
Photo credit : The New York Times キューバ・グアンタナモ湾 (右側下:刑務所の複合構造の建物、左側下:移民のテント・キャンプ)
トランプ政権は移民政策でも複数の訴訟に直面にし、混沌に満ちている。ドナルド・トランプ大統領は1月29日に移民取り締まりの一環として、米国に不法滞在している疑いのある移民約30,000人をグアンタナモに移送すると発表した。従来、これまでの大統領は、テロリストのみをキューバにあるグアンタナモ湾海軍基地に移送したが、犯罪歴は全くない外国人も同様の処置に直面しているため、法的問題が浮上している。連邦裁判所はトランプ政権下の非人道的な移民送還装置をブロックしている。そして、一部の宗教団体は非合法の移民処理に対して、国土安全保障省(DHS)を告訴した。1月25日に米国上院議会で59対34票の投票でDHSの長官として承認されたクリスティー・ノームは就任早々から、移民問題で訴訟に直面している。
ドナルド・トランプ大統領は先月末の覚書で、最大30,000人をグアンタナモ湾に拘留する計画を発表した。グアンタナモ湾海軍基地の刑務所は、2001年9月11日の同時多発テロ攻撃事件後に設立され、テロリストを収容する軍事刑務所として知られている。しかし、最初の移民グループはこのキューバのグアンタナモ湾にある一時収容施設に送られたことが2月5日に報告された。トランプ政権は4日米国から移民を飛行機で送り、その後他国に強制送還し始めたと発表した。しかし当局はグアンタナモに送られた移民の数を公式に発表していない。一部の弁護士はこのような措置の合法性を疑問視していた。法的問題に直面している中で、DHSは軍用機でグアンタナモに移送される手錠をかけられ、グレーのスウェット・スーツを着た複数の男性がベネズエラの組織犯罪グループであると描写した写真を公開した。
連邦裁判所は9日、トランプ政権による移民取り締まりの一環として、ニューメキシコ州で拘束されているベネズエラ人移民の3人をキューバのグアンタナモ湾海軍基地に送還することを差し止めた。CBSニュースの報道によると、国土安全保障長官クリスティー・ノームは先週、グアンタナモに収容者を乗せた飛行機が着陸したと報告した。移民権利団体は7日、同基地を「法的なブラックホール」として利用すべきではないとして、同基地に送られた人々との面会を求める書簡を送った。 9日早朝に提出された法廷文書で、弁護士は「政権がグアンタナモ収容所で優先的に拘禁されている人々は、エルパソ地域でトレン・デ・アラグア・ギャングとのつながりがあるとする虚偽の容疑で逮捕されたベネズエラの移民男性たちであると述べている。同弁護士は、ニューメキシコ州連邦地方裁判所に対し、彼らの移送を阻止する一時的な差し止め命令を要請し「政府が法的手続きや弁護士との面会をめぐって作り出した不確実な主張だけでも、この控えめな差し止め命令を認可するのに十分である」と述べた。
加えて、キリスト教とユダヤ教のグループは11日、トランプ政権が従来の慣行を破り、教会や礼拝所に侵入し、不法移民を逮捕すると言う移民執行の政策をめぐり国土安全保障省に対して訴訟を提起した。同日のニューヨーク・タイムスの報道によると、これまで移民法執行局は移民法執行活動の際、教会、学校、病院などの敏感な場所を避けていた。しかし、トランプ大統領は、移民法執行局職員が制約なしに不法移民を逮捕するため、就任後最初にこの従来の方針を撤回した。宗教団体は訴状の中で、トランプ大統領就任後最初の日曜日にアトランタ郊外で移民・関税執行局(ICE)に逮捕されたホンダラス人の亡命希望者に関するニュース報道を引用している。この男性は「2022年に入国し、許可なく国境を越えて国境職員に自首し、移民裁判の公正なプロセスのために、バイデン政権下で拘束されることなく、足首に監視装置がつけられていただけであった。訴状は、トランプ政権のICE職員は足首に監視装置をつけている移民を逮捕の標的にしていたという。
タイムスによると、ワシントンD C特別区に提出された訴状の中で、弁護士らはすでに政府に追跡されている人物を礼拝所で逮捕することは、1993年の法律である宗教の自由回復法の法的免除となるような正当な緊急事態例ではないと主張している。弁護士らは、これは憲法修正第1条の宗教の自由を実践する権利の侵害であるとし、訴状で「国土安全保障省が移民法の執行にどんな利益を持っていたとしても、原告の宗教的実践への干渉がその利益を満たす最も制限の少ない手段であることを立証する責任を果たすことはできない」と述べている。また、訴状はトランプ政権がこのような従来の慣行を撤回するには十分な正当性がなく、法律に違反していると非難している。
要するに、トランプ政権の強制送還政策で法的問題が起きている事件はギャングとのつながりがあるとする容疑で拘禁されているベネズエラの3人の移民に対する移送を阻止する一時差し止めを求める訴訟である。また、複数の宗教団体は、移民取り締まりを巡って、従来の慣行を破り、教会や礼拝所に侵入したとして、DHSを告訴した。ドナルド・トランプ大統領は数百万人を強制送還すると公約している。2023 年 7 月の最新の記録では、米国の不法滞在者数は推定約 1,170 万人であり、前年の 7 月と比較して約 80 万人増加した。トランプ大統領の国境担当官トム・ホーマンは11日の今日、移民関税執行局の逮捕者数に「満足していない」と述べた。ICEは1月23日から31日までに1日平均で787人を逮捕し、過去18日間で約11,000人を逮捕した。しかし、健康上の懸念、収容スペースの不足、その他の要因により、461人の不法移民が拘留から解放された。トランプ大統領は、不法移民の強制送還数を増加する方針であり、複数の部署に協力を求めているようである。例えば、米国とメキシコの国境での移民取り締まりを支援するため、内国歳入庁(IRS)の職員を派遣するよう国土安全保障省に要請した。DHSの長官ノームは7日に、財務長官スコット・ベセントに書簡を送り、犯罪捜査官に人身売買ネットワークの捜査と不法移民を雇用している企業の発見を支援するよう要請したと報告されている。ドナルド・トランプは、ほぼ毎日訴訟問題に直面しているようであり、彼に第一期の就任に比較すると、政権の法的混沌は極めて増加している。その理由は三権分立の法則も含めて、無謀に法律と憲法を無視し、大統領としての権力を可能な限り拡大しようとしているからである。