上院議会は6日東部時間午後7時半頃、プロジェク2025の著者であり行政管理予算局の局長に指名されたラッセル・ヴォートを53対47票による完全な党派ラインで承認した。これは予測されていたことである。ヴォートはどのような背景がある人物か?彼が承認されたことは何を意味するだろうか?
ラッセル・ヴォート(48歳)は、アメリカ海兵隊の退役軍人であるサーロー・ヴォートと小学校教師のマーガレット・ヴォートの間に生まれた。イリノイ州のウィートン大学で学士号を1998 年に取得し、2004 年にジョージ ・ワシントン大学法学部で法務博士号を取得した。ヴォートは長年ヘリテージ財団のロビー活動部門であるヘリテージ・アクションに勤務し、共和党研究委員会の事務局長および予算担当責任者を務めた。トランプの第一期目の2018年に行政管理予算局(OMB)の副局長を務め、2019年から2020年まで局長代行を務めた。更に、2020年7月から任期最後の2021年1月までOMB局長を務めた。従って、トランプ大統領の2度目 OMB局長となる。ヴォートは、任期を終えた2021年1月に、アメリカを「神の下にある国家」と主張する組織である保守派のキリスト教団体「アメリカ再生センター」を設立した。そして、ヘリテージ財団の物議を醸すプロジェクト2025の主要顧問であった。
プロジェクト2025の構想に沿って、来年度は1兆ドルの赤字削減が可能だと約束しているイーロン・マスクは政府効率化局(DOGE)のリーダーとして、連邦政府機関全体のコスト削減活動を行なっている。ワシントン・ポストが6日に伝えたところによると、「その仕事の一部はヴォートにも委ねられており、新OMB長官としての彼の最初の責任には、来年度に向けた大統領の予算案の作成が含まれる。彼はまた、3月中旬に期限が切れる現在の合意に基づき、政府資金の延長に向けて議会と協力するとともに、債務上限引き上げに向けた政権の取り組みを支援しなければならない。債務上限引き上げにより、ワシントンは以前に承認された支出を賄い、既存の債務の利子を支払うためにより多くの資金を借り入れることができる」と伝えている。古参のベテラン共和党上院議員チャック・グラスリー(アイオワ州)は6日、「連邦政府が年間2兆ドルの赤字を出し、国家債務が37兆ドルに迫る中、財政的に健全な予算はこれまで以上に重要です。私はヴォートが大統領に新たな財政路線を描く手助けをしてくれることを期待しています。それは簡単な仕事ではないでしょう」と語った。
ヴォートは先月の上院予算委員会公聴会での証言で、議員らに対し、節約を追求するため、政権はメディケイドを含む連邦の貧困対策プログラムを削減し、一部は受給者に就労要件を課すつもりだと再確認した。ヴォートは、パンデミックの最中に議会がほとんど新たな要件を課さずにこれらの取り組みを拡大したことを受けて、こうした取り組みにより「かなりの節約と改革が実現できる」と述べた。ヴォートは、大統領が連邦資金を差し押さえるという選挙公約の実現も目指すと繰り返し強調した。予算管理局長は、差し押さえに対する規制は「違憲」であるというトランプ大統領の意見に同意すると述べた。差し押さえの問題は、ヴォートがOMB局長を務めた最初の任期の終わりにも同様に浮上した。同局の職員らは、政権がウクライナへの支援物資の配送を違法に遅らせたと警告したためである。多くの民主党議員らは、トランプがホワイトハウスに戻ってからわずか数日後に「連邦政府支出を標的にした最初の大統領令で、トランプは議会を迂回すると改めて示された」とみている。
最後に、トランプの一期目もOMB局長を務めたラッセル・ヴォートは、現在のような論争的なプロジェクト2025の策定に関与しておらず、ほとんど目立たない存在であった。イーロン・マスク及びヴォートらの多大な協力を得た二期目のトランプは、政府を改革する急速な動きを示すことで行政権のパワーをテストしている可能性がある。トランプ、ヴォートは連邦資金または物資を大統領が差し押さえることを違反でないと主張していることもその一例である。しかし、2025 年 1 月 29 日の下院議会の文献「トランプ大統領の大統領令における違法な差し押さえの背景」によると、「法律で制定された予算を遅らせたり取り消したりするために行政機関が一方的に行う措置は常に違法であった。我々のファクト・シートが示すように、後に米国最高裁主席判事ウィリアム・レンクェストが書いた意見書を含めて、米国最高裁はいずれもトランプ陣営の一部が法的または文言上の根拠なしに主張しようとした『大統領固有の差し押さえ権限』という考えを否定している」と説明している。
上院共和党議員によって、2度目の OMB局長として認可されたラッセル・ヴォートは大規模な支出削減を追求する保守派の「財政タカ派」であると言われている。数週間後の議会は、債務上限の問題や継続予算法案を可決する必要がある。共和党全員の投票で承認されたヴォートは、議会の責任を共有することで、政府閉鎖と債務不履行を防ぐ責任がある。民主党議員らは、トランプが二期目に就任した直後に、大統領は以前よりもっと議会の権威を無視すると感じたが、共和党上院議員らは明らかに、彼らの権威とチェック及びバランスが軽視されてもそれに対抗する勇気はないことを示唆している。今週から始まった一般市民によるプロテストは2年後の中間選挙の結果を予測できる兆候があることを示唆している。