トランプはまたもや法律違反の非難と訴訟に直面

Photo credit : ABC News 2025年2月3日USAID本部前の建物の前

昨夜から今日にかけて注目すべき進展は、複数の組織が財務省の重要なデーターにイーロン・マスクのアクセス認可した財務省を告訴したことである。昨日からトランプの政策に反対する一部元共和党関係者と米国議会の民主党議員および一般市民によるプロテストが開始された。議員らは黙って座っていないとして、USAID(米国国際開発庁)の解体に反対する抗議活動を開始した。議会は公文書を発行し、現在トランプとマスクが行なっているUSAID解体は、大統領の権限の範囲を超えていると指摘した。

USAIDは、民間の対外援助と開発援助の管理を主に担当する米国政府の独立機関として1961年1月20日に就任したジョン・F・ケネディ政権下で1961年11月3日に設立され、本部はワシントンD Cにあるロナルド・レーガンの建物に設置されている。USAIDは世界最大の公的援助機関のひとつであり、数千人の契約業者は海外での人道支援の提供や米国の外交政策を推進している。USAIDは主にアフリカ、アジア、ラテン・アメリカ、東ヨーロッパ、中東の100以上の国を援助している。1月20日に就任して以来、二週間が経過したトランプ大統領とイーロン・マスクは、USAIDの解体を試みているだけでなく、財務省の機密性の高い情報にアクセスするという前代未聞の行動に従事している。

一方、これを阻止する動きも活発になった。上院・下院議会の民主党リーダー及びUSAID職員らは、2025年2月3日USAID本部前の建物の前で、USAIDを閉鎖するトランプ大統領とイーロン・マスクに対する抗議活動を開始した。この抗議活動は、マスクが閉鎖すると発表した直後、東部時間午前12時45分頃に異例の全職員向け電子メールが送られ、出勤しないよう指示された後に来ている。しかし、現場事務所の大半の職員を占める数百人の請負業者は、週末に公式のメールやシステムにアクセスできない状態に直面した。テキスト・メッセージでの通知を受けた職員もいるが、3日朝には、多くの公務員も自分のアカウントにログインできなくなったとことに気づいたという。また、100人を超える米国USAID職員は、ワシントンのロナルド・レーガン・ビルの前に集まり、閉鎖に抗議した。彼らの多くが米旗や「民主主義は自己満足で死んだ」などと書かれた手作りのプラカードを掲げた。彼らに加わった民主党議員らは閉鎖に激しく反対し、抗議者を煽動して特にマスクを非難した。元憲法学者の民主党下院議員ジェイミー・ラスキン(メリーランド州)は、集まった人々に「米国にはイーロン・マスクという第4の政府機関はない」と語った。マスクに直接語りかけた同氏は「米国民の金銭を管理しているのは米国議会である」と抗議した。上院民主党少数派のリーダーであるチャック・シューマー(ニューヨーク州)は3日、議場でのスピーチで、「一方的にUSAIDを閉鎖するのは違法です。ドナルド・トランプには、議会が設置した独立機関を消滅させる権限はありません。国務省もUSAIDを吸収することはできません。特に、吸収できるものが基本的に何も残っていないからです」と述べた。

Photo credit : The Independent

ニューヨーク・タイムスが3日に伝えたところによると、シューマーの議場でのスピーチは、国務長官のマルコ・ルビオが同日にUSAIDの長官代行に就任したと発表した後に来ている。実際には独立した機関であるため、彼が管理することはできないことを明白にした。ルビオの発表は、人道支援と開発援助の政府主導機関USAIDで1週間前から大幅な変更が行われた後に来ている。高官らは停職処分となり、何百人もの公務員と請負業者は予告なしに彼らの仕事から締め出された。削減の多くは秘密で予告なしに実施された。トランプ大統領から政府支出削減タスクフォースのリーダーとして任命されたイーロン・マスクの代理人が、援助関係者や議会民主党議員の反対にもかかわらず、その運営を引き継いだためである。エルサルバドルを訪問しているルビオは記者団に対し、USAIDのプログラムの多くは価値があり、国務省の傘下で継続されると述べ、日々の業務を国務省の対外援助局長ピート・マロッコに委任すると述べた。ルビオは、外交問題および関連歳出に関する下院および上院委員会の共和党および民主党のトップ議員に宛てた書簡で、マロッコは「USAIDの活動の見直しと再編を開始し、効率を最大化し、国益に沿うようにする」と述べた。ルビオは、見直しにはプログラム、プロジェクト、局、センター、事務所の「停止または廃止」が含まれる可能性があり、USAIDは「適用法に従って廃止される可能性がある」と付け加えた。

しかし、2025年2月 3日に公開された議会リサーチ・サービスのサイトに掲載された「トランプ政権下のUSAID」と題する公開文書によると、トランプ大統領およびイーロン・マスクが行っていること、さらに国務省長官マルコ・ルビオが発表した「これらの措置は、ほぼすべての対外援助を90日間「一時停止」するという1月20日の大統領令後から起きている「混乱」が理由であると示唆している。そして、「これらの展開は、USAIDとそのプログラムの認可、資金提供、監督を行う議会に多くの疑問を提起している。これには、大統領に機関を廃止する権限があるかどうか、大統領が機関を再編できるかどうか、そして、そのような措置が実施された場合にUSAIDの資源はどうなるかなどが含まれる」と述べている。また、「大統領は USAID を廃止、移動、統合できますか? 」との疑問を提起し、議会はUSAID を行政府内の独立した機関 (5 U.S.C. 104) と定義して設立したため、大統領には廃止する権限がありません。USAID を廃止、移動、統合するには議会の承認が必要です」と明確で冷静な回答を提供している。

加えて、複数の連邦職員組合は、マスクのチームに財務省の支払いシステムにアクセスする事を許可した財務省とマスクのチームの行動を阻止するために告訴した。この告訴は、財務省を乗っ取り、ほぼ機密情報である兆ドル単位に及ぶ政府の支払いシステムに億万長者がアクセスすることをブロックするためである。この訴訟を提起したグループは退職アメリカ人同盟、アメリカ政府職員連合会及び従業員国際サービス組合である。彼らは、マスクの行動は「連邦政府とビジネスに関係のある数百万の連邦職員及び個人データーを公式に認可されていない政府効率化局(DOGE)に暴露する危険が伴う不法行為」であると主張している。このグループは、ワシントンDCの連邦裁判所に提起された申し立てで、「プラバシーに対するこの不法侵入は莫大であり、前代未聞である」と述べている。同グループは、1974 年プライバシー法に違反していると述べている。

司法省のプライバシーおよび公民権局サイトによると、1974 年プライバシー法(改正後、5 U.S.C. § 552a) は、「連邦機関の記録システムで保持される個人に関する情報の収集、保持、使用、配布を規定する公正な情報慣行の規範を定めている。記録システムとは、機関の管理下にある記録であり、グループ、個人の名前または個人に割り当てられた何らかの識別によって情報が取得される。プライバシー法では、政府機関が記録システムを連邦官報に掲載して公に通知することを義務付けている。プライバシー法では、12 の法定例外のいずれかに従って開示される場合を除き、個人の書面による同意がない限り、記録システムから個人に関する記録を開示することを禁止している。また、この法律では、個人が自分の記録にアクセスして修正するための手段を提供し、機関のさまざまな記録保持要件を定めている」と解説している。

要するに、USAIDのプログラムの多くに価値があるなら、廃止される可能性があるという国務長官マルコ・ルビオの発言は矛盾している。特に、解体の準備はほぼ全てが秘密で行われた後に、エルサルバドルから発表したのは計画的であることを示唆している。ルビオの加担も含めて、議会は3ページの公開文書を通して、USAIDの解体は大統領には権限がないと抗議している。しかし、議会は、USAIDの解体について、大統領を告訴していないため、穏やかな文書による議会の抗議は簡単に無視される可能性があるが、議会抗議活動を通して、沈黙を続ける意図はないことを示している。加えて、マスクと彼のチームが、個人情報が含まれる財務省の支払いシステムにアクセスすることは法律違反であるとして、複数の連邦職員組合は財務省に対する訴訟を提起した。トランプの大統領令が明らかに不法である場合、それは必ず告訴に発展するという別の例であるため、トランプ政権はその度に法廷争いに直面するケオスを繰り返すことになる。

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