複数の最新世論調査は何を示唆?

クイニピアック大学とロイター/イプソスが最近公開した二つの世論調査は、いずれもトランプ政権の移民強制送還に有権者が強い関心があることを示唆した。加えて、2019年8月に自殺し、2019年8月29日にニューヨーク南部地区連邦判事によって正式に終結した未成年の性的人身売買容疑者ジェフリー・エプスタイン被告の刑事事件に関する資料について、トランプの強固な支持者は公開するよう強く求めている。事件が未成年の少女達であったことから、これらの調査は、米国司法省とFBIによるエプスタインに関する資料の取り扱いについて、特に有権者の世論が反映している。これら二つの課題は、現在メディアが最も注目している。

クイニピアック大学が7月16日に発表した登録有権者を対象とした全国世論調査によると、トランプ政権によるエプスタイン被告の捜査資料の取り扱いについて、有権者の17%が支持すると回答した。一方、63%が不支持と回答し、20%は意見を表明しなかった。共和党支持者の間では40%が支持し、36%が支持しないと答え、24%は意見を表明しなかった。 民主党支持者は、2%のみが支持し、圧倒的多数の83%は不支持である。無党派層11%が支持し、71%が不支持である。クイニピアック大学の世論調査アナリストであるティム・マロイは「エプスタインは亡くなって何年も経っているが、彼の卑劣な遺産は、彼が誰と知り合いだったのか、そして彼と共に隠された秘密が何なのかを知りたい国民にとって、大きな影を落としている」と述べた。米国司法省の職務遂行ぶりに対して、3人のトップ関係者に対する支持はかなり低い。

司法省最高責任者支持する支持しない
司法長官パム・ボンディ32%53%
FBI長官キャシュ・パテル36%47%
FBI副長官ダン・ボンジーノ34%41%

クイニピアック大学の世論調査の結果は、前回6月26日に実施した世論調査とほぼ変化はない。          

 支持する支持しない
大統領の職務遂行40%54%
経済の対処42%55%
外交政策41%54%
イスラエル/ハマス紛争40%54%
移民問題40%55%
ICE の移民法執行よる方法39%57%
自国以外の国に強制送還30%64%
移民の国外追放38%59%
ロシア・ウクライナ戦争34%57%
貿易措置40%56%

注:ICE(移民関税執行局)

議会の職務遂行に対する世論は、共和党支持者が共和党議員らの職務遂行には満足していることを示した。これは一般のアメリカ人が共和党議員の職務遂行を評価している率の33%とは顕著な見解の相違があることを示した。一方、民主党支持者は民主党議員の職務遂行については現実的に評価していることを示唆している。

議会の職務遂行支持する支持しない
民主党議員の職務遂行19%72%
民主党支持者の民主党職務39%52%
共和党議員の職務遂行33%62%
共和党支持者の共和党職務77%20%

第三政党への参加について、 総体的名有権者の約半数(49%)は、共和党と民主党の代替として第三政党への参加を検討すると回答した一方、45%は第三政党への参加を検討しないと回答した。 しかし、イーロン・マスクが共和党と民主党の代替として第三政党を創設した場合、77%は参加を検討しないと回答した一方、わずか17%は参加を検討すると回答した。

共和党の税制/歳出法案は議会で可決され、ドナルド・トランプ大統領が7月4日に署名した共和党の税制・歳出政策である「大きく美しい法案」に対し、有権者の過半数55%が反対し、35%が支持、10%が意見を表明しなかった。 過半数53%はこの法律が「国に悪影響を与える」と考えており、36%が「国に利益をもたらす」と考えている。有権者の44%は「個人的には不利になる」と考えている一方、37%は「個人的には有利になる」と考えている。

有権者の61%は、税制/歳出法に含まれるメディケイドと食糧支援の削減によって、自分自身または知人が影響を受け可能性があると考えており、43%が「非常に懸念している」、18%が「ある程度懸念している」と回答した。一方、36%は「それほどまで懸念していない」とし、23%は「全く懸念していない」と回答したが、13%は「どちらでもない」と回答した。また、「どの政党が労働者階級のニーズに最も配慮していると思うか」という質問に対し、46%が民主党、40%が共和党、そして10%がどちらの政党も労働者階級のニーズに最も配慮していないと回答した。

アメリカン・ドリーム について有権者は総じて懸念を抱いており、どちらが自分の考え方に近いか尋ねたところ、共和党支持者が最も楽観的である。

 不可能であるまだ健在である
全体50%43%
民主党78%15%
共和党18%79%
無所属51%41%
男性42%50%
女性57%37%

次に、ロイター/イプソスが7月18日に公開した世論調査は、トランプ政権の移民措置は明白に支持を失ったことを示唆している。6月に実施した調査とほぼ同水準であったと言う。

課題支持する支持しない
移民問題41%51%
逮捕と強制送還42%44%
職場での過剰逮捕40%50%
ICEの逮捕時のマスク着用34%45%
安全の為のマスク着用38%42%

トランプ大統領の移民問題に関する支持率は、2025年1月20日から2期目が始まって以来、最低となった。彼の移民問題への取り組みを支持するアメリカ人は1月時点の48%から7ポイント減少した。

この調査では、トランプ政権によるエプスタイン事件のファイルの取り扱いに対して、支持した率はわずか17%、不支持は54%、不明または拒否した率は29%である。アメリカ人の60%は、連邦政府が性的人身売買容疑者ジェフリー・エプスタインの死亡に関する情報を隠蔽していることは間違いなく、あるいはおそらく真実だと答えている。それは間違いなく、あるいはおそらく虚偽だと答えたのはわずか12%で、28%はわからないと答えるか又は拒否した。更にアメリカ人の70%は、連邦政府が性的人身売買容疑者エプスタインの顧客とされる人物に関する情報を隠蔽していることは間違いなく、あるいはおそらく真実だと答えている。それが「おそらく又は間違いなく虚偽である」と答えたのはわずか6%で、わからない又は拒否した率は25%であった。

要するに、これら二つの調査機関は移民の強制送還と性的人身売買容疑者のジェフリー・エプスタインの課題を重視していることを示唆した。いずれの調査機関も米国司法省に対する信頼性が非常に低いことを示唆し、エプスタインの顧客とされる人物に関する情報をトランプ政権の司法省は公開していないと回答者は強い不審があることを示唆した。また、トランプ大統領の職務を含む複数の課題において、ほぼ全て圧倒的に支持していないことを示した。トランプ政権の移民政策は、就任最初の時点で、過半数が支持していたものの、半年後には完全に逆転し、国外追放や合法的移民が自国ではなく、悪名高いエルサルバドルの刑務所に送還されるなど、法的手続きが省略された非人道的措置への反応が世論に反映している。また、クイニピアック大学の世論調査にはアメリカン・ドリームの課題が珍しく提起された。恐らく、税制/歳出法によって数千万人が影響を受けるとされるメディケイドが削減されたこと、大統領が8月1日から施行されると発表した関税によるインフレーションによって、益々家を購入するという若い人々の夢を困難にしていることなどの心理的影響が世論に反映している可能性がある。イーロン・マスクが第三党を結成するかどうかについて、同大学の世論調査分析者ティム・マロイは 「アメリカの有権者の間では第三政党への関心は健全です。しかし、イーロン・マスクが先頭に立っている現状ではそれほどではありません」と言う。圧倒的大多数の人々は、マスクが結成する第三政党には関心がないことを示した。

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