ドナルド・トランプ大統領は16日独立機関のリーダーの解任許可を求めて米国最高裁に上訴した。トランプ政権は、個人が告訴した解雇のケースで、連邦地方裁判所と連邦控訴裁判所の両方で不利な立場に置かれた後、大統領の解雇の権利を認めるよう米国最高裁に要請した。これは就任以来、次々に訴訟が起きている中で、最高裁まで進んだ最初の訴訟事件である。
特別検察官の事務所の主任であり、特別検察官であるハンプトン・デリンジャーはわずか一行のメッセージで理由がなく解雇された後、トランプ政権を告訴した。彼は訴状で、「職務怠慢、不正行為、不効率性」を除き、大統領による突然の解雇は、独立機関のリーダーを保護する法律に違反していると述べている。ピッツバーグ大学によると、「米国連邦政府の独立機関は、連邦行政部門の外に存在する機関である。より具体的には、この用語は、憲法上は行政部門の一部であるものの、大統領には独立した機関長またはメンバーを解任する権限が制限されている」と説明している。
デリンジャーは2024年2月7日にジョー・バイデン大統領に任命され、その時点から5年の任期が与えられているため、まだ4年間の任期がある中で、理由が説明されていない突然の解雇は論争的な問題として注目されている。同氏は2月10日にワシントンDCの連邦裁判所に訴訟を提起し、すぐに現状を維持するため一時差し止め命令が下された。トランプ大統領の弁護士は2月12日にワシントンDCの巡回控訴裁判所に控訴したが、一時差し止め命令を無効にする政府の控訴を審査する法的権限がないとして却下した。そして16日、大統領は最高裁が決定するよう緊急要請を申し出た。最高裁に対するに日曜日の緊急上訴は、最高裁判事らが早急に対応する可能性があり、今週早期に何らかの決定が下されると予測されている。
また、1月25日までに報告されている人数は情報筋により異なるが、トランプは17人または18人の独立機関の監査官を解雇しているため、デリンジャーに対する最高裁の決定に対する反応は、善悪両方の意味で、連鎖反応を引き起こす可能性がある。トランプの手段は法律を検討する前に行動を起こし、訴訟に発展すると、彼が指名した3人の保守派判事がいる最高裁に依存する傾向がある。しかし、二期目のトランプ政権の行動は、大統領の権限がどれほどあるかを試すためであると見られている。そして2024年7月1日に米国最高裁の首席判事ジョン・ロバーツは彼の意見書で、大統領の憲法上の公務には告訴から大幅な免責があると判定した結果、顕著な影響を与えている。トランプ大統領の弁護士は、大統領の解雇を擁護する反論として、最高裁のその免責判定を利用している。別の言い方をすれば、大統領はロバーツ判事の判定が実際には彼にどれほどの権限を与えているかを自身の実際の行動によって理解しようとしているように見える。大統領の独立機関のリーダー達を解雇する権限には限度があると解釈されている中で、最高裁の決定の余波は多大であると予測できる。
現在、トランプとイーロン・マスクは、米国政府を縮小する目的で、次から次に政府職員を解雇している。The Hillが2月15日に公開した記録によると、既に解雇した部署と人数は以下の通りである。
❶ 内務省(DOI)は人事管理局(OPM)の命令に従い、約2,300人の職員を解雇した。
❷ 退役軍人省(VA)は 新任のダグ・コリンズ長官が率いる退役軍人省(VA)が1,000人以上の新規職員を解雇した。
❸ 環境保護庁(EPA)は OPMの指示を受けて約400人の職員を解雇した。
❹ 消費者金融保護局(CFPB)は試用期間中の100 人以上の職員を解雇した。
❺ 米国農務省(USDA)は農務省傘下の米国森林局が労働力の約10%に相当する2,400人以上の職員を解雇した。
今後解雇の予定があるのは保健福祉省(HHS)が試用期間中の職員5,200人全員であるが、専門技能を持つ職員の一部は引き続き勤務する可能性がある。その結果として、疾病予防管理センターは最大1,300人の職員を失う可能性がある。また、中小企業庁(SBA)は試用期間中とみなされる職員100人以上が解雇通知を受け取ったという。
要するに、特別検察官ハンプトン・デリンジャーが提起した訴訟はトランプ政権の前代未聞の法的トラブルの一つである。この訴訟の原告デリンジャーは2024年にバイデンに指名された後、5年の任期として公式に上院議会によって承認されていることから、議会の認可なしに独断で解雇することは三権分立の規定を無視しているだけでなく、違法であるとの見方がある。特に、解雇命令には理由が記載されていないことが原告に主なメリットを与えている。なぜなら、トランプ政権は解雇の法的プロセスに従っていないため、違法であると決定される可能性がある。少なくとも、時々独立派として3人のリベラル判事に参加する首席判事ジョン・ロバーツと、トランプに指名された3人中の一人であるエイミー・コニー・バレット判事は恐れることなく、法律に従うと幾人かの専門家は16日のテレビ・ニュースーで楽観的に語っている。しかし、独立機関のリーダーを解雇した大統領を最高裁が認可したような同様の判例がある場合、状況は異なる場合もある。