ディレンジメント・シンドロームとは何か? 

ドナルド・トランプ大統領は5日、ホワイトハウスでドイツのフリードリヒ・メルツ首相と大統領執務室で会談を行い、記者団の質問に答える中で、イローン・マスクとの関係が壊れたことを認めた。マスクは最近、トランプ大統領に対する批判をエスカレートさせている。

トランプ大統領は、メルツ首相との会談中、マスクが負債を大幅に増加するトランプの財政法案に反対しているためであることを示唆し、ホワイトハウスを去った直後に法案に反対し始めたと語った。しかし、マスクはXで反応し、それは「虚である」と即時に反論した。マスクは彼自身が選挙キャンペーンを支援していなかった場合、今頃は民主党がホワイトハウスを支配していると言った。ドイツの指導者を前にしたトランプのマスクに対する発言とマスクのトランプに対するXでの即時投稿はCNNニュースが同時放映した。トランプ大統領はマスクの批判を「トランプ・ディレンジメント・シンドローム」と呼ばれるものであると言った。

ディレンジメント・シンドロームは日本語で「錯乱症候群」と訳されている。「錯乱症候群」という表現は以前から存在していたが、2003年にジョージW・ブッシュを批判する人々に対して「ブッシュ・ディレンジメント・シンドローム」の表現が使われるようになった。この言葉はワシントン・ポスト紙への寄稿で1987年にピューリッツァー賞を受賞した穏健リベラル派で後に保守派に転身した政治評論家チャールズ・クラウトハマー(1950年3月〜 2018年6月)によって使われたことが起源である。2003年にジョージ・W・ブッシュの政策およびブッシュ大統領を批判する人々が、ブッシュ大統領に対して非合理的だとみなされる否定的な反応を表した軽蔑的な用語である。つまり、クラウトハマーは、ブッシュの取った政策を鋭く批判し、遂に彼を嫌悪するようになった人々を「ブッシュ錯乱症候群」と呼んだことで知られるようになった。

現在「ブッシュ錯乱症候群」から「トランプ錯乱症候群」に変わった。トランプ大統領は、2025年6月5日、ホワイトハウスで彼を酷く批判するようになったイーロン・マスクに言及し「非常に失望した」と言った。そして「イーロンと私は素晴らしい関係でした。今ではそれが続くか私にはわかりません」と語った。また、「イーロンはこの法案をここに座っているほぼ誰よりも、皆さんよりもよく知っていたのに、私は非常に失望しています。彼はすべてを知っていたのです。彼は何も問題視していませんでした。突然、彼は問題を抱えてしまったのです。そして、EV(電気自動車)の義務化を削減しなければならないと知った時、彼は初めてその問題に気づいたのです。なぜなら、EV義務化には数十億ドルもの費用がかかるからです」と言った。

しかし、マスクはXでの投稿で即時に反応し、「嘘です。この法案は一度も見せられていません」と反応した。そして、マスクのXでの投稿文書を画面に紹介したCNNによると、マスクは驚きの発言をした。マスクは「私がいなければ、トランプは選挙に負け、下院は民主党が掌握し、上院は共和党が51対49で優勢になっていたでしょう」と主張した。現在、上院議会は共和党が53議席、民主党が47議会であるため、マスクは、彼が2024年の大統領選でトランプを勝利させるために、約2億9,000万ドルを利用して、トランプのキャンペーンを支援していなかった場合、トランプは、今ホワイハウスにはいないと明言した。トランプ大統領は、下院で可決した法案に対するマスクの強固な批判に対して、「これは一種のトランプ錯乱症候群と呼ばれるものだと思います」と記者団に語った。

要するに、マスクがトランプ大統領を攻撃する頻度は益々エスカレートしているようである。マスクが2024年の選挙で大金を支出したのはそれなりの野望があったことに疑いの余地はない。昨年12月の大統領移行期間中、次期大統領トランプは、ジャレッド・アイザックマンをNASAの次期長官に選出したと発表した。しかし、トランプ大統領は、NASAの長官にマスクが指名した彼の側近であるIT界の大富豪アイザックマンを突然取り下げたことが5月31日に報告された。マスクはスペイスXの宇宙飛行を成功させるという主要な目標があることでも知られている。早くから両氏間の利害関係が示唆されていた中で、マスクが指揮したとされる政府効率化局(DOGE)の戦略が過激であったため、マスクは有権者からの支持を大幅に失い、そして複数の告訴に直面し、多くの苦悩に直面した。現時点でマスクが怒っている理由は少なくとも3つある。(1)彼のDOGEが特定した予算削減が下院議会の法案に含まれていない。これは予算を組むのは議会であるという基本的な憲法の法則を無視した結果である。(2)バイデン政権で推進され、マスクが押しているEVの義務化が削減された。(3)NASAの長官に彼が指名したジャレッド・アイザックマンをトランプが取り消したことである。アイザックマンはスペイスXでの宇宙旅行のチケットを購入した最初の人物であり、それ以来、マスクの親しい同盟者になったとされている。現在怒りを燃やしているマスクをトランプは皮肉にも「トランプ錯乱症候群」と呼んだ。両氏間双方の攻撃は今後も続く兆候がある。

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