
Photo credit : ABC News 2月26日: 最初の閣僚会議に招待されたエリーゼ
ドナルド・トランプ大統領は27日、国連大使に指名していた米国下院議員のリーダーの一人であるエリーゼ・ステファニクの指名を撤回した。米国上院議会で彼女に対する任命プロセスが遅れていた理由は、米国下院議会では多数派のマージンが狭すぎるため、トランプ大統領の課題が可決するかどうかの不安があるためである。それにも関わらず、既に始まった州議会の今年の特別選挙で、民主党候補者らが共和党の複数の共和党議席を転覆している。米国下院議会でも今年複数の特別選挙が行われるため、これは最も注目されている。
エリーゼ・ステファニク(40歳)は、2015年からニューヨーク第21区を代表する米国下院共和党議員であり、2021年から今年1月に国連大使の指名を受けるまで下院共和党会議の議長であった。トランプの強い支持者であるため、トランプ政権下の国連大使として今年1月に指名されていたが、上院議会での認可プロセスは遅れていた。驚くことに、突然トランプは27日にステファニクに対する国連大使の指名を撤回した。これは、彼女にとってもトランプにとっても容易な決断ではなかったと言われている。ステファニクは既にソーシャル・メディアに彼女が選出されたニューヨーク州北部の選挙区の有権者に送別のメッセーを送っており、リーダーの役職を辞退していた。加えて、トランプ政権の「閣僚の同僚」と呼ぶ人々と撮影した写真さえ投稿していた。しかも、それはトランプが撤回を発表する前日の3月26日である。そのXでの投稿には「美しいホワイトハウスで、大統領と閣僚の同僚や友人たちと一緒に女性史月間を祝うことができて嬉しいです」と書いている。
彼女が国連大使になることに誇りを表明したその翌日、トランプ大統領は、下院共和党はわずかな多数派の一人として、ステファニックを留任させるため、国連大使としての指名を取り下げたのである。上院での任命プロセスが遅れていた理由は、彼女が下院を去ることで共和党多数派のパワーが益々弱まることを恐れた為、数ヶ月間上院議会での認可を延期していたようである。下院議長マイク・ジョンソンは、近い将来に彼女が国連大使に就任する可能性があることを願っていると示唆した。トランプは木曜日の午後、トゥルース・ソーシャルへの投稿で、下院議会は「非常に僅差の多数派なので、エリーゼの議席を争う他の誰かに賭けるつもりはない。国連で良い仕事をできる人は他にもいる。従って、エリーゼは議会に留まり、下院指導チームに復帰し、素晴らしいアメリカ国民のために戦い続ける」と述べた。ステファニクは、大統領の発表を受けて、「私はチーム・プレーヤーであることを誇りに思っています。大統領もそれを知っています。彼と私は今日何度も話し合い、アメリカ国民に代わって結果を出すことに全力を尽くします」と述べた。
国連大使指名の突然の撤回は、2026年の中間選挙で下院が多数派を失う可能性による懸念の兆候である。アイオワ州のデモインでは1月28日の特別選挙で、民主党候補者である教育者のマイク・ジマーは保守派寄りの州上院議席に勝利した。2024年11月の選挙ではトランプが大差で勝利した共和党が強い地域で、ジマーは共和党の対立候補ケイティ・ウィッティントンを約4%ポイントでリードし、勝利した。同氏が勝利した議席は、キム・レイノルズ知事が上院議員クリス・コーノイヤーを副知事に任命したことで空席となったものである。アイオワ州でのジマーの勝利は民主党にとって励みになっているようである。トランプ政権が教育省を廃止しようとしている中で、教育者のジマーは、教育の公平性と勤勉の価値観を強調し、超党派の有権者に支持されたという。
ペンシルベニア州上院議会の特別選挙では、保守派のペンシルベニア州郊外と農村地域で、民主党市長ジェイムス・アンドリュー・マローンは25日の特別選挙で、共和党が数十年にわたり支配してきた地区の郡政委員を僅差で破り勝利した。ここでは2024年の選挙でトランプ大統領が勝利した。トランプに対抗することに葛藤がある民主党にとって多大な勇気を与えていると言う。ウィスコンシン州でも25日の予備選挙選挙で、17年間共和党員が保持していた州上院議席の特別選挙で民主党が勝利した。トランプ大統領が2024年11月に15%ポイントで勝利した地区である。セントクロワ郡検死官の民主党員パティ・シャクナーが、共和党員の州議会議員アダム・ジャーチョウを11%ポイント差で破り、ミネソタ州境に近い西部田舎の地域で決定的な勝利を果たし議席を獲得した。同州民主党は、彼らが活気づいてきた希望の兆候を見ている。
加えて、米国下院議会でも重要な空席を埋める特別選挙が行われる。フロリダ州第1選挙区でトランプから司法長官に指名され身を引いたマット・ゲイツの空席は民主党のゲイ・ヴァリモントと共和党のジミー・パトロニスが立候補している。ゲイツは、議員としての資格を失った個人である。同州の第6選挙区はトランプ大統領が国家安全保障大統領補佐官にマイケル・ウォルツを指名したことで空席となっている。ここでは民主党のジョシュア・ウェイルと共和党のランディ・ファインがウォルツの空席を争っている。ウォルツは最近、軍事情報について国防省の長官ピート・ヘグゼスも含めて多数の高官らとシグナル・チャットを通して情報交換を行い、その会話には偶然アトランタ誌の記者が含まれており、イエメンに対する戦争計画の情報が漏れたとされる批判に直面している。4月1日に行われるフロリダ州二つの議会区の米国下院特別選挙は、現在注目されている。
ニュースウィークの報告によると、アリゾナ州第 7 区 での特別選挙は長年民主党議員として下院議会に奉仕したラウル・グリハルバ(77 歳)が癌で3 月 13 日に死亡したため、彼の空席を巡り、元州議会の民主党議員ダニエル・ヘルナンデスが立候補を表明している。ピマ郡の監督委員会の委員を務めるグリハルバの娘アデリータは最も民主党支持率の高い7区で7 月の民主党予備選挙で立候補する予定である。共和候補者はジミー・ロドリゲスとラウル・ベルドゥーゴの両氏が、7 月 15 日にアリゾナ州第 7 区で行われる共和党の特別予備選挙に立候補すると表明した。更に、テキサス州第18区では民主党代表のシルベスター・ターナー(70歳)が3月5日に他界したことを受けて、テキサス州知事グレッグ・アボットがターナーの空席を埋めるために特別選挙の日程を決める予定であるが、まだ決定されていない。民主党の候補者はハリス郡検事のクリスチャン・メネフィーと元ヒューストン市議会議員のアマンダ・エドワーズである。
要するに、ステファニックは国連大使の官僚職が撤回されただけでなく、下院議会でも下院共和党会議の議長としての重要な役職を失ったため、大統領、下院議長、そして本人それぞれの任命戦略ミスにより、彼女は犠牲を払う結果となった。下院議会の共和党は非常に狭いマージンで多数派である中でトランプ大統領が、指導層の一人を指名する前に、共和党指導層との協議に基づいて決定したものではないことを示唆している。そして、アイオワ、ペンシルベニア、ウィスコンシンの州議会選挙では早々にブルーの波が起き始めたため、2年ごとに再選に直面する全ての米国下院議員は、共和党が多数派を維持できる可能性があるかどうかに不安を抱いているようである。トランプ大統領の突然の発表は今週、複数の州で、州議会の民主党候補者は共和党が支配していた議席に勝利していると言う状況が報告された後に来ている。空席となっている米国下院議席は、マージンの狭い共和党が多数派を失う可能性があることをトランプ自身も懸念していることを示唆している。加えて、最近の全国規模の熱狂的なプロテストは、現在トランプ政権が行っていることが昨年11月の大統領選前には想像にも及ばなかったほど過激であることに有権者は脅威を感じているため、彼らは前回の投票パターンを変える可能性があることを示唆している。