イランの核濃縮能力は完全に壊滅されたか?

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ドナルド・トランプ大統領はイランの核兵器能力サイトを21日に爆破したと同日夜に発表した。副大統領、国務長官、国防省長官の3人を伴い、ホワイトハウスから国民に向けた声明で3つの備蓄サイトを「完全に壊滅した」と述べた。しかし22日、当局はトランプ大統領の声明を完全に裏付けていない結果であることを認めた。そして、政権当局は、これが戦争に導くための行動ではないと示唆したが、超党派の議員らは、大統領の行動の合憲性に疑問を提起し始めた。

大統領は、この声明で「つい先程、米軍はイラン政権下の3つの核施設フォルド(Fordo)、ナタンズ(Natanz)、エスファハン(Isfahan)に対し、大規模な精密攻撃を実施しました。我々の目的は、イランの核濃縮能力を「完全に壊滅」し、世界最大のテロ支援国家による核の脅威を阻止することでした。中東の暴君であるイランは、今こそ和平を果たさなければなりません。そうでなければ、将来の攻撃は遥かに大規模になり、遥かに容易になるでしょう」と述べた。大統領はイランの核濃縮サイトが完全に破滅されたと示唆したが、イランが核兵器を生産する能力をまだ保持している可能性があるかどうかについては、明白な結論が出ていない。

フォルドの原子力施設について説明しているニューヨーク・タイムスの調査記者マシュー・ビッグによると、「イランで最も厳重に警備された核施設は、テヘラン南部の丘陵地帯フォルドにあり、100万人以上が暮らすクムから約15マイル(約24キロ)離れている。イランは攻撃に耐えられるよう、フォルド燃料濃縮工場の中核施設を山奥に建設した。専門家らは、濃縮施設は米国の「バンカーバスター」爆弾による集中的な攻撃を除いて、他のいかなる攻撃も耐えられると述べていた。米国当局者によると、6機のB-2爆撃機は、フォルド施設に3万ポンド(約12,000キログラム)のバンカーバスター爆弾を12発投下したという。トランプ大統領は、フォルドとイランの他の2つの核施設(ナタンズとエスファハン)への米軍の攻撃が成功し、施設は「完全に壊滅した」と述べた。イランはこれらの施設への攻撃を認め、この攻撃を『国際法に反する暴力行為』と呼んだが、被害の程度についてはコメントしなかった」と述べている。

しかし、国防総省高官は22日、「イランが依然として核濃縮能力を保持しているかどうかを判断するのは時期尚早である」と述べ、実際には「完全な壊滅」はなかったと述べた。22日のニューヨーク・タイムスによると、「国防総省当局者は日曜日、B-2爆撃機と潜水艦発射巡航ミサイルが30分以内に3つの施設を攻撃するなど、綿密に計画された作戦」について説明した。統合参謀本部議長のダン・ケイン将軍は、「初期の戦闘被害評価では3つの核施設すべてが深刻な損害と破壊を受けたと示されたが、最終的な評価には時間を要する」と述べた。 米国の高官は「イランにとって最も重要な施設であるフォルドへの攻撃で、厳重に防備が固められた同施設は破壊されなかったと認めたが、深刻な被害を受けたと述べた。事情に詳しいイスラエル当局者2人も、フォルドの原子力施設は、地下深くに埋設された構造物の中でウランを濃縮している最も重要な施設が、深刻なダメージを受けたものの破壊されておらず、重要なウランや機器を攻撃の前に移動させていた」という。

さらに、大統領は、イランが和平に向けた努力をしない場合、将来の攻撃は遥かに大規模になると警告し、戦争に発展する危機感があることを示唆したが、22日「政権当局者は、今回の攻撃がより広範な軍事作戦の開始ではなく、集中的な任務」であると示唆した。副大統領J・D・ヴァンスは22日朝のテレビ・インタビューで、「我々はイランの核開発計画と戦っている」が、「我々はイランと戦争をしているのではありません」と述べた。国防長官ピート・ヘグゼスは、記者会見で米国が長期にわたる紛争に突入しようとしているのではないことを示唆し、「これは決して終わりのない紛争ではありません」と述べた。しかし、イランに対する決定を最長2週間待つと述べてから、わずか2日後にトランプ大統領がイラン攻撃を決定したことは、米国最高指揮官が外交的な交渉を待たない方針であることを示唆した。

現在、一部の共和党議員らは、トランプ大統領の発表後即時に歓声をあげた。共和党の中にはこの類の攻撃を歓迎する人々が複数存在する。一方、大部分の民主党は、中東に駐留している少なくとも40,000人の兵士の安否を何よりも気遣い、大規模な戦争に発展する可能性を懸念している。しかし、攻撃後から目立っている傾向は両党の議員らが、トランプ大統領の行動の合憲性に疑問を投げかけていることである。彼らは攻撃の正当性や軍事情報に信頼性があるかを表明した。また、トランプ大統領はイラン攻撃の前に議会に知らせることもなく、認可を得たものではなかったと指摘している。アリゾナ州米国上院情報委員会のマーク・ケリー上院民主党議員はNBCの番組ミート・ザ・プレスでのインタビューで、「米国民および米国に対する明白かつ差し迫った脅威がある場合、最高司令官には行動する権利があります。しかし、今回の場合はそうではありません」と言った。全ての攻撃に対して、大統領が議会の承認を得ることを明白にするため、超党派の決議案を提出したケンタッキー州の米国下院共和党議員トーマス・マシーはCBSのフェイス・ザ・ネイションでのインタビューで、トランプ大統領のイランに対する一方的な行動を正当化するような「差し迫った脅威」は米国には存在しなかったとし、「率直に言って、我々はこの問題について議論すべきだった」と述べ、しかも、大統領の行動は下院議会が休暇中である時に来ていると語った。オハイオ州の下院共和党議員ウォーレン・デビッドソンは、ソーシャル・メディアでの投稿で、トランプ大統領の攻撃の合法性に懐疑的であり、「合憲的な根拠を見出すのは難しい」と述べた。攻撃前に反対を表明していたジョージア州の米国下院共和党議員マージョリー・テイラー・グリーンはXでの投稿で,「これは私たちの戦いではありません」と述べた。

要するに、フォルドの原子力施設は山岳部の深い地下に建設され、簡単に破壊されない構造になっており、この特殊な施設を破壊するためには、地面下の深い部分にまで浸透する特殊な爆弾およびそれを投下する戦闘機が必要になるとされている。そして、米国だけがそれを保持しており、イスラエルに寄付することさえ躊躇した貴重なものであるという。イランは自国で、ダメージの程度を査定すると見られているが、国際原子力機関(IAEA)もイランの核施設の被害状況を評価すると言われているので、議員らが疑問視したように、イランがまだ核兵器を製造する能力があるかどうかが判明するのは時間の問題である。実際に米国の「バンカーバスター」爆弾が原子力施設を破壊する前に、イランはウランや機器を移動していたとの説も、それがどこまで確実であるか明白になると思われる。いずれにしても、超党派の議員、特に昨年までトランプの強固な支持者とされたマージョリー・テイラー・グリーンでさえ、イランに対する攻撃に反対していたため、大統領が事前に議員らには何も話さず、行動を取ったことに不満を感じていることを示唆している。グリーンのコメントは、トランプ大統領の支持基盤であるMAGAは、大統領の行動が彼の基本政策である「米国第一主義」に適合していないと見ていることを示唆している。加えて、ご承知の通り、18日に公開された世論調査は、大多数の有権者がイランへの攻撃に反対していたものの、21日の攻撃は、そのような世論も全く考慮されなかったことを示唆している。

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