現在のインフレ率は、7月に最新の更新で2.5%、失業率は8月の更新で4.2%、GDPは第二四半期に+3.0%であり、米国の経済は良好であることを示唆している。同当局は「最近の指標は、経済活動が引き続き堅調なペースで拡大していることを示唆している。雇用の増加は鈍化し、失業率は上昇しているが、依然として低い。インフレ率は委員会の 2% 目標に向けてさらに前進しているが、依然としてやや高い水準にある。委員会は、インフレ率が持続的に 2% に向かって進んでいるという確信を深めており、雇用とインフレの目標を達成するリスクはほぼ均衡している」と述べている。
短期的な利点として、アメリカの消費者は、新車のローン、学生ローン、クレジットカードでの金利が安くなる状況を見ることになる。消費者へのもっとも明白なインパクトは、住宅ローンである。現在、住宅の需要は低い供給とバランスが取れていないと言われている中で、住宅所有者と賃貸者の両方は、不安定な状況に置かれている。しかし、住宅ローンの金利はFRBの金融政策を反映する国債利回りと連動しているため、金利が下がれば、住宅ローンの借り手は幾分プラスになる可能性がある。長期的な観測では株は上がる傾向に向かう可能性があると言われており、株式市場にとっても金利の低下はプラス要素であるようだ。利回りの低い国債及びその他のファンドから資金が引き揚げられることで投資家にとっても良い状況になる。さらに、金利の低下は雇用市場の良い条件に関連し、借入れコストが低下することで、雇用主の収益は上がる傾向がある。貯蓄は考えられるマイナス要素の中で最もインパクトがある分野かもしれない。言うまでもなく、金利が下がると、様々なタイプの口座の預金は収益の割合が低下すると言う現実に直面するからである。
共和党大統領候補者のドナルド・トランプは、FRBの金利引き下げの方針に関して、選挙が非常に近い時に利下げをすべきではないと述べ、大多数のアメリカ人にとって経済に良いニュースである金利引き下げは民主党に有利であると示唆した。しかし、保守系のポリティコに語った複数の議会共和党議員らは、全く逆のコメントをした。ノース・キャロライナ州のトム・ティリス上院議員は、利下げの時期が来たことを示唆し、「それがFRBの運営方法です。人々はそれを政治的と呼ぶかもしれません。私が気にしているのは、それが労働者世帯にどのような影響を与えるかです。そして、彼らは今、助けを必要としています」と語った。ルイジアナ州のジョン・ケネディ上院議員は、「金利を引き下げる時期です。この経済、特に労働市場は急速に軟化しています」と述べ、同意を表明した。激戦州ペンシルベニア州出身のトランプ支持者で共和党下院議員ダン・ミューザーは、FRBは「政治的な見方よりも社会全体の利益を優先しなければなりません。よく考えてみると、金利引き下げはコスト削減です。これは経済への刺激であり、必要なものです。成長促進策です」と表明した。
しかし、この3人の共和党の発言の一部に注目すると、ティリスは「労働者が今助けを必要としている」と述べ、ケネディは「労働市場は急速に軟化している」と言い、ミューザーは、経済が弱い時に良く表現される「成長促進策」だと述べ、目立たない表現で、バイデン政権下の経済が弱いことを印象づける巧みな表現をしている。選挙年、特に選挙が47日後に迫っている中で、トランプのコメントは彼の選挙の立場からの判断によるものであることは明らかである。なぜなら、金利を下げることは、中産階級にとって非常に良好なニュースであるため、選挙の課題の中で最も経済が大事であるとみている無党派の有権者は、ジョー・バイデンとカマラ・ハリス政権を評価する可能性があるからである。それを恐れている一部の共和党は、経済の良いニュースに率直に反対を表明できないため、バイデンの経済が弱いので、FRBに同意するというようなトランプよりもっと巧みなニュアンスで反応した。