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米国移民国籍法に基づくH-1Bビザは、外国人労働者が米国内で専門職に一時的な就労を許可する非移民ビザであり、通常3年から6年の範囲で滞在許可が与えられている。このビザの取得者数を増加することを望んでいるイーロン・マスク(右)の提案を次期大統領ドナルド・トランプは支持しているが、それは2016年と2020年の彼の政策とは逆の方向性であることを示している。一方、トランプの長年の同盟者であるスティーブ・バノン(左)は、H-1Bビザに関連するマスクとMAGA極右のユーザー間の論議で、MAGAに同意し、最近激しい反論を展開した。H-1Bビザ・プログラムは現在論争的になっている。
H-1Bビザに関するマスクの提案は何か?
以前H1-Bビザを所持し、南アフリカから入国し、現在米国市民であるイーロン・マスクは、次期トランプ政権下の政府効率化局(DOGE)の共同責任者として、これまで以上に多くの熟練した外国人労働者を米国に迎え入れることを支持すると表明した。これは、現在論争的になっている。なぜなら、熟練した合法的な移民が米国経済を後押しするのか、それとも、一般的な移民労働者が米国の経済を支えているのか、どちらにも重点を置き、バランスを考慮していないことを示唆しているためである。マスクは、ツイッターを買収した当時の2022年12月に、ハイテク企業では「優秀なエンジニアの人材が恒常的に不足している」と述べており、もっと多くのビザを発行する必要があると主張した。そして、先週25日のXへの投稿で、現在の「二倍必要である」と主張し、「アメリカでは、非常に才能のあるエンジニアであり且つ非常にやる気のある人の数があまりにも少ないです」と述べた。そして、26日「おそらく、これは役に立つ説明でしょう。私が言っているのは、合法的な移民を通して、エンジニアリングの才能の上位約 0.1%を連れてくることが、アメリカが勝ち続けるために不可欠だということです。長い間勝ち続け、勝ち続けたいと願うプロ・スポーツ・チームであるとアメリカを考えるのが正しい精神構造です」と述べている。
マスクは一連の投稿で、H1-Bビザ・プログラムを「改正」するべきであると述べた。MAGA批評者らに対して、H1-Bビザに関しては「あなたたちが理解できないようなこの問題で戦争をする」と挑戦的態度を示した。また、彼自身がH-1Bビザを使ったと主張しているマスクは、Xのユーザーとの論議で、ユーザーがこのビザは「低賃金労働者の雇用に使われている」と主張した後に、このプログラムは「破綻している」ことに同意した。マスクによると、「最低賃金を大幅に引き上げ、H1-Bビザの維持費を毎年追加すれば、海外から雇用する方が国内から雇用するより大幅にコストがかかる」ため、「この制度は破綻しており、大幅な改革が必要である」ということである。そして、トランプ政権でその改革を行えば「アメリカはもっと強くなると確信している」と主張した。
長年のトランプの同盟者バノンはマスクに反論
トランプの最初の政権下でホワイトハウスの政策戦略家であったスティーブ・バノンは、移民反対派の強硬派MAGAとイーロン・マスクのようなハイテク企業の幹部間とのソーシャル・メディア論争に加わり、自身の番組「ウォー・ルーム」で外国人を嫌うMAGA側に立った。スティーブ・バノンは27日「H-1B ビザ?それは問題ではない。アメリカの雇用を奪い、実質的に年季奉公人となった人々を低賃金で連れてくることです」と述べた。同氏は更に「これはシリコンバレーの寡頭政治家による詐欺で、アメリカ国民から雇用を奪い、外国の年季奉公人となった人々に与え、そして彼らに低賃金で支払うのです。単純です。彼らを黄金の扉から入れるのです」と述べたことが27日に報告された。専門分野の移民が米国で一時的に働くことを許可するビザ・プログラムに言及し、マスクに反応したバノンは、移民労働者に対するMAGAの「内戦」が起こらなかったのは、マスクが「十分に強硬ではなく」、極右の反発の中でこの問題に「屈服」したためであると批判した。つまり、バノンは、H-1B ビザ・プログラムに関するマスクの提案に反対していることを示した。
トランプは過去の立場を変えマスクに同意
現在、事業主を通して税金を支払っている長年米国に住んでいる書類のない移民も含めて、ほぼ全ての移民を強制送還する計画を表明したトランプは、彼自身も労働者を必要としている。28日のニューヨーク・ポスト紙によると、トランプは「私の所有する不動産にはH-1Bビザが多数あります。私はずっとH-1Bビザが好きで、ビザを支持してきた」と同紙に語った。彼は、熟練移民労働者のためのビザは「素晴らしいプログラムである」と述べた。トランプのこのコメントは、通常ハイテク業界で働く技術分野でスキルのある専門職の人々に許可されるH-1Bビザ・プログラムを「ほとんど利用していない」ことを示唆している。トランプはこの特定のビザを高度技術の労働者ではなく、彼のゴルフ・クラブで掃除している労働者がH-1Bを保持しているという混同があることを示唆した。つまり、植物や芝の世話をする庭師や家政婦のような未熟練労働者向けに発行されるビザはH-2Bである。更に農業労働者向けにはH-2Aビザ・プログラムが利用されている。トランプが言及しているのはH-1Bビザではなく、H-2B及びH-2Aを利用していることを意味する。連邦政府のデーターを調査したニューヨーク・タイムスによると、「トランプの企業は過去20年間に2つのH-2プログラムを通して1,000人以上の労働者を雇用する承認を受けている」という。そして、トランプのH-1Bに対する立場は明らかに変化している。2016年に同氏は、H-1Bビザ・プログラムに反対し、「労働者にとって非常に悪い。廃止すべきである」と述べた。トランプ政権は2020年に、企業はアメリカ人を低賃金の外国人労働者に置き換える可能性があるとして、H-1Bビザを制限した。
要するに、マスクは次期大統領ドナルド・トランプに対して、海外からの熟練移民労働者をもっと増加するようアドバイスしているということである。トランプは、H-1Bビザに関しては2016年も2020年も一貫した態度であったが、なぜ今、その逆の政策であるマスクの方針を支持しているのか? 通常トランプは、彼が主張する政策には一貫性があるものの、今回非常に矛盾している。彼の態度の変化は、現在世界の富豪者の一人であり、彼の勝利に多額のお金を支出したイーロン・マスク大統領と呼ばれるマスクが、トランプに対して非常に影響力があることを示唆している。国内の労働者を訓練することと海外からの熟練移民労働者を増やすことのどちらが、米国の経済に利点が多いのかなどの観点から、経済専門家の意見を重視して決定するべきである。また、トランプの極右MAGA支持者は高度技術熟練者であろうと、肉体労働者であろうと、多様人種が米国で増加することに反対している。シリコンバレーのハイテク業界の熟練移民労働者はインド系が多いことから、トランプはマスクと極右派MAGA支持者の間に挟まれる危険性があることを示唆している。