下院で可決した法案と上院の新たな予算法案との比較

5月に可決した下院議会の予算法案には複数の上院共和党議員が支持していなかったにもかかわらず、上院議会共和党が主導している予算法案は、下院議会より更に深いメディケイド削減が含まれている。ドナルド・トランプ大統領が独立記念日までに署名できるよう目指しているものの、その可能性が保証されている法案ではないようである。今日公開された世論調査は、共和党が取り組んでいる予算法案には圧倒的多数派が反対していることを示した。

以下のチャートは可決した下院法案と上院共和党の提案を簡略的に比較したものである。

条項上院共和党の提案可決した下院法案
2026年の中間選挙までの債務上限引き上げ総額5兆ドルに引き上げる4兆ドルに引き上げる
社会保障給付への課税上院法案は65歳以上のアメリカ人を対象に6,000ドルの税額控除を与える。65歳以上のアメリカ人を対象に4,000ドルの特別控除を設け、高所得者層の控除額を縮小する。
児童税額控除2025年度から、恒久的に親が利用できる控除額を子供一人当たり2,200ドルに引き上げる。控除額を2,500ドルに引き上げるが2028年まで制限している。
私立財団への増税条項を廃案としている。下院で可決した。
大学基金への新たな課税8%に引き下げる。21%に提案されていた。
メディケイド就労要件年長の子供を持つ親にも適用範囲を拡大する。子供のいない成人に新たな就労要件を追加する。
メディケイド・サービス高額な料金を支払う戦略への取り締まりを更に厳しくする高額な料金を支払う戦略を取り締まる。
他の税額控除研究開発費を含む、企業が最も切望する税額控除の一部を恒久的に認める。下院法案には含まれていない。
バイデン政権下で採決したクリーン・エネルギー税額控除水力、原子力、地熱発電に対する税額控除を2036年まで延長する。下院法案では段階的に廃止する。

要するに、上院財政委員会が17日に公開した予算法案は先月1票の差で可決した下院議会の法案より、もっと攻撃的にメディケイドを削減している。しかし、大統領の目標はまもなく期限切れになる2017年に可決した個人および法人に対する一連の減税措置を延長することであるため、基本的には共和党上院議員らの法案は、トランプ大統領の国内政策の中で主要な減税を支援するため下院が採択した取り組みに近いものであるが、総体的には相違は顕著である。上院共和党の法案は、多くの州が医療提供者に課税し、メディケイド・サービスに対して高額な料金を支払う戦略を、下院法案よりもさらに厳しく取り締まることを強調している。両院の共和党が支持している条項は、2017年に制定され、今年末に期限切れとなる減税措置の延長である。上院共和党は、彼らの修正法案を下院共和党が速やかに通過させ、7月4日までにトランプ大統領が署名できることを望んでいる。しかし、上院議会の新たな法案は、下院でかろうじて可決した法案とは大きな相違点があることから、両院での可決をより複雑で困難にしており、目標通りのスケジュールでそれが達成可能であるかは保証されていないと言う。

その根拠を反映している17日の最新の世論調査は、国民が共和党のいずれの法案も支持していないことを示唆している。ワシントン・ポストが17日に公開したポスト・イプソスの合同世論調査では、全体として、アメリカ人の42%が「税制、歳出、メディケイド政策の変更」となる予算案に反対しており、賛成はわずか23%、意見がないと答えたのは34%であった。党派的には共和党の支持が最も高く49%、反対は13%、意見がない回答者は38%であった。民主党は74%が反対し、わずか6%が支持し、意見がない人は19%であった。無党派層では、反対が40%、支持は17%で、42%は意見なしと回答した。国民の約3分の2は、この法案についてほとんど、あるいは全く聞いたことがないと回答している。かなり聞いたことがあると回答した人は、約2対1の割合または64%対33%で反対している。また、約半数が強く反対している。全てのアメリカ人の支持率が平均50%を超えない法案は、一般的に人気があるとは言えない事を考慮すると、上院共和党主導の新たな修正案は、少数派である民主党議員の意見が全く反映していないため、益々党派的ギャップを拡大することになる。つまり、法案の内容を理解し始める人々が増加するにつれ、党派的な法案には、反対する率も増える可能性があるため、議員らは地元での有権者からの抗議に直面し、中間選挙に影響する可能性がある。注目すべきことは、議会両院で多数派になった共和党議員らは、予算法案について論議する際、完全に民主党を締め出している独裁的な態度があると言う側面である。

アメリカ・ウオッチ- Yuko's Blogをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む