貿易黒字国が標的にされた関税

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ドナルド・トランプ大統領は4月2日、株式市場が閉鎖された後に、ホワイトハウスのローズ・ガーデンで関税の引き上げを発表した。その関税は100年以来、誰も見たことがない大規模の関税率である。関税は全ての国に一律ではなく、基本関税のみの国と最悪の高い関税を課せられる国に分かれている。関税率は最小1%以下から最大60%以上の範囲までであるが、85カ国に課せられた関税率の数字はどのような方法で計算されているのだろうか?専門家は、その計算方法を鋭く批判的に分析している。

トランプ大統領は2日の夕方に行ったローズ・ガーデンでの記者会見で、米国へのすべての輸入品に「基本」関税を課すと述べた。ニューヨーク・タイムス(NYT)のリストによると、関税が課される国は合計85カ国である。関税には4 月 5 日から有効になる。このリストの中で最大の関税率は中国に対する62.9%である。その次に高い国は50%および40%台であり、カンボジア(54.9%)、スリランカ(53.6%)、 バングラデシュ(51.6%)、ベトナム(48.4%)の順である。次に30%台はタイ(35.8%)、インドネシア(34.9%)、パキスタン(37.5%)である。20%台は、台湾(28.9%)、 スロバキア(26.6%)、日本(24.0%)、 韓国(23.4%)、インド(22.8%)、 ルーマニア(22.1%)、ポーランド(21.7%)、ギリシャ(21.2%)、チェコ共和国(21.1%)、エストニア(20.6%)である。

 19%から15%台の関税が課される国は最も多く、マレーシア(19.7%)、 ブルガリア(19.5%)ドイツ(19.2%)、スウェーデン(18.9%)、イタリア(18.6%)、スイス(18.5%)、スペイン(18.5%)、フランス(18.4%)、南アフリカ(18.1%)、オーストリア(18.0%)、ウクライナ(17.8%)、ウルグアイ(17.7%)、フィリピン(17.4%)、 香港(16.9%) メキシコ(15.9%)である。14%から13%台の国はハンガリー(14.8%)、トルコ(14.7%)、フィンランド(14.6%)、バーレーン(14.6%)、デンマーク(14.5%)、リトアニア(14.5%)、ポルトガル(14.0%)モロッコ(13.7%)、ホンジュラス13.2%である。また、12%から10%台までの国はカナダ(12.9%)、ニカラグア(12.7%)、チュニジア(12.6%)、英国(12.1%)、オマーン(12.1%)、イスラエル(11.9%)、オランダ(11.8%)、エジプト(11.2%)、エルサルバドル(10.7%)、ニュージーランド(10.7%)、グアタマラ(10.6%)、ドミニカ共和国(10.4%)、ブラジル(10.0%)である。

これとは逆に関税が最低の1%以下はナイジェリア(0.8%)、ガイアナ(0.5%)、イラク(0.3%)、リビア(0.3%)、 クウェート(0.3%)である。1%台の国はベネズエラ( 1.4%)、 アルジェリア( 1.3%)、 バハマ (1.4%)、カザフスタン (1.9%)である。2%から3%台の国は、アイルランド(3.8%)、ロシア(3.7% )、ガーナ(3.1%)、サウジアラビア(2.1%)、アンゴラ(1.9%)である。4%と5%台の国はスロベニア(4.1%)、カタール(4.2%)、シンガポール(4.3%)、トリニダード&トバゴ(4.7%)、チリ(5.0%)、コロンビア(5.2%)、エクアドル(5.2%) である。6%から9%台の範囲に入る国はアルゼンチン( 6.6%)、ノルウェー( 7.0%)、アイスランド(7.3%)、ペルー( 7.3%)、コートジボワール( 8.2% )、ベルギー( 8.6%)、コスタリカ (8.5%)、オーストラリア( 8.8%)、ヨルダン(9.8%)である。

貿易データの新たな分析を引用したNYTによると、トランプ大統領がアメリカの最大の貿易相手国に課す関税はアメリカに輸入されるあらゆる製品にかかるもので、さらに7,140億ドルの費用がかかることになる。トレード・パートナーシップ・ワールドワイドの社長ダン・アンソニーは「これは驚くほど高い関税であり、幅広い製品のコストに大きな影響を与えるだろう。新しい税率と2月に発表された中国固有の関税を合わせると、携帯電話だけでも2024年の輸入額に基づくと275億ドルの追加輸入税が発生することになるだろう」と述べた。多くの関税は複合的な性質があるため、輸入品の税率は国によって大きく異なる。トランプ政権の最初の任期中にすでに高い関税の対象となっていた中国は2024年の11%から約63%まで上昇した。2日の発表で免除されたメキシコとカナダは、それぞれ16%と13%に上昇した。全体として、米国に入る商品の平均関税率は2%から24%まで上昇した。

ホワイトハウスの公開文書によると、一部の商品は相互関税の対象にはならない。それらは、鉄鋼/アルミニウム製品、自動車/自動車部品、銅、医薬品、半導体、木材製品、地金、米国では入手が困難なエネルギーおよびその他の特定の鉱物などである。また、カナダとメキシコについては、既存の麻薬フェンタニルの流入に関する国際緊急経済権限法の命令は引き続き有効であり、2日の命令による影響を受けない。つまり、米国・メキシコ・カナダ協定による準拠品は引き続き、関税0%であり、この三カ国協定非準拠品には 25% の関税が課せられ、三カ国協定非準拠のエネルギーおよびカリウムには 10% の関税が課せられる。既存のフェンタニル流入に関する国際緊急経済権限法の命令が終了した場合、米国・メキシコ・カナダ協定準拠品は引き続き優遇措置を受けるが、米国・メキシコ・カナダ協定非準拠品には 12% の相互関税が課せられる。

これらの関税率はどのような計算に基づいているだろうか?フォーチュンの解説によると、「ホワイトハウスは、世界各国に課すことを決めた関税を計算するために、貿易赤字と総輸出額に重点を置いた計算式を使用した。この計算式には、各国の特定の製品に対する関税率の評価は含まれておらず、関税以外の貿易障壁も考慮されていない。 その代わりに、各国に適用された相互関税率は、貿易赤字を米国への輸出額で割り、それを 2 で割ったものである。その国が米国との貿易黒字を抱えている場合、又は上記の計算式から得られる数値が 10% 未満の場合、一律 10%の税率が適用された。 例えば、米国は欧州連合に対して 2,356 億ドルの貿易赤字を抱えているが、欧州連合は米国に合計 6,058 億ドルを輸出している。ホワイトハウスの計算式によれば、2,356 億ドルを 6,058 ドルで割ると 0.388 となり、これを半分で割ると 0.194 となる。この数字は 0.2 に切り上げられ、20% の関税率につながる」という。

一部の専門家は、その計算方法に反応している。ジョーンズ・トレーディングのマーケティング戦略家の主任マイク・オルークは3日の投資家向けメモで、「これらの新しい関税措置は相互関税として位置づけられているが、実際にはこの政策は黒字国をターゲットにしたものであることが判明した。税率の計算に関税が使われたようには見えない。トランプ政権は特に、米国への輸出に比べて、米国との貿易黒字が大きい国をターゲットにしている。これらの税率の計算方法を知ると、米国企業がサプライ・チェーンで大きく依存している国々に最も厳しい影響が及ぶことが浮き彫りになる。これらの関税が大手多国籍企業の利益率に大打撃を与えないはずがない」と述べた。

要するに、専門家はトランプ政権が使用した単純な計算方法は、特定の製品に対する関税率の評価、関税以外の貿易障壁、税率の計算に関税が使われていない可能性があるなど、経済専門家にとっては、懐疑的な関税率であるという。しかも、対象となったこれらの国は、貿易で利益を得ているため標的にされているということである。そして2日に公開された関税は相互関税である為、双方の国の企業や消費者が多大な悪影響を受けることから、勝者はいないことを意味する。これまで既に、圧倒的多数派の経済学者や専門家は、トランプの貿易戦争は、グローバル経済を景気後退に導くと予測している。トランプ大統領は先月、それを理解していることを示唆したが、長期的には米国の利益になると示唆した。トランプの相互関税措置の発表に即時に反応した3日の株式市場は劇的に急落した。ダウ工業平均株価はマイナス1,679.39 ポイント(-3.98%)、S&Pはマイナス274.45 ポイント(-4.84%)、ナスダックはマイナス1,050.44ポイント(-5.97%)である。これは、コロナウイルスの最初の経済閉鎖の危機に直面した2020年の春以来である。

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