トランプ政権下の不法移民に対する国外追放は何を示唆?

米国当局はトランプ政権が米軍機で移民グループをリビアに移送する計画を立てていると述べた。この動きは、判事らが法廷手続きを踏まえていないとして、強制送還の対処方法に異議を唱え、法廷紛争が起きている最中に起きている。判事らの命令は益々、無視されていることを示唆する急激なエスカレーションの状況がある。そして、リビアに国外追放される人々が、リビア出身であるのかさえ明白ではないようである。当局者は、送還対象者を乗せたリビア行きの米軍機は、早くて7日に出発する可能性があると述べた。幾つかの理由に基づき、現政権の不法移民に対する国外追放は益々深刻な問題になっている。

トランプ政権は、不法移民を長年戦争国であったリビアへ強制送還する計画を立てていることが6日に判明した。同政権は、北アフリカのリビアに加え、ベナン、アンゴラ、エスワティニなどの他のアフリカ諸国も検討していることが判明している。国務長官マルコ・ルビオは先月、記者団に対し、トランプ政権は「他国と協力して、最も卑劣な人間たちを送りたいです。そして、彼らが国境を越えて戻ってこないように、アメリカから遠ければ遠いほど良いと考えています」と述べた。しかし、リビア政府は、米国から移送される移民を受け入れることには同意していないとし、北アフリカの国リビアの主権を侵害すると述べた。

トランプ政権は米軍機で移民をリビアに移送する計画であり、米軍機は早ければ7日に出発する可能性があると匿名の当局者は述べた。7日のニューヨーク・タイムスが伝えたところによると、リビアは「長年敵対する二つの政権」に分裂している。憲法と民主主義を基盤にしたリビア西部を統制する首都トリポリにある「国際的に承認された政府」とカリファ・ハフターが支配する東部リビアにある軍事独裁政権である。この二つの政府は米国からの移民受け入れを拒否する声明を発表したという。いずれも「いかなる合意や調整」を拒否し、「政府の認識や同意なしに、リビア領土を移民の強制送還先として利用することを拒否する」と明言した。トリポリ政府の声明は、いくつかの「並行組織」がトランプ政権と合意に至った可能性があると指摘した。「これは明らかにリビア東部の何らかの当局を指している。そうであるなら、トリポリ政府はそのような合意は「リビア国家を代表するものではなく、法的にも政治的にも拘束力を持たない」と主張して、受け入れを拒否しているという。更に7日、東部のハフター政権の外務省も声明を発表し、「アフリカ、ヨーロッパ、アメリカなど、どの国籍の移民の再定住に関するいかなる合意や了解の存在も断固として拒否する」と述べた。

歴史的に米国政府は「トリポリ政府とのみ正式な関係を結んでいる。しかし、カリファ・ハフターの息子でリビア東部軍副司令官を務めるサダム・フセインはワシントンを訪問した」ことが4月29日に報告された。彼はトランプ政権の複数の当局者と会談しており、リビア東部の軍が米国と独自の協定を結んだ可能性もある。また、トランプはリビアの有望な油田を支配するハフターと最初の任期中に友好的な関係を築いていた。 難民や移民に対するリビアの扱いが劣悪だと批判する声を考慮すると、国外追放された人々がリビアに移送される可能性は極めて大きい。リビアへの強制送還の可能性は「難民や移民に対する同国の酷い扱いの記録を批判する声が高いことから、衝撃的な事態となる可能性がある。ヨーロッパへ向かう移民の主要な中継地点であるリビアは、多数の移民収容施設を運営している」という。

最後にドナルド・トランプ大統領は2019年4月15日に、リビアの反逆将軍であり、リビア国民軍(LNA)の指導者と自称するカリファ・ハフターと電話会談し、リビアにおけるテロリストとの戦い、及びリビアの石油資源の確保におけるハフターの「重要な」役割を認識したと発表した。当時、ハフターが率いるLNAは、国連と米国の支援を受ける同盟国に対する攻撃を続けていた。米国大統領の権威主義的傾向や、サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦の指導者と親密であったことから、トランプ大統領はトリポリ政府ではなく、ハフター軍事独裁政権を支持しているとみなされた。トランプ大統領は、これらの国に対する支持を表明し、資金および軍事支援を約束しており、米国歴代大統領のリビア政策から方向転換したことを示唆していた。そして同年の4月初旬にトランプ大統領はエジプトのシーシ大統領と会談した。すでに2019年4月の時点から、二期目のトランプ政権は、不法移民を人道的に問題のある国に強制送還する可能性があることを示唆していた。アムネスティ・インターナショナルの2016年7月1日の報告書によると、リビアでは、難民および移民に対する性的暴力、殺人、拷問、搾取などがあることを指摘している。現政権の不法移民の対応は、すべての移民がその地位に関わらず、他のすべての人に適応される国際人権法で保護される権利があることを明白にしている国際人権法に違反していることから、益々論争的になる可能性がある。

注記:リビア国民軍(LNA)の指導者の名前は一貫性がない。ニューヨーク・タイムスとAP通信はカリファ・ヒフター(Khalifa Hifter)と記載しているが、カリファ・ハフター(Khalifa Haftar または、ミドルネームを含めて、カリファ・ベルカシム・ハフター(Khalifa Belqasim Haftar)の記載が主流である。当ブログはカリファ・ハフターで統一。

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