
Photo credit : Pensions & Investments スコット・ベセント:1 月16日の上院財政委員会の公聴会
一時間後に追加修正(2段目の最後列)
ドナルド・トランプ大統領は週末にかけて10の行動を起こした。これはいずれも前代未聞の動きである。まさに、二期目のトランプは行政の権力をテストしていると言われているほど、脅威的な動きが注目されている。この10の行動の中で衝撃的な報告や今日進展があったことなどについて注目してみたい。米国の納税者は、米国議会のメンバーさえほとんど機会がない財務省の支払いシステムに一市民がアクセスできるという前代未聞の状況があることに警戒するべきである。それを認可した人物は1月27日に上院議会で承認された財務省の長官である。同氏は16日の米国上院財政委員会の承認公聴会で寡頭政治を認めたことを示唆した。
ジョー・バイデン大統領は1月15日送別のスピーチで、億万長者が政府を支配しようとする寡頭政治の危険性について警告した。翌日16日の米国上院財政委員会の承認公聴会で、バーニー・サンダースは、テクノロジー界の巨人であるイーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグを特に名指し、財務省長官の候補者であるスコット・ベセントに対して、「少数の人間がこれほどの富と権力を持っている」現状が「寡頭制の社会だとお考えですか?」と聞いた。ベセントは「あなたが挙げた3人の億万長者は、全員自力で金を稼いだ。マスクは移民としてこの国に来た」と述べた。サンダースは、これに対し「彼らがどうやって金を稼いだか」に関係なく、バイデンの懸念に同意できるかを聞いた。ベセントは「そうですね。バイデン大統領は、大統領自由勲章を彼の寡頭政治家にふさわしいと思われる2人に授与したことは注目に値します」と言った。ベセントはバイデンがジョージ・ソロスとデビッド・ルーベンスタインに授与したことを示唆したが、この両氏は、マスクのように政府に対する強力な影響力を与えようとしていない。以前ソロスの下で働いていたことで知られているヘッジファンドの億万長者ベセントは27日の上院投票で68(52人の共和党を含む)対29票で認可された。
金曜(1月31日)から日曜(2日)にかけて、トランプ大統領とイーロン・マスクは脅威的な活動に従事した。CNNニュースが3 日に箇条書きでTV画面に紹介しているその活動を概説すると次のようになる。 (1) 2021年1月6日の米国議事堂暴動事件を調査した検察官12名以上が米国司法省から解雇された。(2) FBIの上級職員は辞職または解雇を命じられた。(3) FBIはトランプまたは1月6日の事件に関わったすべての捜査官の名前を引き渡すよう命じられた。(4) USAID(米国国際開発庁)を解体する手順を命じた。(5) USAIDの治安当局者は、マスクの仲間が財務省の重要な情報にアクセスすることを拒否したため停職を命じられた。(6) 週末に数千の政府ウェブサイトのアクセスが全て閉鎖された。(7)国防総省はニューヨーク・タイムス、NPR、NBC、ポリティコを彼らの事務所から追い出した。これにより、トランプの忠誠者で築かれた要塞の透明性は非常に弱体化することを意味する。(8)CFPB(消費者金融保護局)の局長が解雇された。(9)大統領または彼の政権はパナマを脅迫 した。(10)大幅な新たな関税を発表した。
最後の関税については、2日に投稿した内容に変化はないが、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は3日、トランプ大統領との合意に至ったことを発表した。メキシコが不法移民と薬物の流れを阻止するために10,000人の軍隊をメキシコの国境に派遣すると約束したため、関税は1ヶ月間延期になると3日の今日報告されている。メキシコのみが物理的に何かを提供するという合意は、トランプ政権に多大な優位性を与えるため、更に何かを要求するため、関税を脅しの道具に利用しないという保証はない。
関税に加えて、週末にトランプ政権の脅威的な動きが報告されている。多くの国民が知らないUSAIDを解体するという動きはイーロン・マスクが「我々はUSAIDを閉鎖する」と言った後に来ている。マスクはソーシャル・メディアでの投稿で、USAIDを「犯罪組織」と呼び、「死滅する時である」と書いた。そして、マスクはトランプがUSAIDの閉鎖を許可したと言ったと3日に報告された。既に、先週トランプが対外援助の全面凍結を命じた時点で、USAIDに勤務する数百人の社内契約社員は無給休暇を命じられ、一部は解雇された。国務長官のマルコ・ルビオは3日の公的声明で、彼はUSAIDの代行長官を兼務すると伝えた。更に、衝撃的な出来事は、USAIDのトップの治安当局者は、マスクの仲間が財務省の支払いシステムにアクセスすることを拒否したため停職を命じられた。そして31日夜、マスクの仲間は、財務省の支払いシステムにアクセスしたというこの信じられないようなイベントについてニューヨーク・タイムスを含む複数のメディアが伝えている。同紙の2月1日の記事によると、上院議会に既に認可された財務長官スコット・ベセントは、マスクに財務省のデータにアクセスできる権限を与えた。「事情に詳しい5人の関係者によると、ベセント財務長官は金曜日遅く、いわゆる政府効率化局(DOGE)の代表者に連邦支払いシステムへのアクセスを許可し、イーロン・マスクが率いるDOGEまたはマスクのチームに「政府支出を監視し、場合によっては制限する強力なツール」を提供した。
マスクの部下らが連邦政府全体に代わって資金を送金する財務省の支払いシステムにアクセスすることを拒否した職業公務員の高官であるデビッド・レブリュクは、財務省高官との対立後に休職となり、1月31日に突然退職した。この結果、支払いシステムは「これまで法的な障害に直面してきた議会が特定の目的のために承認した資金の支出を一方的に制限しようとする新たな手段をトランプ政権に与える可能性がある」という別の懸念が生まれている。政府支出削減策を模索する幅広い裁量をトランプに与えられたマスクは最近、財務省の支払いプロセスにこだわっている」という。財務省の専門弁護士がマスクの部下のアクセス許可に署名したという。
DOGEは政府省庁ではなく、政権内のチームである。トランプの指示でマスクが組織化したもので、支出を削減し、連邦職員の規模を縮小し、官僚機構の効率を高める方法を模索して、連邦政府機関全体に広がっている。この取り組みに携わる人のほとんどは、マスクとその側近によって採用された。 DOGEチームは、財務省のように資金の流れを管理していない他の連邦政府機関のデータやシステムへのアクセスを要求し始めている。匿名者からの情報を引用したタイムスによると、現在支払いシステムにアクセスできるDOGE関係者の1人は、シリコンバレーの企業クラウド・ソフトウェア・グループの最高経営責任者トム・クラウスである。クラウスはレブリュクに参加を求めたが、拒否された後にレブリュクを辞職に追い込んだ。「財務省は通常、公務員が行うプロセスで、政府機関から提出された支払いを実行し、2023年度には5兆ドル以上を支出した。このシステムには、社会保障小切手、税金還付金、その他の支払いを連邦政府から受け取る何百万人ものアメリカ人の機密個人情報が含まれているため、これまでシステムへのアクセスは厳重に管理されてきた」という。ホワイトハウスはレブリュクの解雇を示唆し、財務省長官ベセントは同氏の休職を提案した。
しかし、民主党上院議員らは、この状況に警戒している。上院財政委員会の民主党トップであるオレゴン州のロン・ワイデン上院議員は、ベセントに宛てた書簡で、「法律を露骨に無視する政治屋が、これらの機密性の高い組織存続の不可欠なシステムにアクセスする必要がある理由を思いつかない」と述べ、ベセントが連邦政府の決済システムを危険にさらしていると警告した。 彼は「率直に言って、これらの決済システムは絶対に破綻してはならないし、政治的動機による介入はわが国と経済に深刻な損害を与えるリスクがある」と、膨大な資産を持つ億万長者のマスクには利益相反の可能性があると指摘した。また、 ワイデンは土曜日に「情報筋によると、ベセント財務長官はDOGEにこのシステムへの完全なアクセス権を与えたとのことです。社会保障やメディケアの給付、助成金、政府請負業者への支払い、マスク自身の会社と直接競合するものも含むすべてである」とソーシャル・メディアに書いた。
最後に、週末の10の動きは、解雇が目立っていることに注目するべきである。ここまでする必要がある理由は何か?また、セキュリティ・クリアランス(安全保障のスクリーン検査に合格すること)のない一般市民は、政府のどの情報にもアクセスすることはできない。特に財務省と国務省はもっとも機密情報を扱う機関である。タイムスによると、支払いシステムへのアクセスを許可されたマスクの部下らは「財務省職員となり、政府の身元調査に合格し、必要なセキュリティ認可も取得した」という。タイムスは、これについて匿名で同紙に語った情報提供者が現在のトランプ政権の人々であるかどうかについて伝えていない。第一期目のトランプ政権下で、大統領顧問であったトランプの娘婿ジャレッド・クシュナーは2017年に、個人情報の提供を拒否したため、身元調査に合格しなかった。正当なプロセスを踏まえず、トランプはセキュリティ・クリアランスを認可する可能性を考慮すると、この記事には幾つかの不透明な点もある。この記事は著名な記者も含めて4人が調査に基づき掲載したものであるが、マスクの部下のアクセス許可に署名した財務省の専門弁護士が誰であるかも明らかにしていない。明確にしたのは、財務省の支払いシステムにアクセス可能な個人一人だけの身元である。マスクは薬物利用があり、彼個人の財務状況を提供しないためセキュリティ・クリアランスを保持していない。この億万長者は、米国議会の権力より遥かに、威力があることを示唆する何か表現し難い不気味な状況が感じられる。