19世紀の初期に富豪者の贅沢三昧の生活と政治家の腐敗が横行し、貧富の差が非常に拡大した時代があった。現在の政権が行なっていること、議会の共和党議員らが行なっていることは新たな金ぴか時代の到来を思わせる。トランプ大統領の二期目は、最初の一期目よりもさらにホワイトハウスをビジネスに開くと公的に表明した。官僚の一部も同様に腐敗した人物であることが新たに判明している。そして、今日上院共和党議員らが投票しようとしている大統領の予算法案は、まさに富豪者を優遇し、低所得者をさらに財政的に追い詰める財政政策、貧富の格差を拡大する政策である。
金ぴか時代(The Gilded Age) は米国で19世紀後半に採用された表現であり、マーク・ツェインとチャールズ・ダドリー・ワーナー共作による風刺小説の題名に由来している。そして、金ぴか時代という言葉は、新興富裕層や家族による浅薄で安っぽい文化に言及している。歴史家は19世紀に見られた一部の豪華な邸宅、豪華な物質主義の生活など富豪者の地域社会は、汚れた貪欲によって得た過剰な富の現れであると解釈している。そして、腐敗した政治家が台頭し、彼らも私欲を肥やす一方で、低所得者を搾取し、金持ちばかりを優遇する政策を優先するため貧富の差は大幅に拡大した19世紀の時代を反映している。さらに、米国で最も優れた文筆家として知られるユーモア作家のマーク・ツェインは、後に西洋のインペリアリズムと呼ばれる帝国主義を批判した。インペリアリズムを反映したインペリアル・プレジデンシィ(帝王的大統領制)において、憲法で定める権威を超えた大統領政治に従事した歴代大統領は両党に存在するが、2016年に台頭したドナルド・トランプ大統領は、2024年から更にその傾向を増加させている様である。
トランプ大統領の腐敗の一部の例は既に報告されているが、下院監視民主党グループの記録によると、今年就任から100日間で利益相反または腐敗とされる活動は100件が記録されており、倫理基準から外れた行動は日々一回あると言うことである。そして、報告の冒頭には監視委員会筆頭委員ジェラルド・コノリーの発言が以下の様に記載されている。
アクセスと影響力を売ることがトランプ政権の特徴であり、この大統領は就任から100日間、腐敗への道を切り開き、大企業、仲間の重罪犯、そして億万長者の仲間たちに、トランプ政権は、代償を払えば、ビジネスが開かれていると知らせてきました。トランプの私腹を肥やすだけの十分な資金を投じたり、MAGAカルテルへの忠誠心を示したりすれば、あなたも訴訟を取り下げられたり、官僚主義が削減されたり、有利な企業や政府との契約を獲得できるかもしれません。一方、トランプ政権は重要な政府プログラムやサービスを骨抜きにし、国民の医療保険や福利厚生を剥奪し、家庭の生活費を引き上げています。しかも、億万長者にはさらなる減税措置を与えています。就任から100日が経ち、共和党は働くアメリカ人の生活を困難にしているため、コスト、混乱、腐敗はすべて増加しています。
下院監視グループの報告は、100日間の記録が完全な腐敗であることを示唆している。トランプ大統領は2025年の二期目も既に多額の個人的利益を得たと示唆している。そして、大統領が指名した官僚の中には同様に腐敗している長官らが複数存在する。全ての官僚の財務報告は開示されていないが、最近、表面化したのは、トランプ大統領の移民政策に献身的な努力をしている国土安全保障省の長官クリスティ・ノームである。調査機関プロパブリカの6月30日の説明によると、ノームはサウス・ダコタ州知事だった当時、ダーク・マネー・グループがノームの個人会社に8万ドルを支払った。しかし、ノームはこの収入を連邦開示書類に記載していなかったため、専門家は倫理規定に違反した可能性が高いと指摘している。プロパブリカは以下のように報告している。
2023年、クリスティ・ノームはサウスダコタ州知事時代に、自身の政治キャリアを支援する非営利団体のために集めた資金の一部を秘密裏に受け取り、収入を補っていたことが税務記録から明らかになった。専門家が極めて異例な取り決めと評したこの非営利団体は、ノームがデラウェア州に設立したばかりの個人会社に資金を送金していた。同年の支払い総額は8万ドルに上り、ノームの約13万ドルの公務員給与を大幅に上回るものだった。この非営利団体は、寄付者名を公表する義務のないいわゆるダーク・マネー(闇資金)グループであるため、資金の出所は依然として不明である。ノームはその後、この8万ドルの支払いを公表しなかった。ドナルド・トランプ大統領がノームを国土安全保障長官に指名した後、ノームは2023年以降、資産と収入源に関する詳細な会計書類を公開しなければならなかった。彼女は情報開示書類に闇資金グループからの収入を記載していなかったが、専門家は連邦倫理規定に違反する可能性が高いと指摘した。専門家はプロパブリカに対し、ノームが政治献金者から個人的に資金を受け取っていたことは懸念すべき事態だと述べた。提出書類の中で、この団体(アメリカン・リゾルブ・ポリシー・ファンド)は、8万ドルを資金調達のための支払いであると説明していた。専門家によると、政治家が資金の一部を私的に保有することは異例のことである。元連邦選挙委員会弁護士で、現在はブレナン・センターで選挙資金に関する活動を率いるダニエル・ワイナーは「これらの非営利団体への寄付者が、選出された公職者の政治的将来を左右するだけでなく、文字通り収入源となっているとすれば、これは新たな、そして憂慮すべき事態です」と述べた。
そして、新たな金ぴか時代を思わせる風潮は、上院議会の共和党議員らの富豪者優先の減税である。共和党議員らは、低所得者にとって最も重要な安全ネットの一つであるメディケイドを削減しようとしている。トランプ大統領の「大きな美しい法案」は上院共和党議員らが、改正を行い30日に投票する予定であったが、多数の議員らは夕方になっても投票できる状態ではないようである。メディケイドの大幅な削減は、彼らの地区の有権者を傷つけるとして、少なくとも3人の共和党上員議会が反対している。その中の一人は、ノース・キャロライナのトム・ティリス上院議員であり、彼の地区の有権者には最悪の法案であるため投票できないと強固な姿勢を示していたため、トランプ大統領から2026年の中間選挙で敗北に追い込むと脅された後に、再選に挑戦しないと29日発表した。彼は上院の仕事を失っても彼の有権者を守ることを選択したという状況がある。これとは逆に、フロリダ州のリック・スコット、ウィスコンシン州のロン・ジョンソン、ユタ州のマイク・リーを含む少なくとも4人の上院共和党議員らはメディケイドを更に削減する改正案を求めている。このような人たちは、医療保険を失うと医療費が高い米国で、治療を諦めて死亡する可能性がある人達を見捨てることになっても、富豪者に減税することで3兆ドルを超える負債を増やすことを選択しているのである。