ガザの人々が飢餓に直面している中で、イスラエルによる物資運搬の救済は十分に行われていないとの批判がある。ドナルド・トランプ大統領は、イスラエルの首相ベンヤミン・ネタニアフに反して、現状を認める表現をしたことが29日に報告された。米国下院議会のトランプ支持者でMAGA忠誠者と呼ばれるマージョリー・テイラー・グリーンは、ガザの悲惨な状況について、まだ誰も表現していない非常に痛烈で劇的な真実を示唆する言葉を含む見解を投稿した。
トランプ大統領は、週末からスコットランドにある彼が所有するゴルフ・クラブを訪問し、28日にはゴルフ・リゾートで英首相キール・スターマーと会談した。ワシントン・ポストが29日に伝えたところによると、28日ターンベリーにあるトランプ大統領のゴルフ・リゾートでスターマー首相と会談した米国大統領は、ガザ地区で「本当の飢餓」が起きていることを認め、同地区でハマスとの戦争を続ける自国に対し、正反対の主張をしているネタニヤフ首相とは意見が違うことを示唆した。トランプ大統領は29日にスコットランド訪問を終え、同日午後、ワシントンD.C.に戻る予定であるとされていた。
大統領の発言は主要メディアがさらに付加的に解釈している。29日のニューヨーク・タイムスによると、大統領はガザ地区で「真の飢餓」が起きていると述べ、「支援増額のための追加支援を約束」したという。そして、トランプは月曜日、スコットランド滞在中に欧州各国首脳との一連の会談を終えた後に「これは本当に飢餓の問題だ。私は目の当たりにしている。ごまかすことはできない。子どもたちに食料を与えなければならない」と語ったという。下院共和党議員マージョリー・テイラー・グリーン(ジョージア州)はガザの人々が飢えている状況を「大虐殺」であると述べた。現在、ガザで起きていることは、そのような表現が出ても不思議ではないが、多くの人々がそのような表現を避けている中で、彼女はそれを率直に表現した最初の議員となった。タイムスによると、グリーンは「2年前に、ガザの状況に反対する発言をした民主党議員に対する非難運動を主導した」ため、彼女には顕著な変化があることを示唆している。グリーンは28日夜にソーシャル・メディアへの投稿で「10月7日のイスラエルの出来事は恐ろしく、人質は全員返還されなければならないと言うのが最も真実で簡単なことだが、ガザで起きている大量虐殺、人道危機、そして飢餓も同様に恐ろしい」と書いた。グリーンはここ数週間、「イスラエルの戦争遂行を批判し、ガザの苦しみを終わらせるための行動を求める一連の発言をエスカレートさせてきた彼女にとって、最も強い発言となった。これは外交政策の柱として、イスラエルを無条件に支持する議会共和党議員の大多数とは明らかに異なる」という。
しかし、下院議会では、ガザで繰り返される爆破、飢餓、餓死を見ている議員らの反応に多大な違いがあるという。例えば、ランディ・ファイン下院共和党議員(フロリダ州)は先週、ソーシャル・メディア上でガザ地区の飢餓に苦しむ子どもたちの画像を「イスラム教テロ・プロパガンダ」と発言した後に、激しい批判を浴びたという。ファインは「人質を解放しろ。それまでは飢え死にしろ」と書いたという。 タイムスによると、「ユダヤ教の信仰と断固たる親イスラエルの見解を議会で公然と表明してきた初当選議員のファインは、国際政策を専門とする影響力のある下院外交委員会の委員に昇格したその日にこの発言を行った」という。グリーン議員の発言は、共和党の同僚議員であるファインに対する「直接的な非難」であった。一方、ランス・グッデン下院共和党議員(テキサス州)は、「イスラエルを支持するということは、野蛮なハマスのテロリストを全員排除することを意味する。それはまた、ガザの子どもたちの殺害と飢餓を拒否することを意味する」とソーシャル・メディアに投稿した。グリーン議員はこれに同意したことを示唆し、引用したという。
グリーンは今月初め、声明で「イスラエルはガザ地区のカトリック教会を爆撃し、ガザ地区での侵略戦争を続ける中で、その住民全体が抹殺されつつある」と述べた。この発言は、グリーンが主導し、議会がイスラエルへの年間防衛支援の一環として承認した5億ドルの米軍予算を削減しようとした試みが失敗に終わった後に来ている。この試みは、共和党2名、民主党4名のわずか6名が賛成票を投じたため失敗に終わった。この連合には、ミシガン州選出の民主党議員で、パレスチナ系アメリカ人で唯一の連邦議会議員であるラシダ・トライブ下院議員も含まれていた。イスラエルのアイアン・ドーム兵器システムに対する資金提供の停止を求める動きにおいて、グリーンとトライブとの結束は意外な組み合わせであった。2年前、グリーンはトライブを「反ユダヤ主義的行為」と「テロリストへの同情」で非難する試みを主導したが、失敗に終わった。トライブ民主党議員が親パレスチナ派の抗議活動で、ガザ地区の「非人間的な状況」について発言し、人道支援に対するイスラエルの「封鎖」を解除するよう求めたことことにグリーンが同意した為であるという。
最後に、米国下院共和党議員の大多数は、盲目的にイスラエルを支持しているため、イスラエルに提供している年間防衛予算を支持している。その予算に反対し、失敗に終わったマージョリー・テイラー・グリーンは、トランプ大統領と同様に、ガザの子供達が飢餓に直面し、餓死に至る状況を認める必要があることを示唆した。イスラエルが餓死を防ぐ努力を停止した場合、大統領は、どのような行動を取るか注目される可能性がある。グリーンはトランプ大統領の強力な支持者の一人であるが、MAGAの忠誠者と呼ばれる彼女のような人々が2016年に先導したMAGA運動は、移民問題、貿易と関税を含む経済、ロシアとの関係など、全ての主流派の正統性に逆らってきた。そして、米国とイスラエルとの関係を最重視してきた彼らは、ガザでのイスラエルの戦争が、子供達を飢餓に陥れている悲惨な状況が目に飛び込んでくる中で、初めて、MAGA運動を率いた大統領と彼の政治的リーダー達の反応がこれまで以上に注目されるようになったことを示唆している。そして「ユダヤ教の信仰と断固たる親イスラエルの見解」を持つ下院共和党議員の中には、ガザ地区の飢餓に苦しむ子供達の画像を「イスラム教テロ・プロパガンダ」と呼び個人がいる中で、少なくとも、数ヶ月間人道支援を封鎖したイスラエルに対抗したことを示唆した下院議会共和党少数派のグリーンと、「子どもたちに食料を与えなければならない」と語った大統領は、それを表現するだけでなく、実際に何らかの行動を示す必要がある。特に指導者の価値は、言葉ではなく行動によって評価される。