トランプは独裁主義に向かっているか?

ホワイトハウスは19日、ドナルド・トランプ大統領が金の冠を被った写真と彼が永遠の王であると示唆するメッセージを投稿した。そして、第三期もホワイトハウスに残るという憲法違反の考えを再度浮上させている。この不気味な状況は、法律や憲法に左右されない独裁者が台頭する可能性について、専門家はトランプが王のような独裁者になることを望んでいるのかとの疑問を提起している。

Photo credit : ABC7 News

ホワイトハウスは19日午前9時31分にトランプが冠を被った写真をXに投稿した。しかしその写真とメッセージの「渋滞料金は死んだ。マンハッタンとニューヨーク全体が救われた。王よ、永遠に!–ドナルド・J・トランプ大統領」は22日に削除されている。渋滞料金はマンハッタンの60番街周辺の交通に支払うことを要求するニューヨークの規定である。この規定は平日の午前5時から午後9時まで、週末の午前9時から午後9時までのピーク時間帯に道路に入る車は1日9ドルの料金、その他の時間帯は、2.25ドルの料金を支払うというシステムである。トランプ政権は、この規定の廃止を試み、トランプはこの動きを祝って、写真とメッセージを投稿したのである。ニューヨーク市の都市圏交通局は、特定の交通量の多いエリアに入る車に通行料を課す市の渋滞料金制度を一方的に停止した後にトランプ政権を告訴した。ニューヨーク当局は、トランプ政権の動機は政治的であり、恣意的で違法であると主張している。また、渋滞料金制度はすでに交通量の削減、大気質の改善、公共交通機関の利用者数の増加に成功していると述べている。

トランプの19日の金の冠を被った写真と彼の投稿は、彼が米国を王のように運営することを望んでいると分析されている。王になれば、法律や憲法に従う必要はないため、2028年後も彼がホワイトハウスに留まる意図があると見られている。ワシントン・ポストの20日夜の報道によると、トランプ大統領が数日間にわたり、自身を王と呼び、独裁者の言葉を引用して自分は法律を遵守する義務を負わないと示唆した後に、第三期就任の発言をしたという。この考えを浮上させているのは、過去に数回あり、最近、繰り返し発言していると言われている。「トランプの発言がエスカレートするにつれ、批評家らの間ではさらなる警戒感が高まっている。彼らは、同氏が独裁主義的なやり方で政治を行っており、2020年の選挙で敗北した後に試みたように、非民主的な形で権力を掌握しようとするのではないかと懸念している」という。しかし、合衆国憲法修正第22条は、大統領が2度以上大統領職に就くことを制限している。トランプは20日にホワイトハウスで開催された黒人歴史レセプションのイベントで、ゴルフ界の有名なタイガー・ウッズや他多くのセレブを招いて、祝賀レセプションに出席し、賑やかな観衆の拍手を浴びた。彼は、再び立候補する意向を示した後、自分の発言を中断し、聴衆にもう一度立候補すべきかどうか尋ねた。賛成の声に応えてトランプは、笑いながら聴衆に手を振って注目を浴びたという。

そして、大統領を独裁的にする要素は議会共和党議員らにも責任があるかもしれない。ドナルド・トランプは、議会がほとんど大統領に抗議しないため、益々強気になり、大統領の権限を次から次に試しているように見える。ご承知のように、就任1ヶ月目の20日に公開された最新の世論調査では大多数の有権者は彼の行動が大統領の権限を超えていると感じている。権限を超えた行動は、独裁者の要素を一部覗かせていることを示唆している。シドニー大学は実際に、「トランプは本当に独裁者になりたいのだろうか? 」との疑問を提起している。 2024年7月27日、トランプはキリスト教信者の群衆に対して11月の選挙で彼が勝利すれば、もう投票をする必要はないと意味不明の発言で、「キリスト教徒の皆さん、今度こそ投票に出かけましょう。….. 4年後には、もう投票する必要はありません。私たちは、皆さんが投票しなくても済むように、状況を改善します」と述べた。幾人かの民主党は、この言葉は「トランプの独裁的野望の証拠」であるとして批判した。また、キリスト教指導者を公職に選出することを支援する団体であるアメリカ再生プロジェクトの創設者デイビッド・レーンは、トランプの発言が将来キリスト教徒の投票意欲をそぐ可能性があると懸念し、「建国の父たちが築いたユダヤ・キリスト教の伝統と聖書に基づく文化に戻るためには、2028年、2032年、2036年に福音派は公民権を新たなレベルに引き上げなければならない」とワシントン・ポスト紙に語った。

加えて、トランプ政権が独裁的に見える別の兆候は、彼の政策に沿ってDOGE(政府効率化局)の運営者として指名されたイーロン・マスクが、政府職員を採用する際に、人種や皮膚の色に関係なく平等に起用していたバイデン政権の政策を廃止し、理由もなく、次から次に職員を解雇していることである。多くの部門で雇用後から一年以下の試用中の職員を解雇しているが、不注意に安全保障に関連する重要な職務の人々も解雇された可能性があることは既に報告された通りである。そしてDOGEは、人々の健康に関連する分野および災害地での家を失った人々に提供する援助資金などの予算も削減していると伝えられている。

例えば、政府予算を90日間凍結するという政府の対応では、裁判所での紛争で「トランプが裁判官に公然と反抗する赤線に近い」と専門家は指摘している。連邦裁判所は20日、ドナルド・トランプ大統領による、数兆ドル以上の連邦政府補助金や融資の凍結、数十億ドル以上の対外援助の停止、米国国際開発庁の解体の試みを阻止したと報告された。特定の取り組みを阻止するよう裁判官から命令が下された中で、トランプ政権は裁判所に対し、まだ行動する権限があると対抗した。政権は少なくとも一部は、望むことを実行する法的権限をまだ有していると述べており、トランプ大統領の行動に反対している人々は、大統領が判事の命令に従わなかったと非難している。法律専門家は、トランプ大統領とその側近や顧問らが大統領の強力な権限を主張する中、「政権の強引な行動は裁判所命令を公然と無視するという一線に近づいている」と述べた。その「最も劇的な例」は20日に起きた。連邦地方裁判所のアミール・アリ判事は、トランプ政権に対し、対外援助の90日間の停止を解除する暫定的差し止め命令に従うよう命じた。アリ判事は「暫定的差し止め命令は、被告が単に新しい法的権限を探し、それを主張して、差し止められた政府機関の行動を事後的に正当化することを許可していない」と判定書に書いている。

 予算の削減計画はエスカレートし、郵便公社を民営化する一歩として、郵便公社の委員会メンバーを解雇し、政権の商務省の傘下に置く計画があるとワシントン・ポストとWSJが20日午後に伝えた翌日の21日、株式市場は昨年8月以来の急落があった。この事態を受けて、ホワイトハウスはそのような計画はないと否定したが、トランプは第一期でも同様の計画を浮上させたことがある為、メディアが根拠なく報告したわけではない。

また、独裁主義の別の要素は報復である。選挙前に繰り返されたトランプ報復の言葉は現役の議員にも多大な影響を与えている可能性がある。第一期中2020年11月から2021年1月までトランプ政権下で米国国防長官首席補佐官であったキャシュ・パテルは、トランプを批判し、調査した人物に報復すると脅し、トランプの言葉に同調し、陰謀論を語ることで知られていた。上院共和党議員らは、これまで論争的であったトランプの長官指名者をすべて承認した。その中で最も投票が遅れたパテルは、20日51対 49票の狭いマージンでFBIディレクターとして米国上院議会で承認された。彼に反対票を投じた二人の共和党は穏健派のスーザン・コリンズ(メイン州)とリサ・マーカウスキー(アラスカ州)だけであった。

しかし、米国はまだ独裁政治にはならない側面も多数ある。全米で、大量の解雇と予算削減に影響を受けている地域ではタウンホール集会が行われ、知事、米国下院議員らが地元の人々から、怒りに満ちた質問攻めを受けている場面が見られる。ドナルド・トランプは米国優先および米国の労働者を援助するとの政策を打ち出して勝利したため、実際に彼が就任した後に見られる状況は「裏切られた」という不満に達している。指導層が法律や憲法に従う必要のない独裁主義を望んでいたとしても、人々は抗議活動と集会を通して立ち上がっている。抗議のパワーは目には見えない影響力があると思われる。つまり、この状況は2026年の中間選挙では、特に下院議会の共和党議員らが、多数派を失う可能性があると早々に予測されている。有権者は、相次ぐ訴訟の混沌を見ている中で、トランプに対する訴訟は21日には31件に増加した。この中で最も多いのは予算の凍結であり、二つ目に多い法廷での争いは公務員の解雇である。トランプは議会共和党の多数派が声を上げれば、ブレーキをかける可能性があるものの、共和党議員らは、トランプの暴力的な支持者の脅しに恐れているか又は次の中間選挙で、MAGA共和党の投票を必要としているため、共和党議員らはほとんど黙認を維持している中で、アリ判事の例を考えると、トランプ政権は予算制定の権威がある議会を無視続ける可能性がある。とは言え、これまで議会の一部共和党が声を上げたのはトランプがウクライナで戦争を始めたのはゼレンスキーであり、彼を「独裁者」と呼んだ後である。トランプは、このような驚異的虚偽と暴力的な暴徒を扇動するというパワーがあることを示した2021年1月6日の歴史を振り返ると、同氏が憲法違反の第三期目も権力を維持し続けるという野望があったとしても不思議ではない。

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