政敵に対する調査の始まり?

ドナルド・トランプ大統領は27日、司法省の検察官らをほぼ全て解雇した。また、ワシントンの暫定連邦検事は、2021年1月6日の米国議会議事堂襲撃事件の訴追の取り扱いについて、彼らが暴動事件の被告250人以上を議会の公式議事妨害の罪で起訴したが、米国最高裁は昨年6月、この法律の適用範囲が広すぎるとの判決を下したため、真相を追記するための調査を行う事を発表した。トランプ指名の暫定連邦検事による1月6日の訴追に関する調査の開始は、政敵を調査すると選挙前に繰り返し主張したトランプの報復の第一歩か?。

ワシントンD.C.の暫定米国検事として2025年1月20日にトランプ大統領に任命されたエド・マーティン・ジュニアは、1月6日の訴追の調査を開始するため、 議事堂襲撃事件後の妨害行為の使用に関する「すべてのファイル」の提出を求めた。27日のワシントン・ポストの報道によると、マーティンは、ドナルド・トランプ大統領が自身に対する調査を「魔女狩り」として信用を失わせようとしている中で、広範囲にわたる捜査のうち最も訴訟の多い罪状のひとつに焦点を当て、米国議会議事堂襲撃事件の訴追の取り扱いについて事務所のトップ検察官2人に内部調査を依頼した。この展開は「司法省による最大規模の訴追で起訴された約1,500人全員にトランプ大統領が恩赦または減刑を与えた後に来ており、2021年1月6日の暴動に関する歴史の認識を変えるための動きの一環であり、司法省と情報機関に対し、内部の政治的偏向を調査するよう命じたトランプの大統領令後に来ている。マーティンは27日朝、職員に送った電子メールで、デニス・チャン刑事部長と詐欺・公的汚職・公民権部門の主任であるジョン・フックスの両氏を「特別プロジェクト」の責任者に任命したと述べた。同局は議事堂襲撃事件の被告250人以上を議会の公式議事妨害の罪で起訴したが、最高裁は昨年6月、この法律の適用範囲が広すぎるとの判決を下した。

電子メールのコピーを入手したワシントン・ポストの報道によると、マーティンは「明らかに、この使用は当局の大きな失策であり、真相を究明する必要がある」と述べた。同氏は31日までに予備報告書が提出されることを期待しているという。マーティンは、連邦妨害法の条項番号を使用し、「1512号告訴の使用に関連するすべての情報、すべてのファイル、文書、メモ、電子メール、その他の情報をジョナサンとデニスに渡してください。これについては包括的かつ断固とした対応をお願いします。この1512号プロジェクトは重要な仕事です」と書いた。マーティンの就任当初の行動は、「彼が議事堂侵入事件の捜査員の活動の検証を優先していること、そしてトランプ政権の指示を実行する上で彼が果たす役割を示している」という。マーティンは事務所の議事堂侵入検察ユニットを閉鎖し、その責任者であるグレッグ・ローゼンを解任した。マーティンは自身のオフィスにメールを送り、2020年に原付バイク運転手が死亡した事件で第2級殺人と司法妨害の罪で有罪判決を受けたワシントンD.C.の警察官2人を恩赦したトランプ大統領を祝福した。この事件はマーティンの前任者の下で働いていたキャリア弁護士らが起訴した事件である。

また、メッセージのコピーを入手したポストによると、同氏はオフィスの800人以上の職員に電子メールを送り、メディアに話さないよう指示し、「このような行為は容認しない」と述べた。そして、彼はバイデン政権の司法省が暴動に参加した1,500人以上を「無慈悲に」起訴したと非難し、バイデン政権と「全国の同盟国は、民主的なプロセスを覆すために、前例のない第三世界の検察権の武器化に従事した」と述べている。この命令では、司法省の監察官や職業倫理局が行うような倫理調査、刑事捜査、あるいはその他の調査など、いつ、どのような形で実施されるのかについて詳細に述べていないが、これは命令に反する行動があったとされる職員の「説明責任」を追及するプロセスの始まりであると述べられている。マーティンの調査は、命令と関連しているのか、あるいは同氏が自らの利益のため、あるいは司法省のために調査を実施しているのかは明らかではない。更に、マーティンは、どのような名称で呼ばれているかに関係なく、従業員に対し、「すべての DEI の取り組み」が中止されたと通知し、「スタッフはすべての DEI および関連する取り組み、資料、決定などをできるだけ早く私に報告してください。報告しないことは問題です」と書いた。匿名を条件に語った職員の一人は、職員たちは、同僚たちが自分たちの仕事やプログラムについて互いに密告し合うのではないかと怒り、恐れていると語った。同事務所の元職員らは、妨害容疑の捜査は不可解であると述べた。

司法省の報道官によると、マーティンが指令しているこの調査は、ジェイムス・マクヘンリー司法長官代行はトランプが2021年にホワイトハウスを去った後、2020年の選挙結果を違法に覆そうとし、機密資料を違法に保持し、返還を妨害した容疑でトランプを起訴したジャック・スミス特別検察官のチームのメンバー数名を解雇したのと同じ日に発表された。マクヘンリーは、彼が解雇した検察官らに言及し、「これらの職員が大統領の政策を忠実に実行するのを手助けするとは信じていない」と述べた。要するに、スミス特別検察官は辞職したが、スミスのチームであった検察官は政治指名者ではないため、トランプに忠誠心はないので、解雇したことを示唆した。

最後に、4年前の1月6日の事件を調査し、トランプを告訴したが、2024年11月6日に同氏は、大統領選に勝利したため、彼に対する告訴をキャンセルし、既に辞職したジャック・スミスは、トランプからの憎悪を直接浴びている事を示唆している。選挙勝利後、NBCのホストであるクリステン・ウェルカーとのインタビューで、時々見せる陰険な表情で「正直言って、ジャック・スミスは投獄されるべきです」と語った。トランプは数回、彼を告訴した検察官および批判した政界の大物に対する復讐を誓ったが、検察官に対する解雇はその一歩であるようだ。エド・マーティン・ジュニア(54歳)は、2020年の大統領選敗北後にトランプの「盗みを止めろ」運動を主催し、共和党が「政治的迫害の被害者」と呼ぶ1月6日の被告人のために資金集めを行った非営利団体の役員を務めた。同氏は、斧など危険な武器を利用して警官を襲撃した罪を認めたカンザスシティ・プラウド・ボーイズのリーダーを含む3人の被告人の弁護士でもある。そのようなワシントンD.C.の暫定米国検事が開始した1月6日の訴追の調査は明らかに、この事件でのトランプの告訴歴及びこの暴動の歴史を軽視または取り消す事を望んでいる大統領の意思を反映している。

1月6日の選挙結果を転覆するために議事堂襲撃を扇動したとされるトランプと彼の支持者である暴徒らに対する前代未聞の事件は、下院特別委員会と司法省の両方が調査を行なったが、トランプが11月の選挙に勝利したため、彼に対する告訴は、特別検察官ジャック・スミスによって却下されたにも関わらず、ワシントンD.C.の暫定米国検事エド・マーティン・ジュニアが再度調査するという動きは、調査に対する調査であり、2016年の選挙でトランプ陣営がロシアと共謀したとされる疑惑により穏健派共和党の特別検察官ロバート・ミュラーの調査に対しても逆調査が行われた事件と同様のパターンである。つまり、彼に対する犯罪捜査そのものが「でっちあげ」であるとのプロパガンダを拡大するための努力の一環である。そして、当時FBI共和党ディレクターのジェイムス・コミは、プーチンにモスクワで会ったマイケル・フリンを捜査していた。第1期のトランプ政権の外交政策顧問であり、元陸軍中将のフリンは、選挙運動中の2015年12月、モスクワでRTの記念会議に参加し、このイベントでロシアのウラジーミル・プーチン大統領の隣に座っていた写真が公開された記録がある。トランプはフリンに対する調査を停止するよう求めたが、その要請に応じなかったコミを2017年5月に解雇した。この一例に加えて、最初から司法省を武器化したのは誰かをマーティンは問う必要がある。

アメリカ・ウオッチ- Yuko's Blogをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む